2015
07.22

2015年7月22日 暑さ対策

らかす日誌

を、皆様はおとりでしょうか?
尋常ではない暑さが続く日々、何らかの対策がなければ熱中症にもなりかねません。
そこで、我が家の暑さ対策を。

といっても、たいしたことはありません。エアコンに頼る。ま、西日が入る窓にはすだれを立てかけたりはしておりますが、ほとんど、これで決まりです。

なにしろ、我が家の奥様は、持病もあってほとんど外に出ません。つまり、朝起きてから寝るまで家の中でお過ごしになる日々です。

家屋というのは、暑くなりかけの季節は、外の暑さを遮ってくれる頼もしいシェルターとなります。ところが、このところの暑さのように、熱い日が連日続くと屋根や壁は徐々に熱を蓄え、やがて、太陽が落ちたあとも屋内に熱を放射する憎っくき敵となります。

吉田兼好は徒然草で、

家の作りやうは、夏をむねとすべし

と書き記しました。
恐らく、京都を主な住まいとした人です。盆地である京都の夏の暑さは定評のあるところ。だから、とにかく暑さよけを考えたのでしょう。
まあ、兼好さんがどんな家に住んでいたのか、私はまったく知りません。が、想像するに、風を遮らない程度の木立が日差しを遮り、家屋はできるだけ開放的にして屋内の隅々まで風が行き渡るようにしたのでしょう。
兼好さんは物書きです。屋内には反古になったものを含めて沢山の紙があったに違いありません。で、風が通れば紙は吹き飛ばされます。涼を求めれば紙が飛ばされ、執筆を旨とすれば風を遮るしかない。このジレンマを兼好さんはどう処理したのでしょう?
夏場は執筆しなかった?

まあ、それはそれとして。
現代の住居はそのようにはできておりません。風の通り道はとりあえず計算に入ってはいますが、かつての日本家屋のように、戸障子を開け放てば柱しか見えない、という家は、恐らくなくなりました。
加えて言えば、今はエアコンを使うのが当たり前の時代です。エアコンとは屋内の熱気を屋外に放り出す機械であります。おかげで、屋外の気温はいやが上にも上がります。そんな環境で窓を開け放てば、涼より熱気が屋内に入り込みます。
さらに、舗装された道は熱を蓄えます。
かつて我が家にリンとかラリーとかいったシェットランドがいた時代、夏場は道路を触ってみて、あまりに熱ければ少し冷えるまで散歩を見合わせたものです。
つまり、結論を急げば、今の時代、エアコンなしでは過ごせなくなっているのです。

ここで、話は冒頭に戻ります。
我が家は一日中、妻女殿が屋内におられます。従って、一日中、どこかのエアコンが働いています。外から戻って玄関の扉を開けると、ヒヤッと冷気が体を包みます。
我が家に熱中症は無縁です。

でも、一日中屋内におられる妻女殿と違って、私は仕事上、どうしても外に出かけねばなりません。出かけるには車を使います。

ついついiPodを車内に置いていたりすると悲惨です。電源を入れた瞬間に、

「高温注意」(だったと思う)

のウォーニングがでて、動いてくれません。
エンジンをかけると、車内の空気の吹き出し口から熱気が出てきます。
ハンドルは、触ると火傷しそうなほど熱くなっています。

という状態で車を動かさねばなりません。
まずエアコンを全開にして、窓を全開にして走り出します。当初は熱気しか吹き出さなかったエアコンも、徐々に冷気を出すようになります。こうなると、暑さにうだっているiPodを冷気の吹き出し口に持っていって冷やします。表を冷やして裏を冷やす。こうして、1、2分もすると、iPodは正常に戻ります。まだ窓を全開にして走っていた私の車も、

「まあ、いいか」

と窓を閉じます。
そのとたん、目的地に到着します。桐生とはちいさな街なのです。
で、用事を済ませると、また同じ過程が繰り返されます。

という毎夏の定例行事を繰り返していて、今年、不思議なことに気がつきました。

「こりゃあいかん」

と私がダメだししたカーナビが、意外なことに元気になったのです。そう、まったく働かなかったナビが、3回に1回は正常に働き始めたのです。
無論、市内を走る分には、ナビなどなくても済む程度には桐生に馴染んだ私です。だが、せっかく運転席のそばに取り付けてあるディスプレーがいつも真っ青になっているのは、決して気分のいいものではありません。10年目に入った愛車の老朽度を目で見せつけられている気がするのです。いまだに快適な走りを見せる車であるにもかかわらず、です。

そのナビが、正常に働くことが増えた。これは、なかなかに気分がいいものです。俺の車、まだ乗れるじゃないか! と思わせてくれます。66歳の私には、大いなる精神的支援であります。

でも、暑くなって、なんでナビの正常度が上がるの?
たかが機械。でも、この機械、ひょっとしたら夏が大好きなのでしょうか?
 

私は、投資家なる種族が心底嫌いである。個人的投資家であれ、ファンドと呼ばれる組織的投資家であれ、本質は単なる銭ゲバに過ぎない。

アメリカの投資ファンドが、東芝に損害賠償を求めたのだそうだ。不正経理が明らかになって株価が落ちた。おかげで損失が出た。そもそも、嘘をついた東芝の責任だから賠償せよ、ということだ。

おいおい、自らは働かず、額に汗もせず、他人の働きの上に乗っかって金を動かすだけで利益を出そうという不逞の輩が何を言うか。
では、聞く。
東芝の不正経理は昨日今日の話ではない。あんたらが東芝株で利益を上げていた間も、東芝は不正経理をやっていた。だったら、だ。その間、東芝が不正経理をやってくれていたおかげであんたらの懐に入った利益は、ひょっとして東芝に返上するのか?
そもそも、あんたらが株を売ったり買ったりするから、東芝は不正経理に追い込まれたのではないか? それとも、あんたらにはまったく責任はないというつもりか?

それに、だ。
東芝株は、不正経理の全貌が明らかになり、社長をはじめとした役員の多くが辞めることになって反騰し始めた。あんたらはいま、株価の上昇過程では1銭も利益を出していないのか? 普通に考えれば、東芝が簡単につぶれるわけはない。だとすれば、下がる一方だった東芝株も、何らかのきっかけで反騰する、と読むのが当たり前だろう? 下がったときだけ責任を問うて、反騰したときの利益は

「俺たちの知恵」

とでもいうのかね。
株ってのは、上がったり下がったりするもんだろう。どんな理由であれ、上がれば儲かるし、下がっても儲かる手立ては十分にある。投資家とは、株価の上昇下落を利用して利益を出すものだろう? つまらんことで、東芝の社員を泣かせるんじゃない!

しかし、だ。
偉いさんに、やれといわれればやらざるを得ないのが下役である。従って、今回の東芝の騒ぎは、歴代の社長にすべての責任がある。

東芝は、すべての事業領域でかつての覇気がない。
我が家のエアコンは、ほとんどが東芝製である。ツインロータリーを開発し、その技術力には定評があった。
冷蔵庫も東芝だ。モーター、コンプレッサー。そんなものを真面目に作るのが東芝だった。
そういえば、食卓のテレビも東芝製である。レグザの画質には1日の長があった。

ところが、だ。
最近、東芝のエアコンはかなりの頻度で故障する。
冷蔵庫は一度故障した。修理を依頼したら基盤を引き出してジャンプ線をハンダ付けしていた。で、修理代を払えというから、

「おい、ジャンプ線をハンダ付けする基盤というのは、そもそもの設計ミスではないか? それをユーザーが費用負担するのか? ふざけるな!」

と追い返した。
テレビも使い勝手が悪い。データ放送の表示が極めて遅い。番組表を見ようとすると、画面がすべて番組表になって放映中の番組が見られない。

今回の不正経理を見て、

「なるほど。そのような背景があれば、信頼に足る製品は作れないはずだ」

と納得した。とにかく利益を出せ。何が何でも今期の利益を積みませ、と社長に言われれば、下は原材料をケチって原価を下げるしかないではないか。

会社を強くするとは、消費者に信頼される製品、サービスを絶えず作り出すことである。そんなことも分かろうとせず、製品の質を向上させることではなく、自分の任期中の数字を化粧させて経営者を気取る。歴代の東芝の社長は、下種の最たるものでしかない。

もっとも、下種になりきれる人間でなければ企業のトップに上り詰めることができないのは、決して東芝だけではない。
私の勤め先も含めて、そんな現状が情けない私である。