2013
11.01

2013年11月1日 トラブル

らかす日誌

朝から、

ムッ!

とすることが多い1日であった。

前の日曜日、ということは10月27日に投函した郵便物があった。横浜の瑛汰、璃子に送ったブルーレイ・ディスクである。中身は、「リーガエスパニョーラ」(要は、スペインの国内サッカーリーグ)であり、「それいけ! アンパンマンくらぶ」、である。瑛汰と璃子の

「ボス、録っておいて」

というリクエストに応え、リーガエスパニョーラは毎週5本(時々4本)。アンパンマンくらぶは月~金の5本、ブルーレイ・レコーダーで録画し、ディスクに落とし、横浜に送る。手間ではある。が、瑛汰と璃子のパパ、ママがブルーレイ・レコーダーを購入せず、もっぱらボスの仕事と割り切っている以上、私がやるしかない。
もっとも、それが故に、私と瑛汰、璃子の結びつきが強まっているのも事実である。すべての物事には多面性がある。それを無視して一面的に批判する傾向が強い東京新聞には、是非学んで欲しいことである。

ま、それはそれとして。

昨夕、瑛汰から電話があった。

「ボス、来ないよ」

それだけの会話で、来ないのが、瑛汰が心待ちにしているリーガエスパニョーラであることが直ちに理解できる。親族の絆とは、かくの如く強くあって欲しい。裏切られることもあるけど……。

その前の日には、璃子が

「ボス、アンパンマン、まだ来ないよ」

と電話してきた。
いずれにしても、おかしい。ここから横浜まで、通常なら投函した翌日には届く。投函したのが日曜日だから1日さっ引くとしても、少なくとも火曜日には届いていなければおかしい。それが、水曜日、木曜日になっても着かない。異常事態である。

であるからして、今朝、日本郵政に電話をかけた。事実経過を性格に告げ、どうなっているのか、と問うた。

「はい、お客様がご利用されたの通常郵便ということですので、何処まで追跡できるかは分かりませんが、お探しして、見つかっても見つからなくてもその結果をお知らせします」

うん、で、見つからなかった場合は?

「それは、通常郵便の場合、配達証明郵便などと違いまして、必ずしも見つかるとは限りませんので」

私の中で、プチン、と音がした。切れた。

「ちょっと待て。あんたが言ってるのはこういうことか? 私が料金の安い通常郵便を使ったから、その郵便物が紛失しても、ま、ちょっとばかり探してみるけど、見つからなかったら御免ね、とあんたはいってるのか?」

「いや、そういうわけでは……」

「だったら、どういうわけだ? 見つからなかったら、どうしてくれるんだ? 中身はね、サッカーとアニメを録画したブルーレイディスクだよ。子供たちが楽しみに待ってるんだ。それを、あんたの会社がどっかでなくしちゃっても、『通常郵便はそんなものです。御免なさい』で済まそうってか? それで済むと思ってるのか?」

「いえ、あの……」

「とすると、あれか? あんたんとこ、時々配達員が郵便物を捨ててるわね。そんな会社だから諦めろってか?」

ものは言いよう、という一面がある。同じ事でも、言い方が違えば、このように激怒することはない。まず己の責任を回避するところから話を始めるヤツにろくな人物はいない。最初にすべきは、困っている客の視線に自分を合わせることである、と私は思う。
さて、あなたなら、私の問い合わせにどんな受け答えをされます?

しばらく後、気持ちを落ち着かせた上で、こちらの住所、電話番号、送り先の住所、氏名、封筒の形状、色などを伝え、捜索を依頼した。その際、

「ひょっとしたら、私が送り先を誤記した可能性もゼロではない。それでも、こちらの住所を書き間違えるはずはないので、それを手がかりにして欲しい」

と付け加えた。
自らに原因がある可能性もあらかじめ明らかにする。紳士的な態度とは、このような態度を言う。と、私は信じて疑わないノーテンキ男である。


午後2時過ぎ、横浜・鶴見の郵便局から電話があった。行方不明になっていた郵便物は、今日、瑛汰、璃子のもとに届ける手はずになっているという。

「それはありがとうございます。でも、なんで、こんなに遅れたんですか?」

という私の問いに、電話の女性が答えた。

「実は、郵便番号の記載が、本当は230から始まらねばならないのに、231となっていたのです。それで、違った地区に振り分けられて、行方不明になっておりました」

はーん、私のミスか。230が231に。なぜ? と思い返しても仕方がない。数学の問題を解いて、何故答えが間違っていたかを点検すると、前の行で3だったのが、次の行に行くと突然5に変わっていたのが原因、という事故が頻発する私である。郵便番号の書き間違え。大いにあり得る。

「いや、それはお手数をかけました。完全に私のミスで。御免なさい。幾重にもお詫びします」

ひたすら謝罪したのは言うまでもない。


次のトラブルは、前回の日誌でも書いたブルーレイディスクである。
今日昼前、私が不良品を送りつけた会社から、突然ディスクが届いた。

「ほう、今週いっぱいかかると言っていたのに、意外と早かったな」

歓びながら、封を解いた。すると、エラーを起こしたのと同じ商品の未開封品が入っていた。同封の手紙には、この製品には品質不良は認められず、

「推測ではございますが、ご利用機器の記録レーザー光を照射するレンズ部品の消耗やホコリ等の付着によって、記録動作が一時的に不安定になった可能性も考えられます」

とあった。おいおい、そこに責任転嫁する?

あんたたちは、俺が同封した手紙を読んだのか?
その手紙には、問題のディスクがエラーを頻発するまで、このようなエラーは一度も起きたことがない、と明記してあったはずだ。それだけではない。エラー頻発のあとも、他社のディスクでは同種のエラーは一度も起きない、とも書いておいた。
あんたが売ったディスクだけでエラーが頻発する。他社のディスクでは一度もエラーは起きない。だとすれば、あんたのところのディスクに問題があると考えるのが、論理的な結論ではないか。

ここに明記しておく。
エラーを頻発したのは、

太陽誘電のThat's BD-R DL

であり、販売元は、

スタート・ラボ(東京・神田)

である。
一度もエラーを起こさないのは、パナソニックのディスクだ。

直ちに、スタート・ラボに電話をした。

「同封の手紙は説明になっていない。このディスクは信頼が出来ないので返品したい」

「うちでは返品は受けられません。販売したAmazonを通してください」

Amazonを通すことにどのような意味があるのかは不明である。私の頭では理解できない。が、理解できないまま、Amazonの返品手続きをとって直ちに返品したのは言うまでもない。
近く、代金5900円が私の口座に返金されるはずである。

CD-R、DVD-Rが全盛のころ、太陽誘電は品質で他を凌駕した記憶がある。しかし、BD-Rでは技術面で置いていかれたようだ。ネットを見ても、評価は低い。
もっとも、それは今回のトラブルがあって初めて検索して分かったことである。買う前に知っていたら、もちろん買ってはいない。

それほど高い授業料ではなかったが、世の中にはまだまだ学ぶことが多いことを教えてくれた。