2020
05.24

今度は「切頭四面体」だと。最初は「分からん」と答えたが……。

らかす日誌

先頃、「反四角柱」を注文してきた横浜の瑛汰が、今度は「切頭四面体」なるものを追加注文してきた。昨夜、映画鑑賞をしているさなかのことであった。画像付きの注文である。

左の画像が「切頭四面体」というものらしい。
眺めていても、いったいどんな構造をしているのやら、ちっとも想像がつかない。見れば、正六角形と正三角形の組み合わせに見えるが。なんだか全体がひしゃげているようにも見え、正六角形がいくつ使われているかの見当もつかぬ。
無理もない。私の語彙には「切頭四面体」などという言葉はない。語彙として蓄積されていないのだから、定義など知るはずがないではないか。

「ボス、これ、できる?」

今回はすげなく応対した。

「いや、これは無理そうだ」

瑛汰は

「そうだよねえ」

といったん引き下がった。私も映画鑑賞に戻った。

が、である。この「分からん」というのは、何とも精神衛生上よろしくない。ずっと頭に引っかかり続ける。はなはだ気分がよろしくない。
映画を見終わった私は、瑛汰が送付してきた写真を見ながらあれこれ考え始めた。考えて送ったショートメールが

「反六角柱なら描けそうだが」

「まず、手書きでいいから、大雑把な展開図をかいてみたら?」

の2本である。ショートメールを送って、私も大雑把な展開「予想」図を殴り書きしてみた。しかし、これを切り抜いたら写真のような図形になるか?
夜も遅く、今日に持ち越した。

ググってみると、この図形、正四面体(すべての面が正三角形になった三角錐)の各頂点をカットした物だそうだ。こんな図形を作って何が面白いのだろう?

ま、それはそれでよいとしよう。求める立体は正六角形が4つ、正三角形が4つの面を持つ。作って作れないことはないだろう、と展開図を描き始めた。

こんな物はトライ&エラーでやらねばらちがあかない。とにかく、正六角形を4つつなげてみる。どこで必要になるか分からないので、正六角形の各辺に正三角形をくっつける。組み立てる途中で不要な物はカットオフである。
そしてはさみで切り離し、組み立ててみる。

最初に組み上がったのがこちらである。実は正六角形を1つ描き忘れ、この立体には底がない。それでもまあ、

「ほほう、これが切頭四面体というものか」

程度のことはわかる。
それが分かれば、正確な展開図を描かねばならない。この出来損ないの立体を辺に沿ってはさみで切り、平らな紙に戻すのだ。そうすれば、正六角形をどのように繋ぎ、正三角形をどこに配置すればいいかが一目瞭然である。

こうして出来上がったのが冒頭の展開図である。のりしろは描いてないが、そんなもの、必要じゃないかな? と思ったところにすべてのりしろを設け、組み立てながら

「ここは要らなかった」

というヤツを切り取ればいい。現場あわせは作業の基本である。

両方の写真はショートメールで瑛汰に送った。いまごろ、自分で作り始めているのだろうと思う。

しかし、だ。こんなことをしながら

「俺って、暇なオヤジだなあ」

と思わぬこともない。いや、すでに古希を過ぎ、一昨日は71回目の誕生日を迎えた。そんな私が暇で何が悪い! という気がないわけではないが、元サラリーマンとして貧乏根性が染みついているのか、生産性がほとんど見込めない作業をしていると、なんとなく後ろめたさに近いものを感じてしまうのである。
もっとも、

「暇を持て余すより、頭の体操に励んだほうがいいに決まっているではないか!」

という開き直りの精神も私の友である。

そう、暇つぶしは瑛汰のリクエストに答える作業だけではない。日常的には、高校生になった四日市の啓樹の背中を押してやろうと、数学Ⅰ、数学Aの参考書「Focus Gold」を解き進んでいる私である。すでに半分近く進んだのだが、昔からの苦手、順列・組み合わせで躓いた。参考書の解説がすんなりとは頭に入ってくれない。

いや、これから大学を受験しようというのではない。単なる頭の体操でしかない数学の勉強である。だから、なじめない分野はすっ飛ばすこともできる。一度はそうも考えたが、しかし、躓きっぱなしは気分が悪い……。
というわけで、「Focus Gold」はいったん休止し、「大学への数学 マスター・オブ・場合の数」という別の参考書をひもとき始めた。これで苦手意識を克服てやろうという野望をもっての挑戦だが、さて、昔も苦手だった分野だからどうなることやら。

そうそう、先日、「Focus Gold」に間違いを発見してしまった。私一人の判断では、力不足で解けないのを、設問の欠陥に置き換えて糊塗するずるいヤツ、になりかねないので、東京の中高一貫校で理科を教えていた友人に確かめた。

「この問題、間違っていると思うんだけど、どう?」

との問いかけに、しばらく考えていた彼も

「確かにおかしいね」

といってくれたので、この問題、確かに間違っているはずである。

A1、A2、A3、……、A12を頂点とする正十二角形がある。この頂点のうち3点を選んで三角形を作るとき、次の個数を求めよ。
(2)互いに合同でない三角形

私の答は0である。そんな三角形は存在しない。なぜなら、3点を結んでどんな三角形を作ろうとも、3つの頂点を1つずつ右へ(あるいは左へ)ずらせば合同な三角形ができてしまう。従って、答えはゼロ。

ところが、解答は12個である。おかしい。ゼロは何倍してもゼロである。0が12になるのは数学の約束違反である。
解答をよく読んでみた。ははあ、ここがおかしい、と気がついたのは、三角形に使う頂点の1つを固定しているのである。例えば必ずA1は使う。そうすれば、確かに12個の、互いに合同ではない三角形ができる。しかし、その12個も、頂点を1つずつずらせば、あらあら不思議、あら不思議、必ず合同な三角形が現れるではないか!

おそらく条件を書き忘れたミスである。しかし、この参考書に取り組む高校生にとって、この参考書はバイブルである。バイブルに間違い、ミスがあるはずはない、と考え込む高校生がきっと出てくるのではないか?
これまで、このミスに気がついた人はいなかったのか?

次に出てきた問題も同じミスを繰り返している。

正八角形ABCDEFGHの5つの頂点から3つを選んで三角形を作るとき、互いに合同ではないものは何個あるか。

私の頭では、これもゼロである。

と書きならが、

「俺、正しい?」

とビクビクしている私でもあるのだが……。出版社から訂正要求でも来るかな? あ、こんなHPを読むほど暇な人は編集部にはいないか。

新型コロナウイルス、世界の社数は34万4550人に増えた。アメリカは9万8740人と、10万人の大台目前だ。アメリカと同じような、不可思議な頭脳構造の持ち主を大統領にいただいているブラジルが感染者数で2位に浮上、死者数はまだまだ増加傾向にある。3位のロシアも新規感染者数、死者数ともになかなか歯止めがかからない。

そんな中で、日本は明日、緊急事態宣言を解除するらしい。
上手く出口を通り抜けることができるか?

しかしなあ、だったら、マスクはいつまで着用しなければいけないのだろう?