2021
11.05

コピーがやっと終わりました。

らかす日誌

NASへの音楽データのコピーがやっと終わった。本日未明のことである。始めたのが1日の月曜日だから、2テラ弱のコピーに、5日近くかかったことになる。当初は残り時間13日とか15日とか表示されていたから、5日弱で終わったことを喜ぶべきか。それとも、こんなに時間がかかるのかよ、と嘆くべきか。

作業の途中、あのレスキュー天使のお一人から

「NASのHDDをEXT4にフォーマットすれば、2テラ程度なら半日でコピーが終わるはず」

とアドバイスをいただいた。EXT4とは初めて目にするフォーマットで、しかもMacではそんなフォーマットは出来ない。QNAP経由でやれば可能とのことだったが、すでにコピーは半分近く終わり、残り時間も3日ほどになっていたから、今回はそのまま継続した。
次回、またまたNASのHDDを交換するようなことになった時は、実行してみようと思う。ありがとうさん、レスキュー天使!

塩野七生さんの「ローマ人の物語」の再読を始めた。今日読み始めたのはその1,「ローマは一日にて成らず」である。
手元にあるのは1992年7月出版の第1版だ。出てすぐに買い求め、直ちに読み始めたから、ほぼ30年ぶりの再読ということになる。流石に、各ページの端が黄色くなりかけている。30年とはそのような年月である。
そして、30年とは忘却に十分過ぎる年月でもある。読み始めてまず頭に浮かんだのは

「俺、この本読んだっけ?」

一字一句頭に残っていない。みごとな健忘症である。まあ、だから古い本を新しい感覚で読める。それもありがたいことなのだが……。

ロムルスとレムスの兄妹が伝説上のローマの建設者であることは、何故か私の教養の範囲内にあった。しかし、トロイ戦争で滅んだトロイ王家の1人が女神アフロディーテとの間にもうけたアイネイアスと言う人物が戦火をイタリアに逃れ、その400年後の子孫が軍神マルスとの間に作った子がロムルスとレムスの双子の兄弟であった、などとは私の記憶の何処を探しても存在しないことだった。

まあ。、しかし、これは一種の貴種流離譚である。国の興りを貴いと見られている血筋に求めて己の権力を飾り立てたわけである。日本でも、難を逃れて沖縄に渡った鎮西八郎為朝が沖縄王朝の開祖だという伝説がある。考えて見れば、皇室の祖先である神武天皇だって、九州・日向から東征を始め、大和朝廷の開祖となるのだから、一種の貴種流離譚といえるのかも知れない。

最近はストーリーでモノを売るという手法が流行る。しかし、貴種流離譚があちこちにあるということは、ストーリーの有効性は実証されてきたわけである。いまストーリーで販売拡大を図る企業は温故知新を実行しているのかも知れない。

という風に、まだ46ページしか読んでいないのに、様々なことを考えさせてくれる本である。さて、ローマはどのような運命を辿ってパックス・ロマーナを確立し、やがて東西に分裂、歴史から消え去るのか。概略の概略の概略ぐらいは何となく頭にあるが、その迷妄を突き破って古代を今に蘇らせてくれるのがいつもの塩野さんのペンである。これほど先を読むのが待ち遠しいと思わせる作家は希有だ。
この本、いまでは文庫にもなっていると思う。ローマ帝国の歴史を知ったからといって今日明日の役に立つわけではないが、知る喜びは十分以上に楽しめる。皆様も手に取られてはいかがだろう?

知る喜び、と書いたが、私の場合は知って忘れる楽しみかも知れないなあ、と書いてすぐに頭に浮かんだのでつけ加えておく。