2020
04.29

我が家にシシトウとアジサイがやってきた。

らかす日誌

シシトウは妻女殿が生協でお求めになれたものである。昨日届き、

「ちょっと」

と私にお声がかかった。

「これ、プランターに植えといて」

素直な私はプランターの在処を伺い、納戸からビニール袋に入った培養土を取り出してプランターに入れた。そこに、届いたシシトウの苗3本を埋めた。

「水をたっぷりやって、日当たりと風通しのいいところに置いておいて」

水はたっぷりやった。さて、日当たりと風通し……。ここしかないか、と門の下、駐車場の一角に据えた。

アジサイは、桐生市黒保根町のさかもと園芸まで出かけて買い求めてきた。

「黒保根に行く!」

と宣言すると、桐生在住の国際的な刺繍作家・大澤紀代美さんが

「私も同行していいかしら?」

とおっしゃったのでお連れした。
あのO氏からは

「そうなの。うちにもあった方がいいなあ」

と言葉をかけられ、2本頼まれた。

さかもと園芸は4棟のビニールハウスでアジサイを育てている。10年に1度オランダで開かれ、「花のオリンピック」とも言われるフロリアードで、1992年、2002年と連続してアジサイで金賞を受賞した。いってみれば、世界一のアジサイを品種改良で産み出し、育てている。

ビニールハウスに入ると、色とりどり、形もとりどりのアジサイが咲き競っていた。アジサイは母の日のプレゼント用の需要が最も多い花だから、さかもと園芸は今、出荷前の準備で大変忙しい時期である。それでも快く応対していただき、大澤さんは3鉢、私は2鉢、O氏用に2鉢いただき、車に積んで戻ってきた。町の花屋さんでどの程度の価格がついているか知らないので、さかもとさんにお渡しした金額は伏せておく。

我が家物となったのはピンク色の「ベイビー・クミコ」(左)と、薄紫の花がついた「夏海」(右)である。

中でも、「ベイビー・クミコ」は大輪といいたくなるほど大きな花(実はアジサイで花と見えるのはガクで、本当の花は右の「夏海」で紫色の花の陰で白くつぶつぶに見えているところだが、まあ、普通に花と呼ばれているところを花と書いておく)をつけいている。持ち帰って、妻女殿に

「どこに置こうか?」

とお尋ねしたところ、

「家の中には大きすぎるので外」

ということになり、玄関先に置いて一夜を明かした。

そのアジサイが、午後4時穂頃見たら哀れなほど萎れていた。えっ、何で? と思わず言いたくなるほどの萎れ方である。アジサイって、日光に当ててはいけないのか?
ネットで調べると、アジサイは太陽を好むとある。そりゃあそうだよな。光合成でエネルギーを生み出すのが植物である。日の光を浴びなければ栄養失調になるはずだ。
それに、子どもの頃に見たアジサイは、どれも庭に植えてあった。太陽があたっていけないわけはない。

「そうか!」

と思い当たったのは、である。
今朝方、本日1回目のパイプタバコを楽しむ際、以前ご報告したミョウガと、妻女殿お買い上げのシシトウには水をやった。シシトウまで水をやり終えると、ポットの水がなくなったので、

「まあ、昨日来たばかりだから、まだいいんじゃないの?」

を水をやらなかったのだ。鉢植えのアジサイだから、根を囲む土はホンの少ししかない。含む水の量にも限りがあり、土中の水をしゃぶりつくして足りなくなったのだろう。ミルク欲しさになく赤ん坊のようだ。
と思いつき、鉢の底から水が溢れるまで水をやった。1時間ほどして見てみると、心なしか花に元気が戻ったようである。明日は元通り、綺麗に咲き誇ってくれると思うが……。

外出禁止令下のゴールデンウイークが始まった。皆様、いかがお過ごしですか?

しかし、あのパチンコ屋騒動、いかがご覧になりました?
私なんぞは、休業要請をはねのけて営業するパチンコ店は店名を公表する、と聞いた瞬間、

「俺が経営者なら、営業を続けるな」

と即断した。
だって、お上のご意向に弱い他の店は多分、休むのである。とすると、それでなくても暇を持て余しているパチンコファンは行き場を失う。小人閑居して不善をなすから、

「開いてるパチンコ屋はないか?」

と探す。
いつもなら、新聞にチラシを入れて

「うちはやってまっせー」

と広告するところだが、今回は都道府県が

「営業しているパチンコ店」

を公表してくれる。つまり、広告費はただ。客の入りは、数店舗、あるいは数十店舗分の客が押し寄せてくるのだから、笑いが止まらぬほど儲かるはずである。コロナの感染? それ、どこの話ですか?

私の予想に反して、概ねのパチンコ店は素直に休業要請に従ったようであるが、さて、いまでも営業しているパチンコ店はいくつあるのだろう?

いや、パチンコ店の営業継続を奨励しているわけではない。私はパチンコを楽しむ習慣がないので、総てのパチンコ店が休業しても、あるいは廃業しても痛くもかゆくもない。
それに、コロナに感染するかも知れないリスクを冒してもパチンコがしたいという人々がコロナに感染するのは仕方ないが、彼等がパチンコ店で仕入れたウイルスを外でばらまくのは困る、と考えている。つまり、パチンコ店にはきちんと休業していただきたい

いいたいのは、行政手法の不備である。そりゃあこの時期、三蜜が揃うパチンコ店はお休みしていただくに越したことはない。しかし、休業を強いる手法が

店名公表

では意味がないのではないか、といいたいのである。私が妄想したように、この時とばかり営業を続けるパチンコ店が続出したらどうするつもりだったのか?
ここ数日のニュースを見ていると、パチンコ店の経営者にも素直な人が多いらしく、要請に従って休業に入った店がほとんどらしいが、それでも開いているパチンコ店はもうないのかどうか。どうしても首を縦に振らないパチンコ店経営者はどうするのか。行政として何もできないのなら、一度は休業したパチンコ店も

「だったら、俺の店も開けよう」

ということになりかねない。

経営の一部は、恥を乗り越えたところに成立する。店名を公表されて、多くの市民からは非難の目を寄せられるかも知れないが、パチンコがしたくてたまらないファンからは大歓迎されるのである。パチンコ店にお金を運んでくれるのは、非難の目を向ける良識派の市民ではない。目の色を変えてパチンコ台の前に座るファンたちである。
事業を進めるとは、本当に欲しい人たちに最大のサービスをし続けることだろう。であれば、どうせ金を持ってこない良識派市民から卵をぶつけられても、店を開けておくのが経営者の務めともいえるのである。つまり、パチンコ店にとって今のビジネスの王道は、店を開けることなのだ。

休業を強制する手段を持ち合わせない行政はこれからどんな手を打つのだろう?

現時点で、コロナによる死者は全世界で21万8024人。アメリカは5万9266人に達し、6万人が目前である。新規感染者も願ったほどの下降傾向は辿らず、死者数も27日はぶり回した。そんな中で一行も早く経済活動を再開しようと呼びかける大統領、早く仕事をさせろとデモをする一部の国民たち。アメリカとは不思議な国である。

翻って日本は、新規感染者数、1日ごとの死者数はグラフで見る限り、下降を続けている。これで沈静化してくれることを願う。