2023
02.16

励ましのメールを頂きました。感謝!

らかす日誌

3日前、全く存じ上げない方から、励ましのメールを頂いた。自らもがんとの闘病経験をお持ちで、「タケチャン」という方である。ご本人の了解を頂いたので、全文をご紹介する。

「いつも楽しく拝読しております。
がんと糖尿病について私の経験が、ご参考になればと思います。
10年ほど前のこと、前縦隔のがんが見つかり、握りこぶし大のがん細胞摘出手術を受けました。
その際、6~7年ほったらかしの糖尿病があるので手術不可能と言われ、患者が多すぎてすぐ対処できないと言われつつも、それでは間に合わないと同じ病院内で手配、数日後、診察時に今からインスリン注射をうて、と。
入院も100人待ちでいつ入院出来るかと言われたところ運よく大みそかに入院、手術前にインスリンは3週間ほどで停止、手術後、様子見で薬を処方というも、結局薬は処方されず。
入院前からコメとパンを減らし、退院後はそれを徹底、数か月で、高血糖、高脂血、高血圧をすべて改善、がんは私の場合特殊細胞につき通常5年のところ10年見ると言われ、現在に至ります。
幸い転移もなく安心したのか、8年過ぎたところで医師は本音を漏らしました。細胞は最悪の種類、転移していたら放射線と抗がん剤で治療することになっていたが、そうなっていたらあなたは間違いなく生きていない、と。
あまりにうまく改善したため、調子に乗ってまた食事が乱れ、ここの所糖尿病の境界をうろついており、前立腺もPSA3くらいで、頻尿ですが、医師は何も言いません。
糖質制限については、今や反対説だった医師たちもほぼ同意、治療結果で成果を上げています。
代替療法については、日本癌コントロール協会が毎年催すがんコンベンションで、最先端の医療情報が得られます。
長々と失礼いたしました。何かの参考になれば幸いです。
突然の書き込みご容赦ください」

聞き慣れない「前縦隔」とは、左右の肺に囲まれた空間の前の方のことらしい。「縦隔」には心臓、大血管、気管気管支、食道、胸腺などの臓器がある。私の前立腺がんに比べれば、はるかに重篤ながんだと推察される。
そのがんが、摘出手術と糖質制限でコントロール下にある。米もパンも麺類も避ける糖質制限食の効果の実例である。

そうか。やっぱり糖質制限には効き目があるのか。嬉しくなった私は、すぐに返事を書いた。

「ご親切なメール、ありがとうございました。私のがんをご心配下さり、感謝に堪えません。
『らかす』でがん日記のようなものを書き始めたのは、1つにはネタ不足対策(文章を書く人間は、常にネタ不足を悩みます)対策もありますが、せっかくがんになっただから、この体験を広く知ってもらおうと思ってのことです。いまやなくなった高齢男性の5割(人に寄れば8割とも)に前立腺がんが見つかるといわれています。だとすれば、多くの人がこのがんにすでに出会い、あるいはこれから出会うことになります。その時、私の体験が少しでも役に立てば、と考えました。
何も知らなかったら、恐らく今頃は重粒子線での治療に取りかかっていたと思います。ところが、桐生えびす講で知り合った知人に高崎のS院長を紹介され、糖質制限を勧められました。たくさんの医療エッセイとも呼ぶべき文書を送っていただき、糖質制限の意味を理解し始めて実践に移しているところです。
しかし、これは難しいですね。もともとパン類は好きではないのでパンを断つことは簡単ですが、米を減らすのが至難の技です。晩酌をしながらの夕食も、酒が終われば締めにご飯を食べたくなります。それでも、ご飯の量はそれまでの半分ほどに減らしてはいますが、さて、これだけで有効な糖質制限になっているのかどうか。
ご親切に甘えるようで申しわけありませんが、タケチャンは朝昼夜、どのようなメニューで糖質制限をされたのでしょう? ご教示いただければ幸いです。S院長に同じ質問をしたところ、
『肉をたくさん入れた肉野菜炒め』
との回答がありました。しかし、朝から肉野菜炒めといのも、というのが正直な感想で、なかなか実行できません。妻は新しいメニュー体系への移行に戸惑っているようです。
『らかす』にも書きましたが、私は青嵩、びわの種の粉末、重曹の服用を続けています。これもS院長の薦めです。お役に立てば幸いです。
『がん友』として、これからも「らかす」をよろしくお願いします」

さて、この時は「これは難しい」と書いた私の糖質制限だが、その後多少進んだ。ここ2日ほど、米もパンも麺類も食べない暮らしをしている。やってみるまでは

『主食を食べないと、腹が減って仕方がないのでは?」

と懸念したが、意外なことにさほどの空腹感はない。

昨日、S院長も勧めておられる「ブランパン」(小麦や大麦のふすまから作られるパン)を買って来た。コンビニのローソンに置いてある。なるほど、コンビニに糖質制限用のパンが置いてある、つまり金儲けの種になっているということは、糖質制限に取り組む人はそれなりにいるらしい。

しかし、ふすまから作ったパンである。パサパサして食えないんじゃないの? と思いながら食べてみた。意外に、まずくない。普通のパンと同程度に食べることができる。そして、少し甘い。

成分表を見てみた。1個のパンに糖質は2gとある。それに蜂蜜も入っているようだ。この甘さは蜂蜜か。

昨日の夕食にこのブランパンを1個。今朝の食事で1個。ブランパンは4個入りだから、まだ2個残っている。

糖質制限に本格的に取り組み始めて以来、

「さあ、これで出っ張った腹もへこみ始めるはずだ!」

と期待しているのだが、まだその兆候は見えない。たった2日ではダメか。長期戦になるらしい。が、ご飯を食べない分、体重は確実に減り始めているはずである。

大道、73歳にして、AY7のスーツを着ていた30歳の体型に戻る!

と快哉を叫ぶにはどれほどの時間が必要なのだろうか?