2011
12.04

2011年12月4日 12月

らかす日誌

今年のカレンダーは、たぐいまれなほど正確だ。12月に入ったと思ったら、急に気温が下がった。今年の冬は暦通りにやってきた。我が家は、床暖のスイッチをオンにした。

その12月1日、仕事で安中市に行ってきた。群馬の西の外れ、峠を越えれば軽井沢というところである。
午後からの仕事が夜になっても終わらず、訪ねていった人が取ってくれた宿に一泊した。磯部温泉である。

初めて訪れた土地である。土地勘はゼロ。事前の情報収集もゼロ。いったい、どんな温泉なのか?

「ねえ、ここに泊まりに来る人は何が目的なの?」

部屋にやってきた仲居さんに聞いてみた。

「はあ、ここ周りにはゴルフ場がたくさんあって、それでお見えになるお客様が多いようです」

でも、ずいぶん古い旅館ではないか。そんなに昔からゴルフ客が多かった?

「いえね、お酒のお供に芸者さんを呼んでいただくこともできます」

ほほう、桐生にはいなくなったが、ここにはまだ芸者さんがいるか。

「でもさ、お酌してもらうだけじゃつまらないという客がいたら?」

 「はい、朝までご一緒していただくこともできますので」

転び芸者もいる温泉地。仕事とはいえ、そういう旅館に男2人で出かけ、遅くまで酒を飲んで同じ部屋で寝た私は、やっぱり変わり者か?

 

桐生に戻って、

「磯部温泉に行ってきた」

と、元有力者のO氏に話した。

「え、磯部温泉? あそこ、いいんだよね。特殊な芸をする女性がいて」

特殊な芸。いったい、それは何であるか? 女性というからには、ストリップ小屋でもあるのか? そこに行くと、秘所でバナナをちぎる芸を見られるとか?

「いや、小屋に行く必要はない。部屋に来てくれるんだよ。で、芸を見せてくれる。バナナはちぎらないけど」

さて、バナナはちぎらない。では、どのような芸であるか。

「で、客の一人が舞台に呼び上げられるんだよね」

ん? まな板ショー?

「じゃないんだけどね」

O氏の話は要領を得ない。ま、それ以上突っ込んで聞いても仕方がないか。再訪することはなさそうだもんな。と、あきらめた。

でも、いったい何が見られるんだ? 気になる……。

 

坂の上の雲、第3部がやっと始まった。見るたびに、心がざわめくドラマである。
第3部の第1回は、通しでは第10回になる。

「まことに小さな国が 開花期を迎えようとしている」

のナレーションで始まる1時間半は、列強に遅れて世界という舞台にデビューした明治日本を駆け抜けた男たちに酔いしれる時間である。
強国露西亜の南下に怯えながら、日本を守る決意のもと、ひたすらリアリズムに徹し、どうしたら負けずにすむかを考え、行動する男たちを見る。

「私も、こんなに美しい日本で生きてみたかった」

そんな思いがふつふつとわき起こる。
ま、私程度の才覚では、上司の命令にしたがって旅順港に正面攻撃を仕掛け、露西亜の機関銃の餌食となって屍をさらすのが関の山かも知れないが……。

 

今週末、Eric Claptonのコンサートに出かける。
横浜の自宅にいればいつでもいいのだが、桐生に住み、仕事をしている以上、平日の公演は断念せざるを得ない。週末の公演を狙ったが、申し込みが遅れてチケットが取れず、追加公演を待っていた。
66歳のクラプトンが、どんな舞台を見せてくれるか。Eric Claptonに憧れてギターを初めて2年。やっと、

Tears in Heaven
Layla
San Francisco Bay Blues

が何とか人前でも弾けそうなレベルに達し、

Old Love

が、もう一息のところまで達した私には、見逃せないのだ。

チケットは2枚。東京に残してきた女と2人で行く、と書きたいところなのだが、何故か息子と行く。

俺、人生中途半端かなあ……。