2018
04.18

2018年4月18日 進展

らかす日誌

今日、OCNを解約する手続きをした。OCNとはNTTコミュニケーションズ。旧「らかす」のためにサーバーを借りていた。旧「らかす」をお読みいただいた方々は、OCNのサーバーにアクセスしていらっしゃったわけである。

この新「らかす」への原稿の移行作業が先日終わったためである。同じ原稿がこちらにもあるわけだから、古いホームページは不必要になった。放っておけば毎月3000円ほどのコストがかかるから、旧「らかす」は閉じるにこしたことはない。

しかし、だ。必要書類はどうしてなくなるのだろう? 
昼食後に解約を思い立って契約書類を捜したが、ない。OCNに電話を入れると、お客様ナンバーが必要だという。契約書類がないから、それが分からない。いわれるがママにあちこち電話をかけ、クレジットからの引き落とし情報から私のナンバーを見つけてもらった。
ネットで解約書類をダウンロード、必要事項を記入してFAXで送った。解約日は5月1日。今月いっぱいは、このページの右上にあるリンクボタンをクリックしていただけば旧「らかす」にアクセスしていただくことが出来るが、今月いっぱいでこのボタンもなくすことにする。

「今のうちに見ておこう」

と言う奇特な方がいらっしゃれば、月内のアクセスをお願いする。もっとも、同じものがこちらにもあるわけだから、わざわざ古いものにアクセスしていただく必要もないわけだが。


にしても、と思う。
財務省次官のセクハラ疑惑である。テレビで流れた録音を聞く限り、麻生財務相ではないが、これ、やっぱアウトですなあ。位階人臣を極めた方が、いくら酒に酔っていらっしゃったとはいえ、何と下品なことをおっしゃるのか。
あのような睦言は、二人だけでひっそりと楽しむ時のためにある。人前で口にすることではない。私にはその程度のたしなみはある。

そういえば、私が努めていた朝日新聞社でも、かつてセクハラ騒ぎがあった。何でも、部内の飲み会で部下である女性の胸を揉みしだいた男がいたのである。
それに、取材先の女性を

「部長も来るから」

と嘘をついて飲み会に誘い出し、2人だけの席でやおらのしかかろうとした男がいた。拒絶されると、

「お前も役者やのう」

とほざいたと聞く。
前者は責任を問われて左遷された。後者は何のおとがめもなかった。ま、おかしなヤツ、道徳観念に欠けるヤツは、どんな組織にも一定割合は必ずいる。企業の格や出身大学、頭脳の優秀さ、仕事の出来具合とは関係ない。だから組織としては、不祥事に対する処分の原則をはっきりさせておかねばならないのだが、私の勤めた会社はどうやら失格である。

それはそれとして、財務省はきちんとした原理原則を持つ組織なのか? 

その結論は財務省の対応がはっきりするまで待つとして、この事件に対するメディアの反応に、何となく違和感を覚える。
麻生財務相が

「被害を受けた女性は申し出ていただきたい。当事者双方の話を聞いてそれからのことを判断したい」

という趣旨の発言をしたことに対して、

「被害者女性は守らなければならない。申し出よとは何事か」

という記事を散見するからである。麻生財務相の発言は、当然のものではないか?

性被害にあった人は守らねばならない、という趣旨に反対するのではない。世間には不埒な下種どもがたくさんいて、被害者にギラギラした好奇の目を向ける。

「おい、あの女(最近は男もあるようだが)がやられたんだってよ」

という多数の目は二次被害、三次被害をもたらす。だから被害者はあくまで世間の目から隠さねばならない。世の中がもっと大人になるまでは避けられないことだと思う。

だが、今回の被害女性は、守らねばならない範疇に入るのだろうか? 私の違和感はこの1点である。

事件を明るみに出したのは週刊新潮の報道だった。新潮社は追いかけるように、現場での会話を再現する録音を公開した。
普通、セクハラの現場が録音されることはない。セクハラがこの女性に向けられた言葉で実行されたのだとすれば、まさか財務相次官が録音するはずはないので、録音したのはこの女性である確率が高い。
ん? 会食の場で会話を録音する女って、何だ?

それだけではない。2人の間で交わされた会話である以上、第3者は知りようがない。第3者が知るのは当事者のどちらかが話した場合に限られる。これも、まさか財務相次官が自分でペラペラ話すはずはないので、この女性が明らかにしたと考えざるを得ない。それなのに、隠れなければならないか?

第3に、仕事仲間や友人に

「実はこんなことがあってね」

と話すのなら理解できる。その限度であれば、守られるべき被害者である。
しかし彼女は、スキャンダルを売りものにする週刊誌にこの話をした。ということは、この事実を社会化しようという目的を持っていたはずである。この話が週刊誌に掲載されれば非難は財務相次官に向かう。
報道されたとおりの会話があったとすれば、彼女は、財務相次官に社会的制裁を加えようと意図したことになる。

週刊誌まで使って行動を起こした女性が、果たして弱い立場にいる「守るべき被害者」なのだろうか。
今や彼女は、財務相次官を罷免に追い込む力を持った強者ではないのか?

万が一、である。もしあのテープが偽造されたもので、一連の話が嘘で固められていたら財務相次官の立場はどうなるのだろう? いわれなき言いがかりをつけられ、反論しても言いがかりをつけた相手が世論に守られて黙りを決め込む。打てる手がなく、訳が分からないまま地位も名誉も失う。
1対1で行われる性犯罪には、冤罪に繋がる要素が多い。冤罪を避けるには、事実関係を明確にしなければならず、そのためには両当事者から充分に話を聞き、周辺捜査もして事実関係を明らかにすることが必要である。
今回の「彼女」が隠れていては、それは不可能なのである。

それに、だ。
被害女性は記者だという。であれば、男性記者に後れを取らず、あるいは男性記者を凌ぐ勢いで世の中の悪と戦うことを誓った職業人のはずである。世間一般の「弱い」女性ではない。取材先である財務次官のセクハラ行為を告発しても、仕事を失う恐れはない。財務省の取材が出来なくなる? 財務官僚は全員がいまの財務次官と同じ穴の狢で、財務次官を告発した女性記者に

「お前は敵だ!」

と取材を拒否するのか? あり得ないだろ、そんなこと。
その彼女を守らねばならないのか?

財務次官が聞くに堪えない、卑劣な言葉で彼女を傷つけたのなら、堂々と晴天の元で戦えばよい。どうしてそれが出来ないのだろう?

週刊新潮は次の号で、第2報を出すという。
財務相担当の30代の女性記者は登場するのかな?