2012
11.11

2012年11月11日 暇

らかす日誌

である。

という書き方は、かつてメールをいただくことが多かった方から学んだ。いただいたメールを開くと、

「である」

から始まる。何、こいつ、日本語が全く分かってないのか? 日本語の文章がそんな言葉から始まるはずがないではないか、と読み返す。すると、タイトルから読み継げば意味が通じるのだ。

「暇である」

なるほど、省エネメールであったか、と感じ入った。以来、この日誌でも時折使わせていただいている。

 「そんなに省エネに徹したければ、こんなホームページ、やめちゃったら? そうしたら何も書かずにすみ、ということは何も考えなくてすみ、つまり新聞もテレビも、日々顔を合わせる人も、何となく流していればすむのだから、遥かに省エネではないか」

という、至極合理的な指摘もあろうかと思う。私にも全く異論はない。ここには指摘されなかったが、自分のホームページを持つには、ブログと違って金がかかる。サーバーを借りなければならないのだ。それも含めれば、確かにやめてしまった方が遥かに省エネだ。

なのに、何故続ける? と自問しないこともない。まあ、やめてしまえば、いま以上に暇になってしまうから、というところだろうか。それに、こんなホームページにも、日によって250人から1000人の方がのぞきに来て下さる。私がやめてしまったら、ひょっとしたら期待を裏切るのかな、という思いもある。
そんなこんなで、いまだに続いていおるわけです。多少の省エネはお許しありたい。

 

ということで本題に戻る。週末、暇だった。
暇の原因は、肩の故障にある。肩さえ痛まなければ、有り余った時間のほとんどをギターにつぎ込み、Eric Claptonの神業に2歩も3歩も迫っていたはずだ。なのに、ギターに触れない。こうして私は、時間をもてあますのである。

で、この週末をどう過ごしたか。
一言で言えば、

「イメージトレーニング」

に徹した。ギターに触れられないのなら、せめてギターを弾く私をイメージの世界で追い求めよう、という試みである。
ために、本を2冊購入した。

「知識ゼロからのアコースティックギター入門」

 「ギタリストのハテナに答えます!」

「知識ゼロ」は、執筆したのがゴンチチだったから買った。彼らは、知る人ぞ知る(というのはすべての人に当てはまる表現ではあるが)アコースティックギターのデュオである。

2時間ほどで読み終えた。結果は?????
まあ、ギターの本なんて、読んだだけで弾けるようになるものではもちろんない。読みつつ、必要なところではギターを抱えて音を出して、初めて身につく。それは分かるのだが、ねえゴンチチ、これだけマスターしたら、貴方たちのような華麗な音楽を奏でられる? 無理でしょ!
そう、入門編の入門編で終わっているところが不満足である。

「ギタリスト」。サブタイトルは「~知らなきゃ損するギター知恵袋~」。これも、何度熟読しても、ギターが上手くなる本ではない。ま、コツらしいものは書いてあるが、これも隔靴掻痒の感が。

やっぱり、ギターって、自分でコツコツ弾いて積み上げるしかないのかな?

それだけでは、週末の暇はつぶれない。昨日と今日で、先日買った

THE BEATLES – “Let It Be”-Ultimate Collector’s Edition-

4枚組のDVDのうち2枚を鑑賞した。

Get Back Sessions

のVol.1とVol.2 である。
タイトルからして、映画「Let It Be」に収録されなかった映像の集大成ではないかと想像していたが、その通り。映画に出てきたシーンもあるが、どうやら別テイクらしい。小野洋子さんが、アップルスタジオで書に勤しまれるシーンもある。なかなかの字を書く人であることを初めて知った。
あわせて3時間以上の映像は、お決まりのRooftop Concert、つまりビートルズの4人が、アップルスタジオビルの屋上で、勝ってにコンサートをやっちゃう映像が最後の山場となる。
こいつは何度見ても素晴らしい。これが40年以上も前の出来事とは信じられないほどだ。

アップルの屋上から流れてくる大音響のビートルズの新曲(このときは、確かに新曲である)に、若いOLが

「素敵! 絶対にレコード買うわ」

とインタビューマイクに答える。その若いOLも、すでにしておばあちゃんであるはずだ。
かと思えば、ソフト帽をかぶり、仕立てのよいコートを着た老年の紳士が、パイプをくわえてビルの壁に取り付けてある鉄のはしごを登り、悠然とビルの屋上(アップルのビルではない)に現れる。この方もビートルズのファンなのであろう。風格のある歩き方で私の目を惹いたこの紳士、恐らく今は亡き人ではあるまいか。

思えば、John LennonもGeorge Harrisonもすでに亡き人である。40年とはそのような歳月である。

しかし、素晴らしい音楽はそのような歳月を生き続け、いまでも私を忘我の境地に引きずり込む。
ありがとう、ビートルズ、というほかない。

で、忘我の境地に漂いながらも、

「あ、この曲、弾いてみたい!」

とギターフリークの私は思う。その分では、イメージトレーニングは成功である。
肩よ、早く元に戻れ。ま、元に戻ってギターを抱えたら、同じように弾けない自分に苛立つのかも知れないが、それでも、ギターに触れない苛立ちよりましなはずだ。

と思いつつ、右腕を下に引っ張り、上に引っ張り、胸に押しつけて肩の筋肉を伸ばす。どうやら、それしか対処法はないらしい。明日も、右肩の筋肉ストレッチは続く。