2022
09.01

コロナワクチン4回目をどうする? 突然、夏風邪にかかった話。

らかす日誌

9月になった。桐生の今日の最高気温は30℃。明日は24℃、土曜日は27℃の予報である。これから毎日のように雨が降るらしい。降り注いだ雨が大地に染み込み、夏の間にたまった熱気を冷ましていく。秋晴れはしばらくお預けだが、桐生は秋である。歓迎する。

その9月、最初の大きな予定がコロナワクチンの4回目接種だった。2週間ほど前に開業医に予約を入れ、明日2日午後3時に接種を受けることになっていた。

いや、待てよ、と思い始めたのは数日前のことである。何でも、いま感染が拡大しているBA5に特化したワクチンの接種が10月に始まる予定だったが、それを9月に繰り上げると政府が言い出した。9月? ということはもうしばらく待てば、新しいワクチンの接種を受けることができるのか?

今や巷には、コロナワクチンが開発された頃のウイルスは存在しないだろう。オミクロン株だってほとんどいないはずで、であれば、これまで3回接種したのと同じワクチンを打っても、さて、効果はどれほど期待できるのか?

周りを見渡せば、大澤紀代美さんは4回目接種を受けた直後にコロナに感染した。幸いたいしたことはなく、すでにギャラリーへの出勤を始めているが、ということは、いま行われている4回目接種は、感染したときの症状は軽くなるかも知れないが、感染自体を防ぐ効果は余り期待できないのではないか?

こんな時に便利なのは水先案内人である。例のO氏は、これまで3回の接種で、常に私の一歩先を歩んでいた。であれば、彼も4回目接種を促す知らせを、私より先に受け取ったはずである。彼はどうした?

電話をした。

「俺さ、明日4回目接種なんだわ。これまで3回は副反応はなかったけど、4回目もないという保証はない。だから、3日にえびす講の飲み会があるけど、副反応が出たら行けなくなるから、よろしく。ところで、あなたは4回目接種は受けたの?」

会合に出られなくなるおそれがあることを知らせるのにこと寄せて、彼の判断を聞いてみようと思ったのである。

「え、4回目? パスさ。だって、月内にBA5ワクチンが始まるだろ? いま接種したって意味ないじゃない。パス、パス」

ほう、O氏はパスしたか。しかし私は、すでに接種の予約を入れた身である。今さらトンズラするわけにも行くまい。まあ、明日病院に出向いて、さて、いま4回目接種を受けた方がいいのか、それともBA5向けがやって来るまで待つのが正解か、専門家である意思の話を聞いてみて決めるか……。

「大丈夫だよ。夏風邪を引いちゃえばいいんさ。風邪引いて体調が悪いからキャンセルしたいって電話でいえばいいって」

なるほど、そんな手があったか。O氏は私の5、6倍は悪知恵が働く貴重な人材である。その悪知恵を使わない手はない。

というわけで、私は本日昼前、突然に夏風邪に襲われた。

「済みません。コロナワクチンの予約を明日入れていたんですが、鼻水が止まらなくて。夏風邪を引いたらしいので、明日はキャンセルしたいのですが……」

電話口で鼻水をすする演技をしようと思ったが、残念なことにどうやっても鼻水が出て来ない。出て来ない鼻水をすすり上げるのは無理である。一流の役者ならその程度の演技は朝飯前かも知れないが、とすれば、私は3流の大根役者か。

己の演技能力に関する苦い現実と向き合いながら、電話をoffにした私であった。

ところで、コロナを発症すると、やっぱりかなりの後遺症が出るようである。
8月21日に発症した友人がいたことはすでに書いた。その彼が退院した。でも、なのである。

「最高で40.4度まで出た熱は36度後半程度に戻りましたが、喉の痛みと肺に何かが詰まっている感じが残っています」

やっぱり、できるだけ感染防止に努めた方がいいようである。となると、4回目接種を延期したのはなんだか矛盾するようではあるが……。
ま、人間とは矛盾の固まりである。私に存在する数多くの矛盾の1つが、たまたま表面化しただけなのだと割り切る私であった。。