2008
10.04

2008年10月4日 金融救済法

らかす日誌

期待はずれというか、この軟弱者め、と怒鳴りつけたいというか……。
アメリカの下院が、緊急経済安定化法案を可決してしまった。あ~ぁ、である。

私としては珍しく、前回の日誌でアメリカの勇気ある選択を誉めあげたのになあ。ま、勇気あるというより、選挙を目前に控えた下院議員たちが、

「ウォール街のくそ野郎どもを、どうして俺たちの税金で救わにゃならんのだ?」

という選挙民の怒りにビビって反対票を投じただけらしいが、怒る選挙民が多数であればアメリカの国としての意思だもんなあ。法案賛成に寝返った議員さんたちは、その国家意思を裏切ったことにもなるが、次の選挙は大丈夫なのかな?

にしても、である。
ウォール街の人々は、庶民の怨嗟の的らしい。映画「ウォール街」では見事にそれが描かれていた。ま、金の臭いをプンプンさせる奴は、確かに嫌な奴だ。

にしても、である。
惜しいことをした。バブルが破綻した後の金融不安には大量に税金をつぎ込む、という実験はすでに日本がやった。今回は、バブルが破綻して金融がガタガタになっても、すべては市場の見えざる手に委ねる、という人類始まって以来の経済的実験に取り組む好機だったのに。
いやいや、これで人類は、経験知を1つ増やす機会を逃してしまった。

だけど、総額7000億ドル、74兆円ほどの金を出すぞ、とアメリカ政府がいっても、ニューヨークの株式市場では平均株価が下がった。投資家の皆さんは、これで何とかなるとは思っていないらしい。
さて、これから何が起きるのか。

ところで。
前回私は、

「いまアメリカも欧州でも日本も、アメリカは一刻も早く公的資金を投入せよ、の大合唱だよ。なのに、下院は法案を否決した。実に面白い。反対した議員の事情はそれぞれだろうけど、下院は壮大な実験をやろうとしている、という見方だって出来る。それに、ひょっとしたら、そちらの方がうまく行く可能性もある。アメリカの銀行、証券会社がバタバタ行って、それを日本の銀行、証券会社が買ってウォール街で日本型の経営をやったりして」

と書いた。それが一部実現しつつある。
野村證券が、破綻したリーマン・ブラザーズを買い漁っている。 三菱UFJフィナンシャル・グループはモルガン・スタンレーの日本法人を手中にしたいようだ。東京海上ホールディングスは、米保険大手AIG傘下の生命保険子会社アリコに関心を示している。
日本の金融機関がアメリカの金融機関を買いまくる。私が描いたシナリオの一部である。

それに、外為市場でユーロが弱くなってきた。ドルが下がり、ユーロも下がる。いまのところ、円だけが強い。
いや、だから海外旅行に行こう、というのではない。為替相場はその国の経済力の指標だから、アメリカ、ヨーロッパの経済力に比べ、いまのところ日本の経済力が高く評価されているということなのである。
今回の米国初の金融不安で、最も影響を受けない国は日本、ではないのか?

さて、そう考えてきて、サブプライムローン問題が発生してから以降の、世界の株式市場の株価下落率が知りたくなった。ネットで調べようとしたが、うまく探せない。
何となくの感じだけど、株価の下がり方も、日本が一番穏やかではないのかな? であれば、米国の金融不安にもかかわらず、日本経済は安定を保っているのではないか?!

メディアが悲観論を振りまけば振りまくほど、冷静にならねばと思う私なのであります。

 

で、私の暮らしはというと、今日も瑛汰とサザンオールスターズに付き合って、瑛汰が昼寝をした隙に、たまりにたまっていたBD-R、DVD-Rの整理をして、という1日でありました。
そうそう、昨日は浜離宮朝日ホールで、柳家喬太郎の「小言幸兵衛」を聞いて大いに笑いました。
会社務めをしていて思います。

落語って、すぐ隣にいる人を戯画化して聞かせてくれるから面白いんだなあ!
うん、私は小言幸兵衛ではないと思うから笑えるのではありますが。
何度聞いても、柳家喬太郎は最高です!