2017
07.31

2017年7月31日 夏惚け?

らかす日誌

夏惚け、などという日本語があるのかどうか知らない。辞書を引くのも面倒だから、知らないままにしておく。

知らないままで書き続けると、昨日、私は夏惚けを自覚した。朝起きた直後から、どうにも頭が動かない。というか、意欲が湧かない。何もする気がしない。

おかしい、と思った。が、おかしいと思っても、何にもしたくないのに変わりはない。

書かねばならない原稿があった。が、新しい文章がこの頭でひねり出せるはずがない。
では、せめて旧「らかす」からの原稿の移設作業に精を出すか、と次に考えた。が、どうにもやる気がしない。
であれば、本でも読むか。読みかけの本のページを開いても、目で活字を追う気力が起きない。それどころか、本を放り出したくなる。いま読んでいる本が余り面白くないダメだけではない。

おかしい。俺、どうしちゃったんだ?

やむなく、全ての努力を放棄した。こんな時は、何かに取り組むのはとうてい無理だと判断した。では、一日中ボーッとしているか?

何度も書いたが、私は貧乏性である。ボーッとする時間を持つのが何より苦手だ。

で、これならいいだろうと映画を見た。The Beatlesのドキュメント、

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK ‐The Touring Years

である。
昨年の公開時、こんな映画ができたのを新聞で知った。東京では公開中だと書いてあった。
我妻殿が前橋日赤に白内障の手術で入院され、1日前橋で過ごさねばならない日があった。朝早く日赤に行き、手術が終わったら日赤に顔を出す。いや、好きこのんでそうしたのではない。病院がそうしろというから、やむなくそうしたのである。
困ったのは、空いた時間の過ごし方だ。2時間前後ならけやきウォークで書店を冷やかし、喫茶店で読書するという手もある。が、朝から夕方まで、そんな長い時間はそれでは潰れそうにない。桐生に戻るのも無駄である。

「じゃあ、EIGHT DAYS A WEEKを見て時間をつぶそう」

そう思って、けやきウォークでやっている映画を調べた。ない。「EIGHT DAYS A WEEK」がない。

「おい、前橋の映画館は、東京都同時公開ではないのか? 前橋って、そんな田舎?

と、この映画を見るのを諦めた経緯がある。
その映画を先日、WOWOWでやった。録画したままだったので、何もせずにボーッとしているより、この映画を見た方が有意義だと判断したのである。

私はいまでも働く人である。仕事を全て辞めてしまえば昼日中から映画を見たっていい。むしろそのために映画を撮りためてある。だが、働いているうちはけじめを付けたい。昼間は映画を見ない。見るのは夜だけ。
それが、私が私に課したルールである。

それを初めて破った。

うん、デビュー当初のコンサート映像が、驚くほど美しい映像で映し出されていた。こんなに綺麗に残っているのなら、ブルーレイのディスクにして売れるのではないか、と思えるほど綺麗な映像だ。ルーフトップ・コンサート(映画「Let It Be」のクライマックス)も、なかなか美しかった。

何もする気が起きなかった私が見入ったほどだから、これはすばらしい映画である。見終わったら、昼食の時間だった。

今日はなんということもない。朝から資料を整理して、書きためた原稿に手を入れた。9本中6本の原稿がほぼ最終稿になったから、今日、私の頭は正常に働いている。いやその前に、そんな作業に取り組んだ時点で、しぼんだ風船みたいだった昨日とはまったく違った私になっている。

では、昨日は何だったんだ? と考えた。

とりあえずの中間まとめは、

働き過ぎ

である。
思い起こしてみれば、先週はずっと働いていた。資料を調べ、原稿を書き、時間が空くと旧「らかす」の原稿移設作業を急いだ。平日だけならまだしも、土曜日も終日働いた。あ、夕食後は映画の時間と決めてあるので、終日=昼間、ではあるが。

その疲れが出た、というのが中間まとめである。

と書きながら、ほう、私の脳みそも、休憩を取らねばまともに働かなくなったのか、と驚いた。移設しているかつての原稿に、高校2年の夏、終日「チャート式数Ⅰ」に取り組んだ話があった。あの頃は終日頭を使っていた。土日も含めて終日働かせていた。それでも何ともなかった。
社会に出てからも、頭は働きっぱなしであったような気がする。酒を飲んでいたって、頭は臨戦態勢になければ話は弾まないではないか。
それでも、何もする意欲がない、ということはなかったはずだ。

とすると、これも加齢に伴う症状か? 私の脳に疲れがたまっているのか?

いや待て。
全ての責めを加齢に負わせていいのか?
もうひとつ考えようがあるではないか。

桐生でまだ会社員だった頃、考えてみれば、頭を使った仕事はそれほどした記憶がない。何かを新しく生み出すのではなく、長年培ってきたノウハウでほとんどの仕事を処理してきた。それで通じた。
加えて。余り仕事をしなかった。
つまり、私の脳はここ数年、余り働いていない。よって、脳にサボり癖がついたのか?

であれば、先週の平日のような暮らしを続ける、つまり脳のトレーニングを重ねていけば、そのうち

何をする気にもなれない

昨日のような日はなくなるはずである。

さて、いずれが真実か。
次に、

何をする気にもなれない

日が現れれば前者が正解となる。
土日も原稿を書ければ後者が正解である。

さて、どちらか?

今日はこれから、「らかす」原稿の移設作業を入浴時間までやる。2、3本はできるだろう。今日は正常な私である。

ところで。
私の昔の原稿はいかがですか? いま読んだら古くて読めませんか? いまより若い頃に方原稿の方が面白いですか?

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