2019
09.13

昨日は終日寝不足であった。

らかす日誌

昨日は宇都宮まで行ってきた。群馬大学関連の仕事、それも営業の仕事である。
といっても、緊張することがないのが最近の私である。スーツを着込むこともなく、いつものようにチノパンに半袖シャツ、裾はズボンにたくし込まずに外に出す。靴はメレルだから、かなりラフな格好だ。それが一番楽だから、年中こんな格好をしたまま仕事を資する私である。
もっとも、世の中もずいぶん変わってきて、訪問先の担当者だってポロシャツにチノパンだから、身なりに関しては私と大差ない。違うのは立場と年齢、それに見た目の良さ程度ではなかったか。見た目の良さの勝負は……、ご想像にお任せする。

私の相棒が取り付けた約束の時間は午前9時。

「えっ、午前9時?! 前の日から行って泊まるのか?」

「何いってんですか、大道さん。日帰りですよ。午前7時に迎えに行きます」

午前7時の迎え。それまでに顔を洗って髭を剃ってそれなりの身支度をしなければならない。

「であれば、遅くとも6時20分起床か」

私はiPhoneの目覚まし機能をセットし、前日12時頃に布団に入った。

布団に入って読書をするのは私の日常である。確か午前1時頃まで読んで枕元の電気を消した。さて、眠ろう。

ところが、なのである。眠れない。まあ、目をつぶってもすぐには眠りが訪れないのは誰しも同じであろう。寝付きのいい人でも2、3分はかかるだろう。私が寝付きが悪い方である。10分や15分かかるのはいつものことだ。もっとも、タイムウォッチを持って測ったことはないが。
すぐに寝付かないのは分かっていた。ところが、この日はいくら待っても眠りが訪れない。仕方なく枕元灯を点灯し、読書を再開した。20分ほど読むともう午前2時を回った。

「いくら何でも寝なくちゃな」

次に枕元灯をつけたのは午前3時過ぎである。眠れない。
午前3時過ぎ。眠れないからといって何をする? 考える。思いつかない。また本でも読むか? いや、目にも休息時間を与えた方がいいのではないか。では……。

と考え続けると、不眠症という病気になってしまうのだろう。私は寝付きはよくないが、不眠症ではないはずだ。眠れないときは

「まあ、1日2日寝なくても死ぬことはない。身体が睡眠を必要とすれば必ず眠るのだから」

とあっさりと眠りを放棄するタイプである。ゆっくりと眠りのリズムを待てばいい。

再び電気を消した。次につけたのは午前5時。まだ眠りは訪れないままである。

「場所を変えよう」

寝室兼事務室の隣である居間のリクライニングチェアをベッド代わりにすることにした。この椅子、フルリクライニングすれば床とほぼ並行になる。
そこに身を委ねた。窓の外は薄明るい。

「あれまあ、もう朝だわ」

と思いながら目をつむった。しばらくするとやっとウトウトし始めた。そして起床。午前6時。起きなくちゃ。

というわけで、睡眠時間、というよりウトウト時間30分で、私は宇都宮のへの旅に出かけたのである。

幸い、営業はうまく行った。かなりの額の注文が取れそうである。帰途についた私と相棒は舞い上がり、桐生まで戻って昼食にすることにした。うまく行ったのである。少し張り込んだ昼食で祝いたい。

「他の日なら、『こんどう』の鰻にしたいところだが、今日は定休日だ。よし、天ぷらを食いに行こう」

そこも休日だった。

「木曜日は市場に買い出しに行く日なんで申し訳ない」

ではイタリアンと行くか。

『夏休み」

という看板が出ていた。9月にか? もう季節は秋だぜ。

「じゃあ、高級寿司にしよう」

定休日。

「あそこならやってるわ。イタリアンでいいな」

臨時休業

「おい、どうなってるんだ、これ?」

「きっと、今日の2人分の運を宇都宮で使い果たしてきたんですよ。だから営業がうまく行ったんだわ」

相棒と私はやむなく、デニーズに向かった。

うまく行った営業を祝うのがデニーズでの昼食……。

私を自宅まで送ってくれた相棒に別れ際、

「おい、俺たちの今日の運は使い果たしているんだから、2人には悪運しか残っていない。事故を起こさないように帰るんなよ」

この程度の会話を交わしながら営業に走り回る我々なのである。

夜は桐生えびす講協賛会の飲み会であった。そうなのである。もうそんな季節なのだ。
ビールを飲み、日本酒を流し込み、紹興酒を味わいながら中華料理。

「しかし、今日のウトウト時間はわずか30分。身体が持つかよ?」

と恐る恐るの飲み会だったが、円卓を囲みながら若手に道を示し、高年者には敬意を払い(まあ、しらふであれば赤面するようなヨイショをすることと読み替えていただいてもよろしい)、だが主要目標である酒は間断なく口に運ぶ。ついでに中華料理も。
悪酔いすることもなく、午後10時過ぎ、無事に自宅まで送り届けていただいた昨夜の私であった。私の身体は結構しぶといらしい。

そして今日は朝から前橋へ。夕刻から取材兼飲み会。
やっぱり、私には仕事の秋なのであった。