2022
01.26

コロナ下でも律儀に働く役所があります。いいのかどうか……。

らかす日誌

明日はいよいよ、運転免許の高齢者講習である。この制度事態に「?」を持っている私だが、先日、さらなる「?」が加わった。

オミクロン株の大活躍で、群馬県でもコロナ感染者が急増中だ。県は21日、蔓延防止等重点措置の発動に踏み切った。おかげでその日から営業を休む飲み屋が多く、ために私は飲み会を1件延期した。昨日の新規感染者は973人で、ひょっとしたら今日は1000人を越えるかも知れない。
オミクロン株は感染力は強いものの、毒性は弱いと言われている。ウイルスとは、寄生先の宿主との共生を目指して変異する(宿主を殺していては、いずれはワクチンも死滅してしまう)という一般論に沿った変異である。だから、オミクロン株への感染はそれほど恐れることはいのかも知れないが、後遺症があるとの指摘もあり、やはり感染しないにこしたことはない。飲みに行けないのは不自由だが、まあ、ここは我慢のしどころだろう。オミクロン株の急拡大に歯止めがかかった欧州では、規制を緩和する動きもある。日本でも、群馬県でも、あと一時の我慢ということか。

と考えていたら、

「ん? 蔓延防止等重点措置の発動中に高齢者講習なんて開くのかな?」

と疑問が湧いた。
高齢者講習を私たちに強制するのは県の公安委員会である。これも県知事の傘下にある組織に変わりはなく、県知事が県民の行動に制限をかけているさなかに、こんなものを開くだろうか? だって、講習だろう? まず1室に複数人が閉じ込められて座学を強いられ、実技では車という密閉空間に数人が押し込められる。コロナ感染防止の観点からは、あまり嬉しくないことである。

だから、蔓延防止等重点措置が解除されるまで延期する、というのが常識なのではないか。それにしては、延期するとの知らせが来ないな? と思ったのは先週末であった。週明けを待って公安委員会に問い合わせた。

「27日に高齢者講習にこいという通知を受け取っているのですが」

「はい、どうしました?」

と電話に応えたのは、声で判断する限り、それほど年齢の高くない女性である。

「いま県は蔓延防止等重点措置を出してますよね。それでもやるんですか? 延期するという知らせは来ないんだが」

「はい、こちらは計画通りに実施します。当日、お出かけ下さい」

電話越しの会話はそれだけだった。いいのか、公安委員会? この講習会で集団感染でも発生したら、どう責任を取るんだ?

しかし、一方では県民にブレーキを強く踏むことを求めながら、自らはアクセルを踏みっぱなしにする。どうなってるんだ、群馬県庁? 部署間の連絡が不徹底で、組織がバラバラに動いているのか?

それも、である。すでに高齢者講習を受けたO氏によると、

「あんなもの、やってもしょうがないよ」

という代物らしい。
何でも、実技では1台の車に受講生3人が押し込められ、代わる代わる車を操るのだそうである。

「出来ない人がいるんだよね。一緒だった2人はS字カーブで脱輪し、その内の女性は車庫入れが出来なくて立ち往生してるんだよ。それでも不合格にはならず、免許を更新できるってんだから、あれ、いったい何のためにやるのかね?」

やっぱりそうか。参加することに意義があるのはオリンピックと同じだが、あちらは選抜された人だけが、費用は他人持ち(多分、国費)で参加し、こちらは全員が強制的に参加させられ、しかも5100円もふんだくられる
それでも、まともに運転が出来ないドライバーを見つけ出して免許を取り上げるのならまだ社会の役に立つ。S字カーブで脱輪し、バックからの車庫入れが出来ない運転不適格者も

「ご苦労様」

といわれるだけで、相変わらず免許が更新できるのなら、この講習にどんな意味がある?

明日、私はむかつきながら講習会場に向かうのである。