2011
02.22

2011年2月22日 パンダ

らかす日誌

が、上野動物園にやってきた。人間でいえば20歳前後の若い連中だという。つまり、やる気満々の年代だということで、

「赤ちゃんの誕生も期待されます」

なんてコメントもあった。
まあ、そんなもの、期待されたって、ご当人が

「やっぱ、あんたとだったらやりたいな。あんたは? 俺でいい? だったら協力しなよ。ほら、お尻を出して」

と兆さなければ赤子は産まれないのは、動物界のならいである。
なんでも、パンだってのは、私と違ってその手の衝動をあまり持たない動物とかで、やってきた2頭が思惑通りその気になってくれるかどうかは分からないのである。

しかし、あれだね。
周りみんなが

「いつやるの? 早くやりなよ。ほら、さっさとやることやりなよ」

なんて目で見ているのに、その気になるのかねえ。俺だって萎縮しそうだもんなあ。
我が身をパンダに置き換えれば、できれば目をそらせておいていただきたいものではある。みんなが見てるんじゃ、やりたくたってやれないじゃないの。

年間のレンタル料が8000万円らしい。しかも10年契約で、総額8億円を中国に支払うことになる。あの中国だよ。リビアで民衆がカダフィ打倒に立ち上がっているとの情報を何とか国民の目に触れさせないようにしようとあの手この手を使っている中国、だよ。
ま、それでも、支払金額に見合った「経済効果」はあるのだろうから、善男善女が、好きこのんで財布から出したお金の一部が、あの中国に渡っていくのも、まあ、見てみないふりをしてやってもいい。

だが、感に障るのは、パンダに絡んだ馬鹿騒ぎである。

なかでも、天下のNHKには目をふさぎたくなる。
昨日なんて、午後7時のニュースで長々とやっていた。リビアでは民衆の騒動が続き、我が国では、民主党の阿呆どもが、目先の支持率ほしさに、

「小沢を処分すれば内閣支持率は上がるはず」

と動き回り、でも、予算関連法案の成立のめどは立たず、しかも、全国的に月曜日でほとんどの人が週末の休暇に未練を残しながら意を決して職場に出て行った日であるにもかかわらず、

パンダを長々と

なのですよ。
脳天気すぎではないか?

しかも、NHKで流れた町の人の絵は、パンダ歓迎一色。

「早く会いた~い」

だの、

「絶対見に行く!」

だの。たかがパンダ2頭で、世の中がバラ色一色になったような騒ぎである。

はーっ、皆さん、2頭が公開され始めたら、電車に乗って、入園料払って、上野動物園に駆けつける訳ね。ご苦労さんでです。

だけど、日本にパンダがいないわけではなし、何がそんなにニュースなの?
いや、例え、初めて日本にパンダがやってきたとしても、こんなに大騒ぎする意味がどこにあるの?

冷静に統計を取れば、

「パンダが来た? へーっ、そうなの。どうでもいいんじゃない、そんなこと。で、あんたたち、何を騒いでるの? どうしてそんなことをわざわざ質問するの?」

という私みたいな人の方がきっと多数派だと思うのだけれど、NHKを見ている限り、日本国民はこぞってパンダの来日に興奮しているように見える。

メディアに奉職する知人が言っていた。

「動物の話題って扱いやすいんだよ。誰も目くじら立てないし、好きな人は喜ぶ。ネタがないときは動物園に行くんだ。いくらでもニュースが作れるぜ」

おいおい、ニュースって作るものか?

NHKよ、あんたらは1億総白痴化をさらに薦めたいのか、と気分が悪いのは私だけか?

 

夕方、前橋で会議をしていたら電話が鳴り始めた。見ると瑛汰からである。
詰まらぬ会議で寝たふりをして時間を費やすより、瑛汰との会話の方が100倍も有意義である。

「あのさ」

瑛汰の電話は、いつもこのように始まる。

「スター・ウォーズ、できた?」

いま、そのNHKのBS2で、「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ Season 2」が放映中である。全22話。これを録画し、DVDにして瑛汰と啓樹に送るのは私の責務である。
1作品23分。全体で22話なので、4作を1枚のDVDにして2人に送ってきた。すでに第16話までは送付済みで、残るは6作品。3作ずつDVDにすることにした。19話まで放送済みで、16~19話を収録したDVDはすでに作った。放送が終了するまで待って、16~19、20~22の2枚のDVDを一緒に送ろうというのが私の考えである。

 「瑛汰、瑛汰は放送が終わるまで送らなくてもいいといったじゃない。だから、まだボスのところにあるよ」

 「そうだけど、瑛汰、何だか見たくなっちゃったんだ。ねえ、ボス、もうDVD作った?」

「ああ、作ってあるよ」

 「あといくつあるんだっけ?」

 「瑛汰は16まで持ってるよな。全部で22だから、瑛汰が持ってないのは6つ。そのうち3つが入ったDVDは作ってあるよ」

 「ねえ、送って」

 「分かった。明日送る。木曜日に瑛汰が幼稚園から帰ってきたら着いてるよ」

 「ねえ、ボス、スター・ウォーズ、あといくつあるんだっけ?」

 「全部で22で、明日19まで送るんだから、あといくつだ?」

「そうか、あと6だね。もっとたくさんあったらいいのに」

?? 瑛汰、計算が間違ってる。22-19は……
そうか、まだ瑛汰が見ていないのが6つあるということか。であればピンポーンだな。

「瑛汰、ボス、お仕事中だから電話は終わりにするぞ」

 「分かった。じゃあ、送ってね。バイバイ! ママ、ボスが明日送ってくれるって」

何でも、クローン・ウォーズはこのあとSeason 3が始まり、全体で100話前後になるのだとか。
録画係件DVD制作担当の仕事からは、当分解放されそうにない。

と思いながら、再び退屈な会議の席に戻った私であった。