2009
12.31

2009年12月31日 大晦日

らかす日誌

せめて三日坊主にはなりたい。

昨日の公約 ― 毎日日誌、起き抜け日誌 ― 、書かなきゃ良かったな……。

昨夜、次女一家がやってきた。もちろん、瑛汰つきである。瑛汰は数日前から風邪をひいたそうで、確かに元気がない。いまはまだ就寝中である。今日は元気を回復してくれるだろうか。

さて、我が家で瑛汰を待ち受けていたものがある。瑛汰の大好きなもの、かどうかはわからないが、新聞に載った広告を見て、瑛汰と啓樹が大好きだろうと勝手に想像して、ネットで買ったものである。昨日の昼過ぎに届いた。

マイケル・ジャクソンジグソー・パズルである。

図柄が4種類あり、それぞれ希望小売価格5250円、1000ピース。すべてを買う金はなく、啓樹と瑛汰に1点ず使うことを勝手に決めた。事前に2人に電話をし、どの図柄がほしいかを確かめたのはいうまでもない。
啓樹はスーパースター、
瑛汰はザ・レジェンド

であった。ちなみにネットでは、それぞれ3675円であった。

着いてすぐ、啓樹には下仁田ネギ、ゴボウ(何故かわからないが、妻の命令でこの2点を買いに行かされた)、それにピーナツを同封してスーパースターを発送した。我が家ではザ・レジェンドが瑛太の到着を待ち受けた。

我が家に着くなり、瑛汰はジグソーの箱を発見した。当然である。すぐに目につくところに置いていたのだから。だから瑛汰は、想定通りの言葉を口にした。

「ね、これなあに? このマイケルさん、どうしたの? 開けてみようよ」

私に異存はない。そのために取り寄せたのだ。すぐに開封した。

細かなピースがわんさと登場した。1000円とはあまり使い出がなくなってしまったお金で、最近は子供もあまり喜ばないが、同じ1000でも1000ピースとなると、1000という数字の偉大さが身にしみる。開封したとたん、無限のピースが眼前に並んだような気がした。

 「これを組み合わせる?」

ちらっと、いやな気がした。俺、後悔しそう……。

むろん、瑛汰に作れるわけがない。というより、瑛汰がそばにいて作れるわけがない。

「ボス!」

と寄ってくる瑛汰をなだめつつ、遠ざけた。瑛汰を喜ばそうと買ったはずだったのに、おかしなことになってきた。
ジグソーパズルの定石通り、まずはフレームのピースを選び出して組み立て始めた。正確に言うと、組み立てる試みを始めた。
風邪のせいだろう。瑛汰は9時半頃には寝付いた。遊んでくれないボスが不満だったかもしれないが、私にそんな余裕はない。

瑛汰のパパが参戦した。

「1000ピースということは、横が20枚なら縦は50枚ですよね。ん、23で1000は割り切れましたっけ? ということは横は20か25しかないわけですね。こんな風に理屈で考えるのは男ですね。女ってもっと直感的ですよね」

理屈はその通りである。が、理屈が正しいからといってジグソーが組み上がるわけはない。

「おかしいなあ」

 「あとはひとつずつはめてみるしかないですね」

完成しないフレームを前に2人で悪戦苦闘した。時計は11時を回った。なにの、どうしてもフレームが完成しない。残ったピースがうまくはまらない。理論は正しいのに、現実はどこか間違っている。おかしい。

「明日にしよう」

2人で申し合わせて布団に入った。今日はフレーム部分をいったん横に置き、その他のピースの組み立てに挑むはずである。

本当に完成するのだろうか……。
後悔が深まる。

公約通り起き抜けに日誌を書きながら、思う。さて、今日もそろそろ始めなくては。
でも、大晦日にこんなことに時間を費やしている脳天気な人間って、ほかにもいるのだろうか……。

皆様、良いお年を。