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2011年2月12日 重力波

らかす日誌

まず持って、本日は謝罪から始める。
昨日、我が家の無線LANがダウンしたと報告した。今日は時間があればメーカーに問い合わせる、とも書いた。書いた私の性格からすれば、問い合わせることになっていたら、一種のクレーマーになっていたはずである。

「あなた、色々おっしゃるけど、パソコンから見ても、オタクの機械につながっている端末が全く見えないのよ。WebでIPアドレスを入力してオタクの機械にアクセスしようとしてもアクセスできないのよ。これって何? 故障? 親機と子機が一緒に故障する? 仲のいい親子なんだねえ」

程度のことはいったにちがいない。

ふと気がついたのは、我が妻女殿を前橋日赤までお届けすべく車を運転していた国道50号線であった。

「しかし、まったくつながらなく数十分前までは完璧だったんだよな。それがどうしておかしくなる?」

鬱々と考えて、

「あんなになる前には、俺、何してたっけ?」

と記憶を呼び起こした。
確か、会社貸与のパソコンの調子がおかしくなったのではなかったか。
それも、メールソフトやブラウザの挙動がおかしくなった。これ、ひょっとしたらネット接続が不安定なんじゃないか?
貸与パソコンに差し込んでいるLANケーブルの端子にあるはずのストッパー(プラスチック部品で、差し込むとカチッと音がして確実な接続を保証する部分)は欠けていた。だからLANケーブルが正常につながっていず、ソフトの動きがおかしくなっているのではないかと考えたのではなかったか。
だから私は、LANケーブルを取り替えた。取り替えるには、使っていたLANケーブルをルーターから抜き、新しいLANケーブルを差し込む必要がある。

「あの時、何か混乱しなかったか? どのケーブルが貸与パソコンにつながっているかわからなくなり、あれこれ抜いたり差したりしたのではなかったか?」

であれば、ルーターと無線LANの親機をつないでいるLANケーブルを誤って抜き、そのままになっていることもありうる。

「そういえば、ルータのLAN端子が1つ余っていたような……」

帰宅した夕刻、無線LANの親機からLANケーブルを辿ってルーターまで探ってみると……、おお、やっぱりルータと親機がつながっていないではないか!
うん、それなら頷ける。ここがつながっていなければ、無線LANが機能できるはずがなく、パソコンからネットワークプレーヤーが操作出来るはずがなく、ネットワークプレーヤーはNASを見つけることは不可能だ。

外れていたLANケーブルをつなぐと、何もなかったかのように事務室に音楽が流れ始めた。
ホッとしつつ、胸をなで下ろした。

「メーカーに電話していたら赤っ恥をかくところだった……」


にしてもである。朝日新聞は、やっぱりトチ狂っちゃったか?

AKB48を使って、妙に若い連中に媚びを売り始めた頃から

「変だな」

と思い始めた。
もっとも、あれは担当記者がAKBの、色気しか売れるものがない若い姉ちゃんどもに会い、知りあいになり、まかり間違えばチョメチョメまで進めるかも知れない、というスケベ心が生み出した企画に違いないとも思ってもいた。AKBのメンバーとそんな仲になれなくても、

「俺、AKBの○○、▽▽、××と仲良くてさ。あの娘、実は……」

なんて話をすれば、そんじょそこらのバカ女どもを惹きつけるツールにはなる。
社内では率先して仕事をしたことになり、加えて余禄まである。おお、朝日新聞も、さもしい記者が増えてきたものよ、と笑っていたにすぎない。もっとも、さもしくない記者いるのかどうかは不確かだが。

ところが、だ。
今日の朝刊、読売と毎日は、アメリカの研究チームが、重力波の観測に成功した、と1面で報じた。アインシュタインの一般相対性理論で存在が予言されながら、これまで見つからなかった重力波。宇宙の歴史や構造に人類がまた一歩迫った。超弩級のニュースのはずである。

なのに、朝日新聞の朝刊には一文字もなかった。業界でいう、いわゆる抜かれ、である。
まあ、ここは群馬県桐生市。ここに届く新聞は最終版ではない。だから、印刷時間の制約から、ここに配達された新聞には間に合わなかっただけかも知れない。
当初はそう思った。

ところが夕刊。

「あ、朝日新聞は、中でも社会部は、堕落の極みまで突っ走った」

と唖然とした。
1面に、重力波の話は少しだけ載った。が、ことがことである。通常なら、もっと詳しい話が2面や社会面で報じられるはずだ。
私は晩酌をしながらページをめくった。たどり着いた社会面の半分以上を占めていたのは、妻の出産で産休を取るといって物議をかもしたアホ国会議員が、妊娠中の妻(こいつも国会議員だというから笑える)を尻目に浮気をしていたことがばれ、議員職に追い込まれたという話だった。

おいおい、これがそんなに大変な話か?
詰まるところ、口先だけ達者な若造が、まずは有権者をだまし、次に同じ国会議員だった妻をだまし、それでも飽きたらず、どこかのセクシータレントまでだまして気持ちのいいことをしたって話だろ?
尾を引く話でも(当事者同士は別として)、歴史に残る話でもない。いってみれば

「バカタレ!」

と一言で切って捨てればいいだけのことではないか。これが重力波の検出より意味と価値のある話なのか? 朝日新聞さん、もう少し本を沢山読んで教養を積まれてはいかがか。

にしても、だ。あのアホ議員、今回の浮気がばれずに国会議員を続けて本当に産休を撮っていたら、産休中に何をしてたんだろうな?

私の想像では、国会の動きを頭から全部放り出して(普段でも、国政が頭にあったのかどうかはなはだ疑わしいが)、あのセクシータレントとベッドの上で組んずほぐれつ、淫靡の極地をさまよう日々を過ごしていたのではないか?

「ああ、国会議員っていいなあ。1日やったらやめられないわ」

などとほざきつつ。

そんな、よだれが出るような夢の時間が消え去ってさぞや残念なことだろう。ま、身から出た錆だから、誰を恨むわけにも行くまいが。

安心せよ。私が君に代わって究極の夢の実現に挑んで差し上げるから! 金も力も若さもなくした私に、本当に実現できるかどうかは不確かだけどね。