01.01
2010年1月1日 元旦
午前7時過ぎ目覚め、「リン」に排便させるため外に出た。
寒い。寒気で全身が引き締まる。
空を見上げると、一点の雲もない快晴である。風がやや強い。正月らしい元旦を迎えた。
皆様、あけましておめでとうございます。今年も良いお年を過ごされるよう桐生で願いながら、新しい歳の日誌を書き始めます。
という具合にスムーズに2010年が始まったわけではない。目を覚まして部屋を出ると、廊下に小さな水たまりがあった。水源がある場所ではない。水漏れがする場所でもない。出所はリンしかない。
「そういえば昨夜、リンのうなり声を布団の中で聞いた気がする。これだったか」
まずリンを外に出し、台所からキッチンペーパーを持ち出して水たまりをぬぐい去る。
「元旦からこれでは、今年はリンのションベンとの戦いの年か」
悪い予感は当たる。その後リンは、午前9時までに4回も屋内で漏らす。というか、力んで小便を押し出す。左前足がびっこをひくようになったリンの体を考えて散歩はやめていたが、こうなっては仕方がない。雑煮で朝食を済ませたあと、リンを散歩に連れ出す。少量ずつ8回にわたって小便をしたのでもう大丈夫かと自宅に戻ると、間もなくダイニングで少量漏らす。
死ぬまで続くのだろうか?
話を戻そう。リンを外に出し、パジャマ姿で新聞を取りに行く(この家は、新聞受けが門のところにある)のは無謀と判断、着替えてジャケットまで着込み、ずっしり重い元日の新聞を取る。
面白いニュースは皆無だ。読みたくなる記事もない。この有様を見ると、紙資源の無駄遣い、という気がしないでもない。
面白くない新聞だけで時間をつぶすのはもったいない。そういえば昨夜、BS朝日でやったビートルズ&マイケル・ジャクソンの3時間特集を録画していておいた。それでも見ながら、いや、聞きながら新聞を読もう。
間もなく、2階から
「ボス!」
と声が降ってきた。瑛汰が目覚めたらしい。
「何してんの?」
「新聞を読んでんだ」
「そうではなくて、テレビで何してんの?」
「ああ、ビートルズとマイケル・ジャクソンを見てるんだよ。瑛汰も好きだろ?」
起き抜けの瑛汰が私のそばに座り込み、私は新聞を、瑛汰はテレビを見る。
「ボス、だめ」
「何が?」
「新聞、邪魔。瑛汰、見えない」
てな具合に、やがて朝食となり、リンを散歩に連れ出し、そして瑛汰はいま、テレビでマイケルさん。私のギターアンプにつないだマイクで声を出してご機嫌である。
でも、スリラーだけは未だにだめだ。
「瑛汰、見なくていい」
とテレビの前を離れ、別の場所でスリラーが終わるのをひたすら待つ。
「ねえ、スリラー、終わった?」
そんなことをしてたら、啓樹から年賀電話が来た。もうすぐ、マイケルさんの特集も終わる。あと2時間もすると、すぐ近くを新春の実業団駅伝が通過する。
このように、私の2010年はスタートした。どんな1年になるのだろう? どんなことを日誌に書きとめるのだろう?
今年もよろしくお願いします。