2017
11.30

2017年11月30日 いじめ

らかす日誌

ホントにいいのかね、これで?

日馬富士が引退してしまった。相撲協会の処分を受ける前に、自分で身を処してしまった。

ねえ、皆さん。日馬富士、本当に横綱から引退しなければならないようなことをしでかしたんでしょうかね? 
と問いかける私は、当然、日馬富士はたいしたことはしていない、取り立てて問題にすることはない、と固く信じている。

焦点はたったひとつ。体罰の是非であった。
そもそも、この貴ノ岩という力士、日常の態度が悪かった。だから、同じ世界で飯を食う同郷の先輩として注意した。その最中にスマホをいじり始めた。だからカッとして、カラオケのリモコンなどで殴った。そして、あれこれの報道から推察すると、殴られた貴ノ岩の怪我はたいしたことはない。

これ、仕事を辞めなくちゃならないほどの大罪かねえ。
いっても聞かない生意気なガキが殴られたぐらいで、ねえ。

やめなきゃならない空気を創り出したのはマスコミである。馬鹿の一つ覚えみたいに

暴力は悪

という金科玉条にしがみつく連中である。あの連中、本当に人を殴ったことはないのか?

私は、自分の子どもに折檻したほかは、他人に拳を振り上げたことはない。高校で柔道部の主将を務めていた時、柔道部から暴力をなくしたことは、どこかに書いた記憶がある。人を殴ることが嫌いだからである。私は根っからの暴力嫌いなのだ。
その私でも、もし自分があのときの日馬富士だったら貴ノ岩を殴っていたのではないか、と考える。日馬富士に非難を浴びせてきた人々は、もし自分があのときの日馬富士だったら、どうされたのだろう? 

放っておく? それじゃ、悪ガキの態度は改まらないぞ。
説教する? 何度もやっていたらしいじゃない、日馬富士も。それでも態度が改まらなかったので一件に及んだ。
粘り強く説教する? それでも改まらなかったら?

結局あの方々は、最終的には

「まあ、貴ノ岩の問題だからな。あの態度で失敗することがあっても俺には関係ない」

と放っておくことになるのではないか。でも、それはいい先輩として取るべき道か?

という程度の事を、マスコミはさも大罪を犯したかのごとく報じ続けた。
報じ方にもテクニックがあって、自分では日馬富士を非難しない。これぞと思う、いわゆる知識人を引っ張り出して日馬富士を非難させる。これぞと思ってインタビューしたのに、日馬富士を擁護するようなことをいう知識人の談話は扱わない。扱わなくても、マスコミの思惑を斟酌してしゃべる知識人は掃いて捨てるほどいる。困ることはない。
こうして、まるで全国民が日馬富士に怒っているかの如き空気を作り上げる。

空気ができはじめたらマスコミのものである。町の人にマイクを向けても、ほとんどがマスコミの洗脳を受けている。さも自分で考えたような顔をしながら

「横綱にはみんなの鏡になってもらわなければならないですからねえ。暴力はいけないわ」

「あんな人が相撲界の頂点にいては、子どもたちへの悪影響が懸念されます」

などと、マスコミと同じことを言う。

「ほれ見ろ、みんな日馬富士はいけないといっている」

と再びマスコミが報じる。もちろん、もし私のような者にたまたまマイクを向けたら、そのインタビューは番組で使わない。これで、全国民の総意がメディア上で出来上がるのである。使い古されたた手だ。

いってみれば、これはマスコミによる日馬富士いじめである。

マスコミは、いじめにあって自殺したこともがでれば、本当にいじめがあったかどうかがはっきりしないうちから、いじめ追放キャンペーンを始める。いわば、いじめに対して敏感すぎる、あるいは人の敏感さをはるかに通り越した神の感性をお持ちの方々である。
それなのに、自分がやっているいじめにはトンとお気づきにならない。実に都合のいい感性をお持ちなのだ。

そういえば、いじめ追放報道だって、もし前提となる事実関係が間違っていれば、いじめたといわれる子、あるいはそれを止めなかったといわれる学校、教師への、マスコミのペンの暴力によるいじめである。そんなことは無視して突っ走るマスコミって、自分にはとことん甘い、と言わざるを得ない。

どうして1人ぐらい、

「日馬富士はやめる必要はない!」

といってくれる人が出てこないのかね。
どうして全てのメディアが、日馬富士を責めるのかね。

横並び。
赤信号、みんなで渡れば恐くない、の世界。


太宰府で引退会見して東京に戻った日馬富士を、羽田空港で待ち受けるマスコミのアホウども。日馬富士は、言うべきことは全て太宰府でしゃべって帰郷したのではないか? それなのに、さらに何を聞こうというのだ?

「何か一言お願いします」

とマイクを突きつける馬鹿ども。何を質問するか、どんな答を引き出すかに頭を絞るのがマスコミ人の仕事ではないのか? 使うべき頭をまったく使わず、羽田までハイヤーを使って押しかける無駄飯食いたち。

日馬富士が、君たちが決めつけたような暴力力士なら、羽田で怒らせたらびんたの一つぐらい張られるかも知れないとは考えなかったのか? 一般人が力士のびんたを受けたら、身体ごと吹っ飛ぶというぞ。

日馬富士は軽薄な報道しかしなくなったマスメディアの犠牲者となって横綱を引退した。

これからは時間もあるだろう。

報道被害者連絡協議会

でもこしらえて会長を務めていただきたいと思う私である。


とマスコミへの怒りをふつふつとたぎらせている私は、最近、運動不足だ。机の前に座る時間が異常に長い。今日も朝から付けに張り付いている。
仕事として原稿を書く。
瑛太を支えるため、算数の問題を解く。
時には、このように日誌を書く。
どれもこれも、机に座らねばできないことなのだ。

かくして私の下半身は衰弱をたどる。どっかで変化を起こさねば、とは思うのだが、なかなか思うに任せないいまの私であった。