2020
09.27

これは蕁麻疹ではないかと思って治療に取り組んでいる。

らかす日誌

身体の異変に気がついたのは金曜日の朝である。

先日書いたように、木曜日は東京まで出かけ、上野で会食をした。朝日新聞時代の先輩を交えて、仕事の打ち合わせである。会場は駅前の寿司屋さんだった。
東京で酒を飲むと、その日のうちに桐生まで帰るのは不可能である。東武鉄道の最終便は確か午後8時台なのだ。よって当日は、草加のホテルに泊まった。

金曜日、目が醒めたのは午前6時半過ぎ。前日、ホテルに戻ってベッドに横になり、いつものように読書に取りかかったが数分後、読書家を自認する私としたことが本を取り落としていた。眠気に襲われたのである。相当量の酒を飲んでしまったらしい。読んでいた本が「ロウソクの科学」という固い本だっただったこともあるかもしれないが、いずれにしてもこれでは無理に目を開けて活字を追っても頭には何も残らない。本を閉じてすぐに眠りについたから早くに目が醒めたのだろう。

かゆい。右肘の内側がかゆい。目覚めて最初に感じたのがかゆみであった。見てみると赤いブツブツが10個近く吹き出ている。

私には持病がある。毎年夏の終わりになると、身体のあちこちに同じようなブツブツができる。皮膚科医の診断によると、汗腺が何かで塞がれて出る症状とのことである。これもかゆいが、薬を付ければ数日で治る。

金曜日の朝、最初に頭に浮かんだのはこの症状った。

「毎年、律儀に顔を出すものである」

と思ったが、いやまてよ、と考え直した。あの症状なら、こんなにまとまって出てくることはない。足に1箇所とか、肩に1箇所とか、分散して顔を出すのが約束事なのだ。なのに、このまとまり方は何だ?

ふと気がつくと、顎の周りから首筋にかけても同じようなかゆみがある。

「ん? これ、ひょっとしたら蕁麻疹か?」

と思いついたのは蕁麻疹が出た過去があるからだ。確か55歳を過ぎたころのことだ。蕁麻疹にはアレルギー性のものとそうではないものがあるというが、いずれにしても、あの時はアレグラを服用したら治った。その後も数年おきに

「これは蕁麻疹ではないか?」

と思われる皮膚の症状が出るので、アレグラはいまや私の常備薬である。

ホテルで朝食を済ませ、車で桐生に帰宅した。症状は酷くなり、右肘の内側だけだった患部が左腕、腹部にも現れた。自宅に着くと直ちにアレグラを服用して様子見に入ったのはいうまでもない。様子を見ながら、

「ん? アレグラって1日何錠飲むんだっけ?」

といまさあの疑問にとらわれた。時折出る症状は1回の服用でおさらばしてくれたので、1日服用量の記憶がなかったのである。ネットで調べると、60mgを大人は1日2錠。よってその日から、朝食後、夕食後に服用している。

今日で3日目。蕁麻疹の典型は水ぶくれのようなものが多数できることだが、私の症状はやや違う。皮膚から飛び出しているのは赤いブツブツで、先が尖っている。尖った先端が水ぶくれのように白くなっているものもあることが蕁麻疹という自己診断の根拠である。当たってるかな?
一つ一つのブツブツは治まりつつありかゆみもかなり引いてきたが、今回はなかなかしつこく、姿を消すまでには至っていない。まあ、治まりつつあるから、自己診断もまんざら外れていたわけではないだろう。

しかし、なぜ急にこんな症状が現れたのか?
年波が寄ると体力が衰えて体内の毒素を排出する機能が不全となり、時にはこのような症状で身体の中の毒素を外に出そうとするのか?
それとも、いつもの夏の終わりの症状が今年はたまたままとまって出ただけか?
前夜に食べた料理に原因物質が含まれていたか? 青魚を食べたら蕁麻疹が出たので2度と口にしないという人も結構いるからなあ。

まあ、原因はよく分からない。今日も夕食後にアレグラを服用して症状が一行も早く消え去るのを願うばかりである。

明日はまた東京まで出かけ、会議である。先週木曜日の仲間とも顔を合わせる。食事が原因なら、彼らにも症状が出ている可能性がある。聞いてみよう。

まあ、食事年齢が原因なら、「年齢」という要因を持たない彼らに症状が出ているはずはないのだが……。