2020
05.05

漢字ナンクロというやつをやっております。

らかす日誌

相変わらず、2019年12月14日にの日誌「今日も中身の濃い韓国映画を見てしまった」へのアクセスが多い。今日などは、今現在(午後11時12分)、全アクセスの5割強がこのページである。いったい何が起きているのか?

これまで2回にわたり、このページをどうやって見つけたのか、ご存知の方は教えていただきたいとお願いしたが、残念ながら、まだ教えてくれる人はいらっしゃらない。ために、改めてお願い申し上げる。

「どこで知ったのですか?」

よろしくお願いしたい。

さて、今年のゴールデンウイークも明日で終わりである。というか、今年はずっと休みが続いているような状態だから、ゴールデンウイークだったという実感はほとんどないのだが、まあ、暦の上では明日で終わりなのだ。

ということで、ありがたい連休のような、あるいは飽きてしまった連休のような日々を、あなたはいかが潰していらっしゃるのだろうか?

私は、「別冊漢字館」という雑誌で、漢字ナンクロ、というものに取り組んでいる。
自分で買った雑誌ではない。先日ご一緒した世界的刺繍作家、大澤紀代美さんに

「大道さん、退屈しのぎにどうぞ」

といただいた、テープで封がしてある袋に入っていたのである。

自宅に戻り、袋を空けて戸惑った。私、この手のパズルに時間を潰す習慣がない。40代のころ、お絵かきロジックというパズルにはまり、細かなマス目をにらみすぎて一気に老眼が進んで雑誌を放り投げて以来、クロスワードも数独も迷路も避けてきた。
加えて、最近は漢字を忘れかけている。読めるが書けない、書くときはもっぱらパソコン頼り、という情けない状況に陥っている。原稿を手書きせず、パソコンで書く副作用だと思うのだが、その私が今更漢字?

1、2日は放っておいた。しかし、せっかくいただいたのだ。まったく白紙のままで放っておくというのは礼儀にもとるのではないか? と思い直して、出来るだけ簡単そうな問題から手をつけ始めたのであった。

しかし、とんでもないパズルである。とにかく、ヒントがない。同じように言葉を扱うとしても、クロスワードならヒントがある。しかし、これは全くのノーヒント。マス目の所々に漢字が入っており、それを頼りに熟語を入れていく。自分で漢字を書き込まねばならないマス目には番号が振ってあり、横に、番号毎に漢字を書き込む欄がある。つまり、「1」に「大」という字を入れたら、「1」が振ってあるマス目には総て「大」を入れる。その繰り返しである。

最初に立ち向かったのは「中級」とあった。つまり、中ぐらいの難しさなのだろう。一部を示すと、次のようである。


この空いたマスを漢字で埋めていく。多分、最初の言葉は「無農薬」なのだろう。そうすれば、縦に読めば「無力」になる。うん、それで間違いなかろう。
という具合に解いていく。

結局、この問題は途中で放棄したが、遊び方が少し分かれば

「ほかには解ける問題もあるのでは?」

と思ってしまうのが私の性分らしい。以来、次々と問題に挑み始めたのであった。

解けたものもある。どうしても数マス埋まらないものもある。まあ、パズルとはそのようなものだろうから、それに文句はない。だが、いくつか気になる問題点が出てきた。

1)問題は変われど、同じ熟語が使われることが多い。記憶に残るだけでも「海千山千」は数回出てきたし、「文庫本」も好まれる言葉のようである。

2)日常、ほとんど使われることがない熟語が頻出する。「一字千金」という熟語を目にされた方はどれほどおられようか? 当初、「一〇千金」と、〇の部分が分からなかった。こうつながれば、通常は「一攫千金」と入れたくなる。ところが、「2」の番号を振られた他のマスに「攫」を入れるとまるで意味をなさない。そのマスから

「ひょっとしたら、ここは『字』か?」

とも思うが、「一字千金」などという熟語を知らない私は、確信が持てない。そこでネットで「一字千金」を探すと、なんとこの言葉が熟語として存在しているのである。うーん、これ、「中級」の問題か?

ほかに、同じ問題から、私が戸惑った熟語を拾ってみる。

・板前口上
・地水火風空(水金地火木土天海、なら知ってるけど)
・値安
・裸値段(価格が服を着たり脱いだりするか?)
・式日(何の式か分からないだろ?!)
・録出(記録して何を出すんだよ)
・員内(院内総務、ってのは国会をうろついているけど)
・月露(お月さんは乾いた世界。滴がある?)
・下学上達(意味分からん)
・胆大心小
・辺海(このあたりの海、っていわれても)
・地大(土地は広いか狭いかであって、大きいか小さいかではないはず)
・日日花(なんて読むんだ?)
・子心(子どもの心、っていわれても)
・杯中(杯の中には日本酒がなみなみと入っているとは思うが)
・塔花(とうばな、って読んで、シソ科の多年草、だって。見たことも聞いたこともない!)

いや、この問題、まだ総てのマスを埋め切れたわけではないので、もっと出てくるかも知れない。
他のマスで

「ここは必ずこの漢字になる」

と確信を持って該当のマスに同じ漢字を入れたところ、こんな熟語が出来上がった。いずれも初めて目にする熟語である。

「板前さんに口上があるのか?」

「安値は知ってるけど値安って何だ?」

そう思うたびに、ネットで検索する。

「へえ、地水火風空ね。胆大心小って意味は何となく分かるけど……」

そんなことを繰り返さないと、マスが埋まらないのである。これ、パズルとして成立する? 問題作成者の

「俺、知識豊富だもんね! 浅学非才の諸君、どこまでついて来れるかな?」

という自慢たらたらを見せつけられているんじゃないのか?

とはいえ、私なんぞが知っている範囲の熟語だけならきっと問題が易しすぎて見向きもされないんだろうな、とも思う。それに、かつて記者時代にクロスワードパズルを作成したことがある私には、このようなパズルを作るのがいかに難しいかも分かる。クロスワードパズルでも、ああでもない、これもダメと言葉をひねくり回して最後のマスがうまく決まったときは、みんなで万歳したもんな。だから、このパズルを作っている人たちも、

「ここ、この漢字が使えれば完成するんだけど、こんな熟語、ある?」

なんていいながら、分厚い漢和辞典をめくって

「ああ、あるんだ! できたぞ!!」

なんて盛り上がっているんだろうな、とも想像する私である。
だから、解き進めるにつれて、問題作成者への敬意と仲間意識が盛り上がる私でもある。

同じ言葉はできるだけ繰り返したくないが、ここは「だから」から始めたい。
だから、明日もきっと、この雑誌と取っ組み合いをしてるんだろうな、と考える私である。

 

コロナウイルス、アメリカの死者数がとうとう7万人を超えた。全世界では25万3386人。群馬県でいえば前橋市がそっくりなくなったのに匹敵する数字である。大変だ。

日本ではなぜか、4日に死者数が急増して49人になった。前日までは多少の凸凹はありながら、傾向としては減少方向で3日は13人だったからやや驚きである。

今しばらく、自粛が必要らしい。
あなたも「別冊漢字館」、チャレンジしてみます?