2020
05.01

外出自粛、なるほどかなり徹底されてますな。

らかす日誌

今日は妻女殿の運転手として前橋日赤まで行ってきた。以前は1ヶ月に1回だったものが、最近は1ヶ月半に1回に延びた定期検診である。

自宅から国道50号線に出て前橋へ。ん? なんか違う?
車が少ない。50号線が2車線から1車線になるみどり市の交差点は、いつもなら100m以上にわたって車が列をなしているのだが、今日はほんの7、8台しかいない。ここを始め、とにかく、全線スイスイと走ることができる。

「ほっ、外出自粛の影響か」

50号線は1車線部分を2車線にする下準備が進んでいるが、いつもの車通りがこの程度なら、何も2車線にする必要はないだろう、というほどの空き具合である。快調だ。

とはいえ、実は今回、前橋日赤に行くのを躊躇した。膠原病である妻女殿は日常的に免疫抑制剤を服用している。つまり、免疫機能が普通より落ちている。コロナウイルスにとりつかれたら、いわゆる

既往症持ち

に入りかねない。だから、

「電話で聞いてみろ。診察せずに処方箋を出すのなら俺が1人で行って処方箋をもらってくる」

と伝えたのだが、我が妻女殿は誰に似たのか、まれにみる頑固者である。最初は

「そうねえ」

とおっしゃっていたが、やがて

「行く!」

と宣言された後は、てこでも動かぬ姿勢を貫かれた。その結果が今日であった。

妻女殿を前橋日赤で降ろすと、私は一路けやきウォークへ向かう。前橋のショッピングモールである。ここで時間を潰すのが運転手たる私の習慣である。
が、今回はやや迷った。こんな時期にショッピングモールで人混みに混じっていいのか? 私の身体は健康を保ちうるか?
まあ、感染したときは感染したときさ、とある意味観念はしているが、無事であるにこしたことはない。

駐車場に車を入れると、ああ、ここもいつもより駐車車両が少ない。なるほど、外出自粛とはこういうことか。
開店の午前10時を少し過ぎたころ、中に入った。ここに来て、私が最初に向かうのは書店「紀伊國屋」である。入って左側にある……。

シャッターが閉じている! 張り紙がしてあり、当面休業するのだそうだ。あれまあ、本を見ることができないってか。
考えてみれば、書店に並ぶ本は、誰が触ったかわからない。他の商品なら客が触った商品はアルコール消毒すればいいのだろうが、本をアルコール消毒するのは難しいだろう。できたとしても、数が多すぎて手が回るまい。おそらく、そうした点をあれこれ考え合わせて休業に踏み切ったのだろう。

それは理解できたが、しかし、時間を潰す目的で私はここに来ているのだ。時間つぶしの大半は、この書店でのウインドウショッピングにあるのだ。どうやって時間を潰す?

思い直して、モールの1階を歩き回ってみた。休業しているのは書店だけではない。楽器店、ファッション・ブティック……。見たところ、モールに並んでいる店の3割から4割は休業に踏み切っているようだ。そんな中で開いている店の売り子さん(多分、20代の女性)はマスクで鼻と口を覆っている。マスクでどこまで感染予防ができるのか?

「どんな思いをしながら店に立ってるの?」

彼女たちがなんだかかわいそうになった。

さて、状況は概ね分かった。しかし、時間はたっぷりある。どうやって潰す?
車に戻って読書を始めた。三密を避けるにはこれが最高である。こんな時は、趣味の筆頭に読書を挙げる自分を褒めてやりたくなる。読書はいつでもどこでも時間がつぶせるスーパーツールなのだ。しかも、読んだ分だけ心が豊かになる(?)とすれば、こんなにいいことはないではないか。

しかし、だ。今日は気温が上がり、日差しも強かった。窓を開けて読書をしていたのだが、30分もすると全身汗ばんできた。こりゃあ困った。

「コーヒーでも飲んでくるか」

もう一度モールに戻り、コーヒー兼読書。アメリカンコーヒー、税込み440円也。

正午前、前橋日赤で妻女殿を拾い、桐生に戻る。病院も空いていたそうである。

まあ、これまでのところ前橋市でのコロナウイルス感染者は4人、桐生市では2人。だから、この地域では感染のリスクは限りなく小さいのだが、それでもこれだけの神経を使ってしまう。クラスターがたくさん発生した東京や大阪で暮らす方々の不安は相当なものだろう、と思い知らされた1日であった。

アメリカでの死者数が6万人を超えた。一時落ち着くかに見えた新規感染者数、死者数は4月28日あたりから再び増えている。大丈夫か、アメリカ?
日本も新規感染者数は29日以降少し増えており、一時は1日に一桁台まで落ちた死者数も、29日からは2桁に戻った。落ち着くまでにはまだ時間が必要らしい。

ああ、」今日もコロナ、コロナの1日であった。