2010
12.05

2010年12月5日 しきたり

らかす日誌

自分で金を出し、
自分で考え、
自分で働く。

ホームページを持つとは、そのような営みである。ページを更新するかどうかは、運営者の気持ち1つである。
かつて「侍魂」という、実に尊敬に値するサイトがあった。週刊誌で話題になるほどのビッグサイトであった。サングラスをかけた運営者の映像がグラビア(だったかな?)に登場した。私も愛読し、影響も受けた。
いや、そのサイトはいまでもある。だが、数年前に更新されたあとはほったらかしだ。サイト運営者がその気をなくしたか、その気があっても時間が取れなくなったか。

「侍魂」と比べるのはおこがましいが、私にもスランプはある。この1週間、飲み会が3回も入ったこともある。多少仕事がざわついたこともある。
でも、まったく更新する意欲がわかなかった、というか、書きたくなるネタが見つからなかった、というのも事実だ。

齢(よわい)を重ねて、周りへの野次馬根性がすり減ってきた? そうは思いたくないが……。

 

しきたりに従って本日、

「今年は年賀状を出さないぞ!」

というはがきを刷った。9月、義父が亡くなったためである。昼食を済ませて取りかかり、夕食前に出来上がった。明日投函する。

まあ、しきたりに従ったわけだが、迷ったのが

 「しきたりをどこまで破れるか」

である。
しきたりに従った文面は味気ない。

「喪中につき
  新年のご挨拶を失礼させていただきます

  百合子の父 山田保人が九月三日に九十歳で永眠いたしました
  みなさまにはどうぞよいお年をお迎えください
  寒さに向かう入りからご自愛のほどを念じあげます」

これが、本日印刷した全文である。だからどうした、といいたくなるほど、型通りの文章で、もらった方も面白くないはずだ。
なんでも、このような文面には句読点を省くのが常識なのだそうだ。
何で? と思いながら、それに従って上記の文章を書いてしまった私は、何?

いや、抵抗しなかったわけではない。
賀状に代えて出す手紙である。せめて近況報告はできないか?

我がファミリーには今年、新しいメンバーが2人付け加わった。次女が産んだ璃子と、長女が産んだ嵩悟である。年1回の賀状でお知らせする我が家の近況を楽しみにしていてくださる方もいらっしゃるのではないか? だとすれば、それは知らせるべきではないか?
ネットで、喪中はがきの「常識」を探した。どれを見ても、喪中に慶事を書いてはいけないとある。

そりゃ分かる。身内に亡くなった者がいて、だから賀状は出せないという手紙に、

「実はこんなに嬉しいこともありまして」

と書くのは違和感がある。読むのも違和感があるに違いない。

だけどねえ。
俺たち、いつまで形に捕らわれるのだろう? いつ、どういう次第で出来上がったのか分からない「常識」に捕らわれてしまうのはなぜだろう?

いいじゃないの。死んだ義父だって90歳だったのだ。人は永遠に生きる者ではない。天寿を全うした大往生だったことを喜ぶべきではないか? それに、新しい命が誕生したことを付記して何が悪い?

いろいろと思い悩んだ。
結果、判明したのは、普段は激しい言動をするのににもかかわらず、どうやら私は革命家の資質に欠けることである。
私は、訳の分からない常識にとらわれて、璃子と嵩悟の誕生を、欠礼を詫びるはがきに書かなかったのである。

俺って、案外つまらない人間だなあ。

 

そのつまらない人間がいま、腰痛に患わされている。座ってギターを弾いていても腰の筋肉が固まるのが分かる。それではと、ストラップで方からギターを吊して練習したら、肩が痛くなった。
それで。
昨日も今日も、朝から風呂をたてて腰を温めた。
お腹を思い切りへこませた状態で呼吸をする腰痛体操を復活した。
ゴルフボールを使った患部へのマッサージは毎夜の定例行事となった。

それでも、幾分かよくなった程度である。
腰痛は我が持病か……。

 

つい先ほど、横浜からSOSが入った。
この10日ほど、横浜の次女の家庭は風邪に襲われている。瑛汰が幼稚園でもらってきて、それが璃子に移り、2人で熱を出したり、鼻を垂らしたり、困った状況が続いている。
まあ、子供とは、病を得て免疫システムを作り出すのである。ある程度の病気は健康の元である。

と思っていたら、次女までが風邪に感染したらしい。電話で救いを求めてきた。

こうなれば、我が妻女が出るしかない。
明日朝、妻女を横浜に送り届けるべく、私は専属運転手になる。先ほど、前橋にいて私を管理する上司に

「明日は休むからな」

と連絡を入れた。

明日、私は妻女の専属運転手として働く。横浜に着いたら、瑛汰の遊び相手だ。
瑛汰はいま、双眼鏡が欲しいらしい。友だちの家に行って双眼鏡で遊び、欲しくなったそうだ。

「ボスはね、優しいから、瑛汰が欲しいって言うと買ってくれるよ」

そうか、そうか。でも、4歳から覗き見を趣味にして、お前、将来大丈夫か? と思わないこともないが、まあ。いいか。

瑛汰。明日はラゾーナのビックカメラに行って、双眼鏡を買おう!