2015
07.02

2015年7月2日 なでしこ

らかす日誌

桐生周辺で、時ならぬ「合併」騒動が持ち上がっている。
10年ほど前、国の鞭と飴によって全国で合併劇が繰り広げられた。この周辺も例外ではなく、私が住む桐生市はいまのみどり市を含む広域合併を目指したが、己が嫌われ者であったことを思い知らされる結果となった。いまはみどり市となっている2町1村は桐生にそっぽを向き、ならばと桐生市は太田市との合併を目指したがこれにも挫折。結果として、今の桐生市はみどり市を間に挟む飛び地として、新里、黒保根を抱えるに至った。

8年間前の市長選挙では、このような格好悪い合併結果をもたらした現職市長に、いまの亀山市長が挑んだ。亀山氏が公約の一番手にあげたのが

みどり市との合併

であった。だが、それから8年。いまだに桐生市は桐生市で、みどり市はみどり市のままである。

むろん、亀山氏が何もしなかったわけではない。公約の筆頭に掲げたのだ。はみどり市に攻勢をかけ続けた。

「御願いします。結婚してください。必ず幸せにしますから」

みどり市の石原市長も、まんざらではないらしい。個人的には、プロポーズを受けてもいいと思っている節があるのだが、取り巻きは大反対だ。

「冗談じゃない。あんな貧乏な男と結婚などしたら、お前がせっせと貯めた貯金を食いつぶされるのが落ちだ」

「口じゃ御願いしますなんていってるけど、本音は『お前、一人じゃ生きていけなだろ。だから、俺が結婚してやるっていってるじゃない』という上から目線だ。あんな男に抱かれるのは屈辱だぞ」

市議会も市民も、そういうところらしい。

というわけで8年たった。決して亀山氏の責任ではないと思うのだが、その一点を捉えて

「亀山は無能だ」

とわめく人も少なくない。
だけど、自分たちが構成している商工会議所だって、みどり市のそれとはまだ合併してないぞ!

だが、みどり市としては、一人じゃ生きていけそうもないのは事実である。とにかく、誰かと、それも隣に住む人と結婚するしかない。それが石原市長の腹らしい。

だから、桐生が、

「はやく任意合併協議会をつくって本格的に話し合おう」

と迫ってくるのをやむなく受け流し、逆に

「私、本当は、結婚してもっと大きな家に住みたいの」

とばかりに、太田市も加えた3市合併を持ちかけた。太田市の市長とも話は進めているという。

困ったのは、これまで攻勢一方だった桐生市だ。

「おいおい、太田市といえば県下きっての工業都市で、お金持ちだぞ。そんなんが入ってきたら、俺たち、飲み込まれちゃうじゃないか」

なにせ、金はないのに気位ばかり高いのが桐生の旦那衆である。誰かを妾にするのは平気でも、自分の女房や娘が妾になるのはプライドが許さない。

かくて、桐生の旦那衆は、はじめてみどり市民の痛みを理解するに至るのか。
それとも、

「妾には死んでもならん!」

とプライドを貫き、あばら屋でスーパーで買った目刺しを主菜にする暮らし(よく言えば、武士は食わねど高楊枝、だが)を続けるのか。

極めて面白いポジションに落ち込んだ桐生である。

ん? 私はどう思うかって?

合併しようがしまいが、どうでもいい。必要なのは、今我々が桐生と認識している場所の経済力を高めて職場をつくり、今の桐生の人口を増やすことである。
何しろ桐生は、「消滅可能性都市」だもんなあ……。

以上は、メディアによる報道を斜め読みした上での感想である。

 

いやあ、それにしても見事なものである。日本の女子サッカー。なんだかんだ、あれよこれよ、といている間に決勝戦までコマを進めてしまった。 
前回大会の登録選手が大量に生き残り、いってみれば若返りに失敗したともいえるチームが、優勝決定戦まで勝ち進んじゃったのだ。これを快挙と言わずして、何を快挙と呼ぼう。日本の女は凄い! 
決勝戦での結果など、どうでもいい!
よくやった、なでしこ!!

なのに、人気は相変わらず男子サッカーである。ワールドカップ、オリンピックでの決勝進出なんて、誰が監督になろうとも夢のまた夢。欧州の有力チームに買われていく選手はいるが、それだけのこと。たいした活躍も聞かないし、オールジャパンチームに戻っても、やっぱり負けるんだもんなあ。

何でも、あの本田が夜のクラブ経営をしてるんだって? 我が妻女殿が本日、そんなことをおっしゃっていた。
寿命の短いスポーツだから、引退後の生活設計をするのはいいとして、ナイトクラブね。まあ、その経営が軌道に乗ったらハングリー精神はなくなるわね。
かくして、日本の男子サッカーは韓国の後塵を拝する3流止まりのままか?

にしても、だ。
このところ、日本の男はだらしなさ過ぎる。イチローに衰えが見え、田中が肘の手術のあと生彩がなくなったいま、日本を代表する男は誰なのか? 日本の女とタイマンをはれる男はどこかにいるのか?

そういえば、私も日本男児の端くれであったなあ……。人事ではないか。