2013
06.15

2013年6月15日 イラン

らかす日誌

で、イランである。
夜7時のNKKニュースによると、あのイランは今、大統領選挙が実施中で、放送までに約半分の票が開き、

新欧米派

の候補が過半数の票を得ているとのことだ。

えっ、イランで?
と、驚きの念を持ってその映像を見た。だって、イランっていったら、かつてあのホメイニさんに率いられ、イスラム原理主義っていうのか、そんなものを掲げて欧米との、特に米国との対決姿勢を強く打ち出していた国であった。核開発を進めているとの観測がもっぱらで、イスラエルが神経を尖らせているとのことであった。
私の記憶によれば、ゴルゴ13がイランの核開発施設を破壊して、中東にひとときの安堵が生まれたはずである。ン? 依頼したのは何処の誰だっけ?

そのイランに、親欧米政権が生まれる可能性が高まった。ということは、イラン国民全体が過激派イスラム教徒の教えに盲従してアメリカやヨーロッパを嫌っているわけではなかったらしい。

いずれにしても、中東の火薬庫の一つであったイランに、穏健な政権ができれば世界は変わるはずである。イラン国民は、世界を変えるかもしれない投票をしたわけである。

 

翻って、我が日本はどうか。
何でも、参議院選挙の投開票日は7月21日らしい。その前哨戦といわれる東京都議会選挙も始まった。日本も政治の季節を迎えている。
イランは、世界を変えるかもしれない選挙をした。
では、日本の選挙は?

と考えると、あほらしくて泣き出したくなる。

さて、今回の参院選挙、いったい何を問う選挙なのだろう?

衆議院と参議院のねじれを解消できるかが焦点だという人がいる。
自民党や維新の会など、憲法改正を唱える政党が、それを国会で決めることができる3分の2の議席を得ることができるかどうかがメルクマールだという指摘もある。
いや、自民党が単独過半数に達するかどうかが、最大の焦点だという見方もある。

いや、皆さん、基本的なことをあえて無視していらっしゃる、としか思えない。あなた方のおっしゃってることは、政治村の中でしか語られないことではないでしょうか?

政治村を一歩出ると、この選挙はどう見えるか。
私に見える今回の選挙は、選択肢を奪われた有権者が右往左往する姿でしかない。だって、今回の選挙、わざわざ投票所に足を運ぼうと思える政党って、自民党しかないではないか。
私のように、自民党が芯から嫌いな有権者は、選択する術がないのだ。民主党はあの体たらくだし、落ち目の維新の会なんて、最初っから今日の姿が透けて見えた政党でしかない。ほかの政党となると、さて、どんなものがあったか、ちっとも頭に浮かんでこない。

つまり、選択肢のない選挙なのだ。いや、正確に言えば、自民党に投票するか、それとも棄権するかしかない選挙なのである。

こんな日本に誰がした、と嘆きたくもなる。
いや、嘆いてみても仕方がないとなると、次に見えてくるのは、民主主義の機能不全だ。投票する先が一つしかない選挙、投票に行くか棄権するかしか選択肢がない選挙を行う国を、我々は一党独裁体制という。

そもそもは、民主主義には2大政党制が馴染むとの触れ込みで、小選挙区制が導入された。そのおかげで、数年前民主党が大勝し、自民党を蹴散らした。あれから4年少々。あの政権交代劇は、日本の戦後民主主義の最後のあだ花ではなかったか、という思いさえしてくる。なにしろ、2大政党が政権を巡って競い合う政治をつくろうとしたのに、結果として出てきたのは、1つの政党とその他大勢という結末でしかなかったのだから。

だから、私は予言する。
今回の参議院選挙、投票率が激しく落ち込む。50%を割るかも知れない。
そして、自民党に対抗できる勢力がどこからも生まれそうにない現状からすると、投票率は選挙を重ねるたびに落ち込み、やがて20%台になる。
でも、投票率20%の世界で多数を占めた政党(これも自民党であろう)が政治に全権を振るう世界って、これ、民主主義か?

イランが世界を変えるかも知れない選挙をしているのに、わがアホたれ日本は、何のための選挙か分からない選挙をする。

 「イスラム諸国は喧嘩ばかりしている」

などといっている暇はないと思うのだが。

あ、そういえば、猪瀬直樹都知事、何でも女性に受けることに自信があり、その挙げ句、とある女性とテレホンセックスに挑まれた、と某週刊誌が書いていた。

首都の、史上最高の得票数を誇る知事がこれ。日本は今や、その程度の国である。