2014
12.10

2014年12月10日 買い出し

らかす日誌

年の瀬は何かと慌ただしい。
今日は朝から買い出しに行った。目的地は、隣の太田市、ジョイフル本田、である。

10日ほど前、サンフランシスコで働く長男からの荷物が届いた。その1ヶ月ほど前、長男の大学時代の友人が夫婦でサンフランシスコに遊びに行った。その際、

「オヤジんとこに送っておいてよ。ここから出すとべらぼうに高いから」

と託した荷物である。
その中に、ポスターがあった。The BeatlesのYellow Submarineである。ほかにThe Beatlesの4人の顔写真をプリントしたギターピック、The Beatlesをデザインしたキーホルダーと、とにかくThe Beatles尽くしで、

「おい、お前のオヤジは、いまだにThe Beatlesから成長してないとでも思ってるのか?」

と抗議のメールをしたためたが、まあ、嬉しくないこともない。

で、ほかの物はとにかく、ポスターだけは、そのままにはしておけぬ。画鋲で壁に貼り付けるのはいかにも野蛮である。となると、額装するしかない。

昨日の昼頃だった。

「おい、明日は暇だから、朝からジョイフルに買い物に行くか?」

私は妻女殿に問いかけた。この店、土日は混む。楽に買い物をするには平日を狙うに限る。

「だって、ポスターを額装するといってたじゃないか。ついでに、色々と買い出ししてくればいい」

円単位、ものによっては10円単位で、ジョイフル本田は安い。せっかく行くのなら、買いだめするにこしたことはない。
問われた妻女殿は当初、行く気を見せた。ところが折からの寒気のためか、夕刻あたりから

「体調が悪い」

と言い始め、やがて

「明日は行かないわ」

これ、我が家では結構繰り返されるパターンである。慣れっこになった私に動揺はない。

が、今朝になって、よくよく考えると、いかにも暇である。そう、今日は暇だから

「買い物に行かないか?」

と誘ったのだ。それが断られたからとっいって、私が忙しくなるはずはない。

「俺、1人で行ってくるから、必要な物を書き出せ」

なにせ、師走なのだ。必要なことは早め早めに済ませておいた方がいい。こうして私は、朝からドライブがてら、15㎞ほど離れたジョイフル本田まで買い出しに出かけた次第である。

まずは、ポスター用の額だ。木、プラスチック、アルミ、素材は何でもいいが、黄色にする。それが、妻女殿との合意であった。ところが、どの素材にも、黄色がない。

「ということなんだけど」

携帯電話の普及で、このような会話が直ちにその場でできるのが21世紀を実感させる。
検討の結果、額はアルミのシルバー、マットを黄色に決めて(なにせこのポスター、黄色が効果的に使われているのである。これに合わせるとなると、黄色は欠かせないのだ)、

「作業時間を30分ほどいただきます」

の声を背に、買い物に向かった。

今日の買い物用のフロアに戻る途中、「高山物産」というコーナーが目にとまった。

「ひょっとしたらあるかな」

と考えたのは、出しなに

「カステラ買ってきて」

と頼まれたからだ。体調不良で食欲がないので、という説明がくっついてきた。ん? カステラを食べたい、あるいはカステラなら食べたいというのも立派な食欲だと思うが……。

で、カステラを探したのだが、ない。代わりに、隣にあった信州物産のコーナーに

高菜の古漬け

があった。信州? 高菜? おい、高菜漬けって九州の特産だぞ! お前んとこは野沢菜だろうが!
と思いながら、でも、まあ、野菜はいろんなところで採れるんだし、そうか、信州でも高菜を漬け物にするかと興味を引かれ、ひとつ買った。800円弱。高菜漬けにしては、異常に高価である。

1回のフロアに降り、頼まれたものを探す。
まず、スリッパ。

「LLを2つ」

である。私、靴のサイズは27~27.5㎝なのである。

続いて、私の髭剃り用のカミソリの替え刃を探す。驚いたことに、替え刃単独ではなく、本体付きで買った方がずっと安い。替え刃だけだと、8個で2500円ほどするのに、本体込みだと替え刃が16個着いて3000円。

「何かおかしくないか、この売り方?」

と思いながら、でも、安い方がいい。3000円をゲット。

液体洗剤。詰め替え用を6個セットで。併せて、おしゃれ着洗い用洗剤をひとつ。

薬のコーナーに移って、うがい薬、のど飴、喉スプレー。
サランラップを3個組で。

「そういえば」

と思い出したのは、車用の水切りである。そう、柔らかいゴムが着いていて、雨降りあとに車に残った水滴を弾き落とすヤツ。

「ああ、これもいるか」

と、アルコールで湿ったペーパータオルを3個。

一度レジを済ませて荷物を車に運ぶ。

「せっかく来たんだから」

と車に積みっぱなしだった竹製のせいろを持って再び店内へ。

「これに合うサイズの鍋が欲しい」

と妻女度にいわれていたのだ。生協か通販か知らないが、竹製に引かれて買ったらしいが、せいろで何かを蒸すには、その下に水を張った鍋を置き、火にかけねばならないことを忘れていたらしい。

「うちにある鍋だと、せいろがグラグラするので」

というのである。戻り路で調理器具専門店に寄るつもりだったが、ジョイフル本田に置いてある鍋ですめばそれでいい。

棚に並ぶ鍋を取っ替え引っ替えしてセットしてみた。あった、あった、ステンレス製の鍋がちょうどいい大きさであった。2200円強。

再びレジへ。先ほどと同じ、アルバイトの女の子がさばいていた。私の顔を見ると、

「あれっ?」

という顔をした。10分ほど前にこのレジを通ったことが記憶のどこかにひっかかっていたらしい。ここは、年の功を見せるべきである。

「いや、レジに可愛い女の子がいると、いくらでも買い物をして、何回もレジを通りたくなっちゃうよねえ」

心にもないことをいってしまった私は何者か?

で、その足で額装が終わったポスターを引き取って車へ。


でもねえ、なんでこんなつまらない日常茶飯事を書かねばならないの? という疑問を抱かれた方、いらっしゃいません?

お答えします。
究極のつまらない選挙が行われている世間にはさしたるネタがありません。
このような、つまらぬ日常茶飯事を書くことで、なぜこのようなことになったかいまだに分からない今回の選挙のつまらなさを浮き彫りにできれば、と考えたのであります。

無理だったかな?


額装を終えたポスター、80㎝×60㎝ほどとかなり大きく、さて、どの部屋の何処に掛けたものか、いまだに思案がまとまらず、とりあえず居間に放置されております。

ではまた。