2013
11.24

2013年11月24日 肩が凝る

らかす日誌

ネットオーディオへの移行作業は、順調に進んでいると表現すべきか、それとも遅々として進まないと言い表すべきか。

手持ちのCDのおおむね半数程度は、NASに読み込ませ終えた。現在は、John Lennonの海賊版、

Something Precious & Rare

の読み込み作業中である。The Beatles離脱から間もないころのスタジオ録音が市場に流れたものだ。

Ringo Starのために書いたI'm the Greatestのテイクが10バージョンも入っている。マニアには堪えられないレアアイテムである。

それはいいのだが、このディスクにもかなりの傷があるようで、現在13曲目のMove over Ms.Lを読み込んでいるのだが、読み込み速度は0.1倍。現在67.3%を読み込み、あと33分18秒かからないとこの曲を読み込み終えないと表示している。

傷も歪みもないCDは5分弱(15倍速程度で読み込むので、60分のCDでも4分で読み込んでしまう計算である)で終わるのに、こいつはもう30分以上もかかりっきりになっている。
これも、正確なデータを拾うために、パソコンは必死になって検証作業をしながら、何度もデータを読んでいるのだろう。私にいい音を聞かせるための努力には頭が下がるだけである。

ために、私はこのところ、パソコンの前を離れられない毎日である。仕方なく、その姿勢であれこれ作業をするのだが、おかげで肩が凝って仕方がない。

デスクの上にiMacが乗っている。ディスプレーは27インチ。普通の椅子の高さでは、どうしても顎をあげて作業をすることになる。この姿勢が、首筋から肩には極めて良くない。
元々、上から数個の頸椎が変形し、ただでさえ凝りや痺れを引き起こしやすいのに、集中的に悪い姿勢をとり続ける。効果はてきめんで、いまや私の両肩はバリバリである。肩胛骨の背筋寄りが強くはり、ために左手など時折痺れが走る。風呂に長めに入っても、湿布を貼っても、両肩を何度もグルグル回しても、意識的に肩胛骨を支える筋肉をストレッチしても、相変わらず凝っている。

「ああ、若いころはこんなではなかったのに」

肩の凝りと痛みが続くと、そう嘆きたくもなる。腰だけでも大変なのに……。

まあ、CDの読み込み作業がなくても、頼まれもしないのに中学数学を解き進んだり、先日は高校数学まで進む気なのか、Z会の高校数学参考書、「Z会の数学入門」を「数学Ⅰ・A」「数学Ⅱ・B」と2冊も買ってくる私である。勉強中はどうしても背中が丸くなり、肩や背筋に悪い姿勢を取ってしまう。
この凝り、痛みからは、どうやっても逃れられない性格なのかも知れない。


本日、ずっと前に買ったネットワークプレーヤー、パイオニアN-50(中古で、3万円で手に入れた)を、初めてクリスキットにつないだ。音源は、私にネットオーディオの優位性を説き、とうとうその気にさせてしまった東京のSさんが、

「大道さんが踏み出したとき、最初に聞いて欲しい音楽です」

とプレゼントしてくれたThe Beatlesである。それも、ただのThe Beatlesではない。

「これ、ハイレゾ音源なんです」

ハイレゾの意味が分からない人は、「ハイレゾ」をクリックして学んでもらうとして、ちっぽけなUSBメモリーに、The Beatlesの全アルバムが、それもCDの音を遥かに凌駕するハイレゾで入っているという。
いただいたUSBメモリーを引き出しにしまいっぱなしにして、そう、かれこれ3ヶ月もたったろうか。
それを取り出して、今日の午後、パイオニアN-50に差し込んだ。

恐らく、USBメモリーに収録されたデータはアルファベット順に並ぶのだろう。最初に出てきたアルバムは

A Hard Day's Night

だった。
最初のジャーンというギターの音からして、何やら違っていた。何となく生き生きしているのである。Johnの声にも張りがある。クリスキットで聞くのだから、それは不思議ではない。だが、本当にクリスキットのせいだけか?

A Hard Day's NightのCDを取り出し、CDプレーヤーにセットした。そして、切り替えながら聞き比べる。
なるほど、ハイレゾ音源とはこのようなものか。
もともと、これ以上の音質は望めないと思う、クリスキットとsonyの安価なCDプレーヤを組み合わせで聴いていた音楽である。音源がCDからハイレゾになったからといって目が覚めるほど音質が向上したわけではない。
だが、それでも確かに薄皮が3枚か4枚剥がれた感じがした。音の輪郭がCDより鮮明なのである。ために、音楽が一段と躍動する。
もとは1960年代、アナログの装置で収録されたものだ。それがこれほどの音で甦る。

「新しい録音なら、もっとみずみずしい音を聞かせてくれるのではないか」

そんな期待を持たせるのに十分な音であった。
わずか30分ほど聞いただけでの印象批評である。我がNASにCDをコピーし終えれば、さらに腰を入れて聞くことになる。
それで気がついたことがあれば、改めてレポートしよう。

しかし、だ。
私がネットオーディオのために投じた金額は、約5万5000円。ちょっとしたCDプレーヤーも買えない金額である。それでこの満足感は、実にコストパフォーマンスがいい。

しかも、この世界に足を踏み入れたが故に、手持ちのCDに沢山の傷があり、傷で歪んだ音を聞いてきたことに気がついた。それだけでなく、NASにコピーしているのは、傷をものともせず、出来るだけ元通りの信号に修復されたものである。考えてみれば、NASにコピーしたものからCDを作れば(試したことはないが、そういう機能もあるようだ)、元のCDよりいい音のディスクが出来上がる。

何だかウソのような話だが、筋をたどればそうなる。

うん、出来ることなら、私もNASにコピーできないものか。そのコピーしたものから新しい私を再生すれば、まだ独身で、腰痛、肩痛とも無縁、生命力と行動力に溢れ、女を惹きつけて止まず、選択肢を山ほどもった私がこの世に誕生するではないか!

科学の進歩は凄まじい。私に生命があるうちに、人間再生用のNASとソフトウエアを作り上げて欲しいものである。


ああ。書き忘れるところだった。
デジタルビデオテープのコピー用に使っていたパナソニックのブルーレイレコーダー、DMR-BW800が身罷った。内蔵ハードディスクへの録画は出来るが、それをディスクに焼くことが出来なくなった。パナソニックの相談窓口に電話をし、いわれるままに再生法を試みたが、再生してくれない。

修理という手もある。が、考えてみればもう5、6年使っている。新しい機種は、1枚のディスクに収録できる時間が増えるなど、技術進歩もある。

「ま、この短期間に、200本をこえるテープのコピーに酷使したもんな」

と謝罪し、この際、引退していただくこととした。

しかし、レコーダーなしには、いくらコピーのための3種の神器があっても、コピー作業は出来ない。新しいレコーダーを買うことにした。
これは放送波を録画するものではない。あくまでコピー専用である、と思い定めて、同じパナソニックのDMR-BRT260-Kという機種を注文した。約3万6000円の安い機種である。2.3日で届くだろうと思いつつ、入浴中にふと気になった。

「コピー作業に必要な入力端子はあるよな」

なぜそう思ったかははっきりしない。が、何となく心配になった。
風呂を出るとすぐに、ネットで確かめた。ない。これ、TS入力端子がない!

慌てて注文をキャンセルし、新しくDMR-BWT550-Sを発注した。これならTS入力端子がある。価格は約1000円高。1000円を惜しんで、使えない機種を手にするところだった。
くわばらくわばら。

ということで間もなく今日も終わるが、先ほどから読み込み作業が続いているJohn Lennonの海賊版、Something Precious & Rare、13曲目のMove over Ms.Lはやっとクリアし、現在14曲目のBeef Jerkyを読み込み中である。読み込み速度0.0、まだ32.1%しか終わっておらず、残り必要時間は345分29秒と表示されている。

さて、今日も作業は機械に任せて、私は早めに寝るか。