2019
08.27

韓国はどうして同じことを繰り返す国なのか?

らかす日誌

しかし、まあ。
韓国の方々は歴史から学ぶこと、ゼロなのだろうか。またまた政府の高官に疑惑が持ち上がっているそうだ。法務大臣候補にあがっていた人物が、娘を大学に裏口入学させた疑いを持たれている。不正蓄財などの疑いもあるというが、日本以上の学歴社会である韓国では、そんなことより一流大学への裏口入学が人々の怒りを呼ぶらしい。

「そりゃあ、偉いさんにはいろいろな引き出しが出来て金はいっぱい集まるのだろう。それは仕方がないが、公正な学力試験で選抜されるはずの大学に裏口から入るのだけは許せん!」

という、半ば諦めの怒りなのか。
この法務大臣候補、大学の先生だというから開いた口が塞がらないというか……。

しかし、不思議な国である。まともに任期をまっとうした大統領が数えるほどしかない。

・前大統領の朴槿恵は友人を国政に介入させたとして罷免され、後に有罪判決を受けた。
・その前の李明博は収賄・裏金作りの疑いで逮捕。
・盧武鉉は収賄容疑を受け、自殺。
・金大中は息子たちが権力を乱用した不正蓄財で起訴。
・金泳三は次男が斡旋収賄と脱税で逮捕。
・盧泰愚は正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕、有罪。
・全斗煥は不正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕。
・崔圭夏は就任6日目に軍部のクーデターが起き、在任8ヶ月で退任。
・朴正煕は暗殺された。
・尹潽善は、後に名誉回復されたが、懲役5年の実刑を受けている。
・そして独立後最初の大統領だった李承晩は国外へ逃亡。

日本の首相で縄目の恥辱を受けたのは昭電疑獄の芦田均とロッキード疑惑の田中角栄程度である。福田赳夫は大蔵省主計局長時代に逮捕・起訴されたが無罪判決を受けた。危ういところで収監を免れたのは佐藤栄作。自民党幹事長時代に造船疑獄で東京地検が逮捕状を請求したが、法務大臣が指揮権を発動して検察を抑えた。
政治権力と富、特権は極めて仲の良い関係にある。だから、真実をすべて表沙汰にすれば、他にもおかしな首相はいたと考えるのが普通だろう。だが明治以来、日本ではいまの韓国のような騒ぎは起きなかった。

さて、このように日韓のデータを並べたとき、私たちは韓国をどういう目で見たらいいのか。多分、2つの見方しかできない。

韓国は儒教の影響が極めて強く残る社会だと言われる。儒教は徳による政治を説く。その基礎にあるのは身分の上下関係を固く守ることである。加えて、孟子の次の指導者となった荀子は性悪説を唱えた。ノーテンキともいえる性善説では社会の秩序は保てない。人間なんてもともと悪なんだから、監視が必要である、というのである。
韓国の大統領は絶大な権限を持つという。国のことは上御一人にお任せする、という徳による政治思想の表れだろう。だが性悪説に立つ以上、監視はきっちりしなければならない。だから、絶大な権限を大統領に与えながら常に厳しい目を注ぎ、おかしなことがあったらきっちり糾弾する、というのが韓国の社会ではないのか。そして、悲しいことに、人間は監視されなければとんでもないとこをしでかしてしまうという荀子の思想を裏付けるデータを歴代の大統領がせっせとこしらえる社会になっている。
これが一つの解釈である。
まあ、私は中国思想を専門に学んだことなどないから、ひょっとしたら儒教の理解に間違いがるかも知れない。そのあたりは漫談の類と思って読んでいただきたい。

いまひとつの解釈は、韓国はまだ近代国家になりきれていないというものだ。確かに経済的には大きく成長した。だが、社会としての成熟は一朝一夕では得られない。政治権力が富と特権に強く結びつくのは後進国家の特徴である。時の権力を批判しながら自分が権力の地位に就くと、前政権と全く同じ犯罪を繰り返す。不正蓄財、子弟の不正入学。歴代政権と瓜二つの不正を指摘された文在寅政権はこれからどうなるのだろう?
そういえば、韓国の世論調査で、文大統領の支持率が初めて不支持を下回った。下回ったといっても50%をわずかに割り込んだ程度だが、これは一時的な世論のぶれなのか、それとも終わりの始まりなのか。

日本に背を向け、アメリカにも背を向ける文在寅大統領は学生運動の闘士だった。逮捕、収監された経歴もある。日本でいえば中核派や革マル派の中核メンバーというところか。いや、親中国の姿勢が見え隠れするところからすると、ML派か。いやいや、北朝鮮への擦り寄り方を見ると、赤軍派の方が近いかも知れない。互いに激しく争ったこれらのセクトは、だが反米の1点では共通していいた。

どこへ行く、韓国。どうなる日韓関係。メディアでも報道量が増え始めた。しばらく目が離せそうにない。