2019
07.14

Raspberry Piが動かなくて困っています。初期不良? 取り扱い不良?

らかす日誌

間もなく、桐生市内の目抜き通りに、群馬大学関連の企業のサテライトオフィスがオープンする。いや、すでにシャッターは上がっているのだが、まだ電話線と光回線が来ていない。あと1週間から10日ほどかかるとのことで、オフィスとして機能するのはそれからということになる。

この企業に関連する各人の個人事情からして、このサテライトオフィスに最も頻繁に顔を出すのは私ということになりそうである。社長は神戸在住、会長は現役の群馬大学教授、社外取締役は不動産会社社長、監査役は会計事務所の親分で、それぞれ自分の仕事を持っている。すでに年金生活者になっているのは私だけで、私とこの会社の関係は、契約上は社外コンサルタント的なものなのだが、役員会では議長を仰せつかっており、数少ない幹部社員の一人として取り扱われているので、頻繁に足を運ぶことになる。

自宅と違う場所に事務所が出来るのは、桐生に来て以来である。自宅と事務所が違うとなるといろいろと準備をしなくてはならない。先にMacBook Airを買ったのも、事務所で原稿を書く機会が増えるだろうとの見通しに立つものであった。
さらに、先日は日本語入力ソフト、ATOKを買った。それまではMac備え付けの入力ソフトを使っていたが、どうにも具合が悪い。やはり使い慣れたATOKに如くはなしとiMacで使っているATOKのCDを探したが、見つからない。おそらく捨ててしまったのであろう。やむを得ず新しく買い足した次第である。

これで事務所に通勤するようになっても、パソコンは使える。原稿はこれまですべて自宅のiMacで書いてきたが、これからはMacBook Airを使うことが増えるはずだ。サテライトオフィスには当然WiFiが備えられ、リコーのFax&Printerも備わるから、プリントアウトも出来る。これで仕事の準備は万全である。

しかし、仕事の準備が万全であればそれで良いのか? 足りないものはありませんか?
そう、足りないものがある。音楽である。原稿を書くにしても、BGMは欲しい。仕事とは楽しみながら進めるものである。音楽がないと味気がないではないか。現にいま、この原稿を書く私の背景では、The BeatlesのUltra Rare Trax Vol:1がかかっている。いま演奏中の曲は「She’s a woman」である。
「She’s a man」だったら驚きであるが。

だから、事務所にはオーディオがいる。私はそう考えた。会社の費用で備えようかとも思ったが、イヤ待てしばし我が心。まだ会社は稼いでいない。費用だけは支出しながら収入はほとんどないのである。必要不可欠なものとはいえ、ここは支出はできるだけ抑えるのが経営としては正しい。
というまっとうな結論に私は達した。その結論に至るには、もちろんあてがある。かつて朝日新聞記者として桐生で働いていたころ、自宅内にあった私の事務所にはオーディオのサブシステムがあった。アンプは勿論クリスキットである。スピーカーは自作の120リットルの箱にテクニクスの16㎝を入れたシンプルなシステムなもの。いまの家に引っ越して以来、サブシステムを置くスペースがなく、アンプは押し入れに、スピーカーはあのO氏宅に仕舞い込まれている。これを使う。

しかし、それだけでは音が出ない。プレーヤーがないのである。そして、これからのオーディオオシステムに欠かせないのはネットワークプレーヤーである。これだけは新たに購入しなければならない。
会社に負担はさせないと決意した私は、ネットワークプレーヤーとして安価な者を選ぶことにした。しかし音質には気を払わねばならぬ。となると、選択肢は一つしかない。Raspberry Piを使ったネットワークプレーヤーである。我が家ではRaspberry Piに、友人が作ってくれたDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)を繋いで音楽を楽しんでいるので、当然といえば当然の選択である。

当初はDACの自作も考えた。しかし、しばらく前に挑んだ自作には失敗している私である。音は出たが、何となくモノラルに聞こえるDACになってしまったことはすでにご報告済みである。
という苦い体験を持つ私は、今回は既製品にすることにした。ネットで探していたら、「Terra-Berry 2 DAC」というのが見つかった。最新とまでは行かないが、評判のいいDACチップを使っている。3万円近くとやや値ははったが、なーに、将来は自宅で使えばいい。
Raspberry Pi 3、Terra-Berry 2 DAC、そして4テラバイトの外付けHDD。5万円近くの出費であった。これは私の会社の経費として落とせば良い。

と準備は整った。HDDには音楽ファイルをすべてコピーした。2テラバイト近い容量である。準備は整った。後は事務所に運び込むだけである。

ご存じのように、昨日から全国的に3連休である。連休は原稿を書く日、という暗黙のルールが出来上がっていた私だが、どういうわけかこの3連休は書かねばならない原稿がない。まるで暇である。そこで

「正常に動くかどうか、試しておこう」

と思い立ったのが今朝であった。

Terra-Berry 2 DACはRaspberry Piに差し込めば良い。これで準備完了である。すでにプラスチックのケースに入れてある。あとはRaspberry Piを動かすソフト、volumioをマイクロSDカードに書き込み、Raspberry Piに差し込む。慣れたものでである。

慣れたものを慣れた手順でこなし、屋内LANに繋いで電源を入れた。パイロットランプがつく。正常である。さて、次はネットワーク上でvolumioを探さねばならない。ブラウザに「volumio」と書き込んでリターン。ん? 見つからない?

それではと、LanScanというアプリを立ち上げた。こいつはネットワーク上にある機器を見つけてくれる。さあ、探せ! ん? volumioがない?

おかしい。自宅で音楽を再生しているvolumioは問題なく見つかる。ところが、これからサテライトオフィスで使おうというRapberry Piに装着したvolumioが出てこない。何が起きた?

焦る心で、まずマイクロSDカードを挿し直してみた。それでもダメで、カードを取り替えてみた。次は、カードにvolumioを焼き直し、そのカードを差し込んでみた。ついには、正常に動いているRaspberry Piに挿していたカードを取り出し、こちらに挿してみた。
すべて、結果は×だった。ネットワーク上に、新しいRaspberry Piが出てこない。

さて、困った。何が起きているのか、ネットで検索し見てもそれらしい答えは出てこない。困り果てた私は、Raspberry Piの初期不良を疑い、もう1台買い増そうかと考えた。5000円少々である。うーん……。

思いあまった私は、Amazonを通じて買った販売業者にメールを出した。

「6月13日に「for Raspberry Pi 3 Model B+ セットラズベリーパイ3 b+ 本体基板5V 2.5A 電源アダプター ケース ヒートシンク (3B+ 本体スーツ)」を注文し、受け取りました。本日動作確認のため、volumio2を入れてLANに接続しましたが、ネットワーク上に現れません。SDカードを入れ替えて確認しても同じです。電源ランプは点灯しています。これは初期不良ですか? それとも私の操作の誤りですか? ご指導をお願いします」

何でも、2営業日の間に返答が来るのだそうだ。ということは、遅くとも水曜日までには返事が来る。初期不良で交換してくれるのか、私の取り扱い方が悪いと指摘されるのか。
いずれにしても、買い直すにしてもそれからのこととした。まあ、サテライトオフィスが正常に稼働し始めるまでにまだ1週間以上の時間がある。それまでに解決すれば良い。

しかし、である。電子機器とはまるでブラックボックスですな。正常に稼働しないとなると、どこをどうして良いのかまるで見当がつかない。昔はテスターを当てれば概ねの家電は故障箇所が分かったものだが。
我々は大変な時代に生きておりますなあ。

というわけで、新しく購入したDACの音質のレポートは先延ばしいたします。