2020
03.21

桐生でも桜が咲き始めました。

らかす日誌

我が家の前の桜並木で桜の開花が始まった。本日現在、冒頭の写真の状態である。

新型コロナウイルスの蔓延で、桜の名所にも人出が絶えているとテレビのニュースは報じ続けいている。コロナで花見を断念したあなた、せめてこの我が家の前の桜で我慢していただけませんか? できるだけ頻繁に桜の写真をアップしたいと思います!

ちまみに、1年前もこの並木の写真を使っていたことを思い出し、比べてみた。昨年3月31日でこの程度、である。やっぱり、今年は早い。昨年の経験では、咲き始めてからの桜の生命は概ね2週間程度。ということは4月に入れば桜吹雪が舞い始めることになる。ああ、また庭掃除が大変だ。

ところで、去年の桜の写真を点検するために2019年4月の「らかす」を見ていたら、「オリンピック精神を考え直してみた」という文章が目についた。そう、東京オリンピック反対派の私は、東京開催が決まって以降、時に応じて

「今のオリンピックっておかしくないか?」

という文章を書いてきた。もっとも、私がいくら異論を書こうと世の中に影響を及ぼせるはずもなく、東京オリンピックは粛々と開幕を待つだけ、だった。やがて私も反対することに疲れたのか、あるいは関心を失ったのか、最近はとんと「オリンピック論」を書いていない。

しかし、だ。ちょっと目を離しているうちに、東京オリンピックの開催が危うくなってきた。というより、年の開催は絶望だろう。新型コロナウイルスの影響だから、反対派の私としても

「良かった!」

といえないのは心残りだが、そんな問題ではない。

まず、開催地の日本で、新型コロナウイルスがいつ影響力をなくすのかがはっきりしない。7月の開催までに終息するというのは願望に過ぎず、何の裏付けもない。そんな地に、世界のアスリートと、アスリートの応援団がやってくるか?

いや、日本は比較的新型コロナウイルスを押さえ込んでいる国ではある。死者がとうとう発生国の中国を抜き去ってしまったイタリアや、イラン、お隣の韓国などに比べれば、これまでの実績は評価して良い。だから、

「オリンピック開催に間に合わせる!」

と力む加賀がいらっしゃれば、その可能性はゼロだと言い放つのは難しい。

しかし、である。オリンピックは開催国だけで開催できるわけではない。全世界からのアスリートの参加があってはじめてオリンピックになるのである。
さて、北部を中心にいまだにコロナウイルスが猛威を放っているイタリアは、日本にオリンピック選手団を送り込むことはできるか?
イタリアだけではない。イラン、スペインは感染者が2万人に迫っているし、1万人を超えた米国、ドイツ、フランスもどこまで広がるのかの見通しが立っていない。韓国は8000人以上が感染し、あまり騒がなかった英国でも患者数が3000人を突破、とうとう学校の休校に踏み切った。
とにかく、各国政府と国民はコロナウイルス対策でてんやわんやなのだ。こんな時に、オリンピック代表選手を選び、送り出し、応援団までが日本行きの飛行機に乗り込むことがあるか? 飛行機とは密閉空間である。そんなところに足を踏みこく勇気、いや蛮勇を持ち合わせている人がどれだけいるだろう?
いま、オリンピック準備に手間を割く政府があれば、

「国民の生命、健康とオリンピックのどちらが大事なのだ!」

と国民から総スカンを食わされかねないのである。
こんな状態で東京オリンピックが開けるか? どう考えても、開催の可能性はゼロである。

まあ、JOCや政府など関係者は、オリンピックの中止、延期などは口にしたくてもできない時期ではある。延期や中止となった場合、それに伴う膨大な資金が必要になる。いま先頭を切って口を開けば、その責任を背負わされかねない。できることなら、他の誰かが言い出して、中止、延期の流れができるのを待つのが得策なのだ。菅官房長官、小池都知事、山下JOC会長、森大会組織委員会長、その他の方々は、一刻も早く、IOCが口火を切ってくれるのをお待ちになっているのではなかろうか。

しかし、である。延期と言っても、どの程度延ばすのだろう。ウイルスに起因する感染症の流行は、一度終息したかに見えても、しばらくの期間をおいて2度目の流行を迎えるのは、何度も経験したことである。例えば7月、8月に新たな感染者が出なくなったとして、一休みしていたウイルスが秋、あるいは年を越して暴れ出さないとは限らない。とすれば、1年程度の延期では確実に開催できる保証はないことなる。

そして、中止、延期となれば、代表選手の選び直しが必要になる。今の代表たちは、今年夏の開催に合わせて体調を管理しているはずだ。しかし、1年、2年延びるとなれば、そんなに長期間、ピークを保つことは難しい。そして、メキメキと実力をつけていまの代表選手を抜き去る若手が現れるのに十分な時間でもある。いま代表選手に選ばれて我が世の春を謳歌しているアスリートの中に、喜びがぬか喜びに終わる人たちも出るということである。

いずれにしても、中止、延期が決まれば様々な後始末が必要になる。であれば、決定は1日も早いほうが言い。誰が旗振り役を果たすのだろう? 最近のニュースを見ていると、最も有力なのは、新型コロナウイルスを当初見くびっていた感のあるテドロス・アダノム・WHO事務局長である。この人の発言を受けて、バッハ・IOC会長が決めるということになるのではないか。

そのコロナウイルス、中国はとりあえず抑え込みに成功したようである。このところ、1日あたりの死者数が1桁になった。

それにしても、心配なのはイタリアだ。中国の20分の1以下の6000万人という人口にもかかわらず、死者数が中国を上回ってしまった。財政逼迫した政府が大幅に医療費を減らしたところを新柄コロナウイルスが襲った。そのため医者も病院も足りずに、医療崩壊が進んでいるとも伝えられている。
自国が一段落した国から医療団がイタリアに応援に出ることになるのか。

最後にお詫びを。
コロナウイルスによる死者数などをどこもグラフにしてくれない、ということで自作のグラフの掲載を続けいているが、ネットを探したらあった。こちらである。
極めて優れたページで、中国に関するデータが毎日更新されているのはもちろん、感染者の総数、毎日の新感染者数、治療中の患者数、死者の総数、1日ごとの死者数などのグラフが掲載されている。
関心をお持ちの方は覗いてみられたい。