2012
05.27

2012年5月27日 化け物

らかす日誌

昨日の朝日新聞に、こんな記事が載った。

「群馬県桐生市の庭山由紀市議(43)が25日、ツイッターで、地元を放射能汚染地域と位置づけ、『献血の車が止まっているが、住む人の血がほしいか』との趣旨をつぶやいたところ、市や議会事務局に抗議が殺到した。議会は急きょ庭山氏を呼び、話を聞いた。荒木恵司議長は『議会として看過できない。週明けに対応を決める』と話している。
 市庁舎前に献血車があるのを見て書き込んだとみられ、午前11時44分のつぶやき直後からネット上で『この人が議員でいいのか』などと批判が相次いだ。 議会事務局と市には午後1時すぎから、『放射能汚染地域の住民への差別だ』といった苦情が電話やメールで殺到。午後5時半までに、合わせて180件以上に のぼった。 議会は各派代表者会議を緊急に開催。議会事務局などによると、説明を求められた庭山氏は『桐生市は放射能汚染地域であり、間違ったことは書いていない。訂正する気はなく、恥じることもない』と述べたという」

以上はネットで拾ってコピペした。私が読んだ記事より、どこか詳しい感じがするが、見比べていない。庭山の発言なんて記事にあったか? まあ、そんなことはどうでもよろしい。

ほほう、桐生というのはじっちゃんとばっちゃんがほとんどの、まあ、底意地はひょっとしたら悪いかも知れないが、己の愚かさをストレートに表現することの少ない街であると思っていたが、こんな素っ頓狂もいたか。

桐生の一部、黒保根町や梅田町の一部で、基準より高い放射線が測定され、そのあたりが除染対象地域になったことは確かである。高いといってもそれほど気にするほどではないが、放っておけば地元自治体で除染費用を負担することにもなりかねないため、とりあえず国の指定を受けたものと理解している。桐生市全体が高濃度の放射線に曝されているわけではない。また、一部で国の基準を超えているといってもほんのわずかだ。それほど気にすることはない

このあたりに認識も、地元の市議会議員としてはいかがかと思うのだが、しかし、いくら何でもこんなことを言うかね。彼女のツイッターを覗いてみたら、正確にはこう書き込んでいる。

 「献血の車が止まっているけど、放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか? 」

正確に引用すればいいものを、朝日新聞は何で一部を省略するのか? 「放射能汚染地域」がカギ括弧の中から外れているために、書き込みの衝撃度が下がっている気がするが。朝日新聞、ひょっとして、庭山の一派か?

この人、放射線の毒性について無知である。放射線に曝されたからといって赤い血が黒くなるわけでもないし、毒性を持つわけでもない。放射線は細胞内の遺伝子を切断する。切断された遺伝子は、修復できるものは自力で修復し、修復不可能なものは細胞ごと自殺する。科学的には、それが正しい。
この女のいうとおりなら、日常的に放射線を浴びているレントゲン技師や、日常的に放射性物質を扱う工学関係の研究者などは献血してはいけないことになる。いや、海外旅行に行ってきた人も献血は避けねばならない。

知人が

「こいつ、政治的にアホだ。これまで支持してきた人たちだって、これで愛想が尽きるだろう。次の選挙で必ず落選する」

といった。私は

「そうではないだろう」

と反論した。
これまでも庭山議員は、お騒がせ屋として支持を集めてきた。ほかの議員や行政がのほほんとしすぎているから、あれもこれも、理屈が立とうが立つまいが、既存のものを十把一絡げで否定してみせるパフォーマンスで、市議会議員に当選できる程度の支持を維持してきた。
彼女を支持する人たちは、現状不満派である。さしたる知恵も知識もないが。不満だけは人一倍持っているため、右も左もバッサバッサと斬ってみせる彼女のパフォーマンスに胸がすく思いがする。それだけのことだ。
だから、今回の書き込みだって、国や東電の不手際にジリジリしている彼らには、一服の清涼剤になるのである。この程度のことで彼女の支持率が落ちるとは考えにくい。現に、彼女を支持するフォロワーも結構出てきているではないか。
その程度の、物事をよく考えない人は必ず一定比率で存在するのが社会というものである。桐生だって、例外ではない。

 

と考えても、この書き込みはひどい。そういえば、原発事故のあと、この女、自分のブログだかツイッターだかで、

「放射線量が高い桐生市・黒保根地区の野菜を食べてはならない。毒である」

という趣旨の書き込みをし、住民集会で批判の矢面に立ちながらケロッとしていたという話を聞いた。
このような確信犯的言論テロリストに対処する方策はあるか?

市議会議員をリコールするには、有権者の3分の1の署名がいる。桐生市の有権者は約10万人。3万3000人の署名を集めるのは大変だよなあ……。