2022
03.10

薄毛対策が大統領選挙の公約になる国の大統領って……。

らかす日誌

お隣韓国の大統領選挙が決着した。
ひとまずは、

「反日を扇動するだけでは国際社会の変化に立ち向かえない。世界で中心的な役割を担う国になるには、みずからが強くなるべきだ」

と主張して対日関係の改善を打ち出した野党候補、尹錫悦(ユンソクヨル)氏が当選してホッとした。相変わらず反日を煽ることで支持を集めようとした李在明(イジェミョン)候補が当選していたら、またまた日韓関係に空白の5年間ができるところだった。

極東と呼ばれるこの地域では、訳が分からない政策を推し進める北朝鮮、ならず者国家と呼んでもいいのではないかと思えるほど武力による覇権確立を目指す中国、と問題は山積みである。日韓がいたずらに対立を続けているゆとりはない。やっと戻ってきた韓国を歓迎したい。

それにしても、である。
投票結果は

尹錫悦:48.56%
李在明:47.83%

大接戦である。野党が最終局面で候補を一本化してもこの結果ということは、いまだに反日を是とする有権者が半数近くいることになる。韓国、恐るべし。

しかし、おかしな選挙戦ではあった。公約とは、実行されるかどうか分からない、選挙期間中に限った人気取りのための空約束、ともいえるから、個々の公約について評価しようとは思わない。対日関係改善を公約しても、国内が騒がしくなれば尹錫悦氏だって反日に舵を切ることだってありうるからである。
だが、1つだけ大いに笑わせてくれた「公約」があった。与党候補李在明氏が掲げた

薄毛対策

である。

「私が当選の暁には、薄毛の治療に保険を適用する」

とこの候補は満天下に約束されたのだ。
度肝を抜かれた、というのはこんなことをいうのだろう。おい、これは大統領選挙だぞ。国の安全を守り、国民の生命と財産を守るのが、縮めていえば大統領の仕事である。そこに薄毛対策……。そんなもん、大統領がやることか?

加えてだ。私の知る範囲内では、はげ、薄毛を治療する手法はいまだに見いだされていないはずである。かつて

「毛がふさふさになる」

と話題沸騰した中国の発毛剤があった。輸入はままならなかったのだろう、頭に毛のないおっさんたちがゾロゾロとツアーを組んで中国「増毛」旅行に出かけた時代があった。

「いやあ、使ってみたんだけど、毛が増えないんだ」

「そりゃあお前、偽物をつかまされたんじゃないか?」

などという会話が、私の近くでも交わされていた。
あれから何年たったのか? 中国4000年のハゲ治療薬のことは話題に上らない。勿論、「増毛」中国ツアーなんて絶えて久しい。ということは、だ。偽物をつかまされたと馬鹿にされていた彼も、きっと本物を使っていたのだろう。使ったけど、毛は増えない。だから、いつしか薬液の名前すら忘れ去られているのではないか?

カツラのアートネイチャーが、増毛1100本9900円、などというテレビCMをいまだに繰り返しているのは、毛が増えるという触れ込みのシャンプーも薬液も、思ったほどの効果をあげていないからだろう。皮膚科に行けば頭の毛がゾロゾロ生える薬を処方してくれるのなら、あんなCMが生まれるはずはないのだから。

ネットで調べると、効果が確認されている育毛剤、薄毛治療薬は2つだけだという。「ミノキジル」(商品名は「ロゲイン」「リアップ」)と「フィナステリド」(商品名「プロペシア」)である。ただ、「ミノキジル」は頭頂部への効果はあるが、前頭部、生え際では目立った効果はない。「フィナステリド」は脱毛防止効果はあるが、増毛効果となると「?」である。しかも、女性は使えない。

2つの治療薬では駄目だとなると、人工の毛を頭皮に移植するか、毛の多い部分から自分の毛を抜き取って薄い部分に移植する手術しかない。どちらも大変に高額である上、人工毛では免疫システムが拒絶反応を示すことがある。自分の毛ならその問題は起きないが、全体に薄くなっていたら取る毛がなくてお手上げである。
さて、李在明氏はどのような治療を頭に置いて治療への保険適用を公約されたのだろう? 韓国社会では日本以上に薄毛、はげが差別の対象になるため、若者層を取り込むための公約だったとか。私に言わせれば、薄毛、はげは笑ってやるのが限度。それを理由に就職、結婚などで不公平な取り扱いを受けるとすれば、そちらを是正する方が先ではないか?
頭髪に悩みを持つ層の支持を取り付けたかったら、頭を丸めて街頭に立たれれば、ひょっとしたら支持層が増えたかも、と私は思ったりするのである。

で、こんな候補者が47.83%もの支持を集める。韓国、恐るべし。

さて、次の大統領が決まったことで、現職の文在寅大統領はレイムダックとなった。次の関心は

「文在寅も逮捕、収監されるか?」

である。
前検事総長の尹錫悦氏は、

(ごみ掃除を)やる。やらなきゃいけない」

と断言している。何しろ、文政権の法相を逮捕して政権と対立、ついには検事総長の椅子から追われた実績を持つ尹錫悦氏である。この言葉に嘘はあるまい。革新を標榜する韓国の与党には、何となく利権あさりの臭いが染みついているから、ネタはあるのだろう。

とすると、これで逮捕、収監される前大統領は何人目になるのか?

それにしても、である。大統領になると、任期が終われば逮捕、収監されるのがほぼ約束事となった韓国である。それでも大統領選挙に立候補する人がいて、当選すれば利権を漁る。彼らは歴史に学ばないのか?

韓国はお剃る激国であると同時に不思議の国もである。