2020
10.25

今朝、この秋初めてストーブに点火した。

らかす日誌

今年は秋の深まりが例年より早いような気がする。まだ10月下旬というのに、昼間はそれほどでもないが、朝夕はめっきり冷えるようになった。というわけで昨日石油ストーブを引っ張り出し、今朝初めて点火した。火のぬくもりがありがたい季節の到来である。

桐生では毎年11月19,20日に、桐生西宮神社の例大祭としてえびす講が開かれる。古老は足袋をはくのも炬燵を出すのもえびす講からと言い伝えているのに、1ヶ月も前からのストーブに出番を与えてしまった。今年は冬の到来が早いのか、それとも体内のエネルギー産生が衰えて寒さが身にしむ年齢に達したか。

今日は1日、原稿を書いて過ごした。ざっと原稿用紙10枚の分量である。まだ推敲もしない下書き段階だが、1日の成果としてはまずまずか。

頭が原稿に集中していたためか、この時間(午後5時)になって

「そうか、今日はビッグ・コミックの発売日だった」

と思い当たった。コンビニまで出かけてビッグ・コミックを買うという大事な仕事を忘れていたわけだ。ビッグ・コミックは71歳の私を時代の流れに誘う大切な媒体である。漫画を読むのはややしんどくなってきたが、これを辞めたら時代においていかれるぞ、という恐怖感で購読を続けている。
まあ、明日26日はマガジンXの発売日。書店で合わせて買ってこよう。

ところで。
菅内閣が発足してしばらくたつが、皆様はどんな目で新首相をご覧になっているのだろう?
私に場合はひとこと。何となく虫が好かない

デジタル庁の新設に反対するわけではない。でも、思う。いまのお役人に、ネット社会の最悪の最先端が本当に分かるか? 私宛にスパムメールが来ることは何度か「日誌」に書いたが、安全にデジタル資産を使える社会を創るには、デジタルの世界で悪の極みを体験、それも加害者として体験してきた連中の技を活用するしかない。しかし、日本にはたいしたハッカーはいないようだし、いたとしても、そんな社会の問題児を国家公務員に採用して高額の給与を払う覚悟が菅内閣に果たしてあるのか?

携帯電話料金の引き下げも、まあ毎月払う額が安くなれば家計が助かる。しかし、これからの5G時代、国際競争力の現状を考えると、携帯電話会社の利益の一部をユーザーに安易に還元していいのか、との疑問が湧く。ドコモさんの不祥事は論外としても、アメリカはおろか、中国、韓国にもネット環境では引き離されているのが日本の現状である。携帯電話会社が設備投資にあてる資金を奪うことは、いまの時点で正しい選択なのだろうか?
単なる人気取り策に過ぎないように思うのは私の偏見か?

規制改革? 結構なことである。だが、自民党政府が規制緩和、規制改革を言い始めてからいったい何年たったのか。それでなくても、安倍内閣だって規制改革を唱えていた。その官房長官として7年以上もやってきたのにできなかった(しなかった?)規制改革が、首相になったらできるのだろうか。それとも、こと規制改革については安倍さんと意見を異にしていた?

といくつか菅内閣の公約をあげつらったが、書きながら

「なんか違う」

という感覚が抜けない。そんなことで私は虫が好かないのか?

しばらく考えた。これではないかと思うポイントが2つ見つかった。

1つ目は、日本をどんな国にしたいのかが見えないことである。
安倍内閣には、好きか嫌いかは別としてそれらしいものがあった。しかし、菅内閣から、こうありたい日本の姿を承った記憶がない。何でも本を出版された(昔書いた本の焼き直しで、しかも都合の悪い部分はカットされているそうだ)ので、その本にはひょっとしたら書いてあるのかも知れないが、そんな本を買って読むような暇人ではない。

2つ目は、安倍内閣から引き継ぐ、言葉の曖昧さである。質問に正面から答えない。論点をずらし、一般論に還元し、時には

「あなたの質問に答える必要はない」

と突き放す(一度紹介した「i—新聞記者ドキュメント—」というドキュメント映画をご覧いただきたい。東京新聞の望月衣塑子記者への評価は別として、そう言い放つ菅官房長官が写し出されている)。
それ、嫌なんだよねえ。例えば、日本学術会議がなんぼのものかは知らない。学者に政治家以上の識見があるのか、政治家に学者以上の判断力があるのか、そんなことはどうでもいい。しかし、会議が推薦した6人の任命を内閣総理大臣として拒否した理由があるはずである。その理由を、この6人がなぜ不適格なのかを正面から国民に説明し、その判断を待つのが政治家の務めだと思うが、菅首相は曖昧な受け答えを続けるばかり。
どうやら、この

由らしむべし知らしむべからず

の態度が、私の違和感を生み出している最大の理由のようだ。

菅首相、真正面から国民に話しかけてみてはいかが? 私があなたを好きになるか大嫌いになるかはそれから判断することにする。