2012
12.08

2012年12月8日 世の流れ

らかす日誌

やっぱり、今回の衆議院選挙では自民党が圧勝するのだろうか?

確かに、民主党は惨敗するはずである。元々の水増しに加え、政権にあった3年間で、言葉は嘘をつくためにあるという真実を、これでもか、といわんばかりに示し続けた以上は仕方がないことであろう。

かといって、第3極ともてはやされた政党も、いまいち伸びが見込めない。維新の会は選挙前からいい加減さを露わにし始めたし、みんなの党は党首に人徳がない。

とすると、負けのこりで自民党が圧勝するしかないのか……。
わずか3年間の野党暮らしで、すっかり野党気分が染みつき、公共事業を大盤振る舞いしさえすれば景気は回復するなどという、かつて政権の在にあったときに何度も繰り返したのに効果が現れなかった経済政策を掲げる恥知らずさは耐え難いが、それが流れなら止めることは難しいもんなあ。

と鬱々と考えるのは私だけではないらしい。

「選択」という雑誌の12月号の編集後記を読んで、そんなことを思った。
書店では売っていない雑誌だから、目にされた方は少なかろう。この編集後記を全文引用する。

 中南海筋によると、尖閣問題のキーワードは「動態平衡」の四字だという。もはや棚上げによる静かな均衡には戻れない。今後は事態を動かしながら、それでも一線は越えないようにするという考え方だ。モデルとするのは、半世紀以上前の金門島を巡る台湾海峡危機。中台双方は砲撃を交わすものの、月・水・金曜日の隔日のみに限定。お互い被害が出ないよう、戦闘を「儀式化」して収束を図った。同筋は、尖閣でも中国国内向けに強気のポーズを維持しながら、水面下では日本側と話をつけておきたいという。その相手として、安倍政権の誕生に期待しているそうだ。首相として、建前と本音を使い分けた実績を買ってのことだとか。次の総理が誰であれ、動態平衡の求めにどう応じるかがカギとなりそうだ。

 ま、お読みになればおわかりの通り、あまりいい文章ではない。のっけから「中南海筋」だって。聞いたこともない筋が出てきた、私は、何だそりゃあ、とのけぞった。

動態平衡、という言葉も分かり難かろう。中国語らしいが、生物学者の福岡伸一さんが打ち出した動的平衡、思い切りはしょっていえば(間違うかもしれないが)、生物を構成する個々のものは絶えず動き回り、変わっていくが、その全体は絶妙なバランスが取れて生命が維持されていることである。福岡さんはそれが生命の本質であるという。

ま、そんなことはどうでもいい。この編集後記の著者が言いたいのは、尖閣問題については、これまでお互いに棚上げしてそっとしておくことで合意していたが、あのドジョウ首相が国有化なんかするものだから、中国も動かざるを得なくなった。それでも、やっぱり戦争するのはいやだ。じゃあどうする? お互いに自国の主張を通すためであるかのように、軍事力も使って動きながら、でも戦争にはならないような工夫をしようよ、ということであると推察する。
これで意味が通じるかな?

「台湾海峡危機。」「限定。」と、体言止めの文章が2つも続くのも品がない。さらにいうなら、「カギとなりそうだ」という締め方も、NHKのアホウな記者が多用する「成り行きが注目されます」という決まり文句同様、知性の放棄を窺わせる。あ、この人は何も考えてないんだ、とがっかりさせられる。

とまれ、それでも、この文章からは、中国も(中南海筋、って、どうせ中国政府の役職者か、中国政府の役職者と親しい日本人に決まっている)今回の衆院選で自民党が政権に返り咲くと見ていることがわかる。

そうか、中国の上層部が持てる情報を分析して紡ぎ出した見通しも、私と一緒なのね。がっかり、である。

 

現時点で希望をつなぐとすれば未来の党である。旗揚げが遅く、新聞各社の世論調査時点では党名が浸透していなかったようにも思えるが、なにしろ、あの小沢さんが作った党だ。
卒原発というキャッチフレーズには

「ホントにできるの?」

と疑問を感じるが、ほかの政策は他党に比べてましだと思うのだが。
ここが議席数を伸ばしてくれないと、ホントにあのセコハンが総理になっちゃうよ、という危機感もあって書いてしまった。
まあ、ここで書いてもたいした影響力はないと思うが……。