2008
04.26

2008年4月26日 日曜大工

らかす日誌

久しぶりに日曜大工に取り組み始めた。作るのは本箱である。
我が家に本があふれるようになって久しい。だが、こればかりは、

 「すでにたくさんあるから、新しいものを買うのは控えよう」

というわけにはいかない。そんなことをしたら、私の通勤は味気ないものになる。バスの中でも電車の中でも、私は本なしでは手持ちぶさたに苦しむ。
考えてみれば、5年、10年前に読んだ本を覚えているはずはない。だから、そのころの本を取り出して持ち運べば時間がつぶせる。新しく本を買う必要はない。 ともいえる。
だが、人間は計算だけで成り立つ生き物ではない。読んでない本を見ると、つい手に取りたくなる。ページをめくりたくなる。だから、自宅に本が積み上がる 。

 「もう入れるところ、ないからね。本箱を買うか作るかしてもらわないと、家の中が片付かないからね」

妻に言い渡されて、もう数年になる。そしてやっと、重い腰を上げる気になった。
本箱を作るのは、かつて長男が使っていた床張りの6畳間である。3階にあり、天井は屋根の形状に従って斜めになっている。この壁に作りつけの本箱を作る。これが私に課せられた使命である。

腰が重い間も、時折考えることはあった。
この壁を使って、釘を1本も使わず、棚板を取り外せばバラバラに解体できるような本箱はできないものか?
使用部材は、最も安価な2×4材だけとする。この条件で、上記の機能を持った本箱はできないものか?

重い腰を上げたのは、閃いたからである。できる。確実にできる。作業にやや難しいところはあるが、やってできないことはない。やろう!
こんなすばらしいアイデアを思いつくとは、やはり、私は天才なのか?

かくして、本日午前中は材料の仕込みに時間を費やし、昼食後、作業を始めた。進展具合はまだ1割程度である。だが、徐々に勘が戻ってきた。明日は、もっと快調なペースで作業は進むはずだ。
でも、体のあちこちが痛いなあ……。

我が知能と体力の限界に挑戦する本箱作りは、追って報告する。

さて、本日の朝日新聞社説である。

【北朝鮮とシリア―ぞっとする核拡散の闇】

この社説子は、本当にぞっとしているのだろうか? ぞっとしぶりが、ちっとも伝わってこない。こんな問題が起きたらぞっとしてみせるものだ、という秀才君の浅知恵に思えてしまう。

「どうやってこんな写真を入手できたのか。スパイ小説を地でいくような離れ業に驚かされる」

ってねえ。ぞっとしたといいながら、かつてたくさん読んだスパイ小説を思い出す。ちっともぞっとしてないじゃん。ぞっとしたら、もっと違ったコメントがあるはずだけど。
だから、主張もありきたりになる。

 「核不拡散への国際社会の取り組みをいちだんと強めなければならない」

相変わらず、高校のクラス討論で聞くような、まあ、優等生がどこかで読んで記憶しているような主張なのである。
「いちだんと強め」るって、具体的にどうしたらいいっていうのかね? どうやったら、アメリカもイギリスもフランスも中国もロシアもインドも、そして隣国イスラエルも核を持っているというのに、シリアに核保有を断念させることができるのかね?

 「日本も、拉致や隣国の核武装という問題に加えて『拡散』の脅威にも真剣に向き合う必要がある」

これも空疎な念仏だ。「真剣に向き合う」って、具体的にはどうするの? 高校の優等生がそういうんなら、まだ認めてもいいですよ。でも、あなたは論説委員さんでしょ? もっと具体的に日本がなすべきこと、日本にできることを示してくれないと、お金を払って、時間をかけて、わざわざ読む意味がないじゃありませんか!
専門家としての見識を持って頂きたい。

 【高齢者医療―このままでは台無しだ】

社説子さん、あなたはこの制度を支持するのですか? それとも、とんでもない仕組みだと思っているのですか? そこをはっきりして頂きたい。

 「保険料が上がって困っている低所得の人たちがいるのであれば、仕組みを改めることも含めて必要な対策を講じなければならない」

というのは、制度に問題ありとの指摘だよね? では、

 「新しい高齢者医療制度は、従来の老人保健制度に比べ、現役世代とお年寄りがどれだけ負担し、税金がどれだけ使われているかが分かりやすくなった。世代間や世代内の負担の不公平もある程度是正された。
だが、そんな意義や利点も、不信や不安を放置したままでは伝わらない」

というのは? これは制度に問題はないということでは? 私は、世代間で負担がはっきりしても意味がないと思うが。

 「まずは、お年寄り一人ひとりの目線で負担の仕方や実態などを説明し、納得を得る。それをしなければ、せっかくの制度も立ちゆかない」

ここまで来ると、うん、この社説子、後期高齢者医療制度には賛成なんだ!
これほどお年寄りが怒っているというのにね。あなたもいずれは後期高齢者になって年金から天引きされるんだよ。天引きされても構わないぐらいの資産でもあるのかね? だから弱い人の叫びが聞こえないんじゃない?

ああ、そろそろ昼間の労働の疲れが出始めたようです。お休みなさい。

(注)
やっと社説シリーズの終わりが見えてきました。はい、お断りはこれまでと同じです。