05.08
2008年5月8日 戦闘開始
【動く】
4月26日土曜日。今年のゴールデンウイークの幕が開いた。私は、帰省に、旅行に、行楽にとうつつを抜かす凡百の者どもとは一線を引いた。私にとってのこの日は、本棚作り作業開始の日である。
いつものように愛犬「リン」の散歩を済まし、朝刊にざっと目を通し、社説をやや丹念に読み、朝食を取り、歯を磨いて身だしなみを整えた。それでも、材料、道具を買いそろえる「島忠」の開店は午前10時だから、まだ2時間ほどの時間がある。
この2時間は貴重な時間である。すでにして戦闘モードに入った私には暇な時間はないのだ。設計図を描き、買いそろえるべき材料、道具を洗い出す。2時間あればできる。はずだ。
下の図が、壁一面の本棚を設置しようという壁である。
柱と柱に囲まれた、台形をごろりと右に転がしたような壁である。天井裏がないため、天井は屋根の形状に従って傾斜しているからだ。
この部屋にメジャーを持ち込み、採寸した。
柱と柱の間隔は2m70cm、
天井の高い方が3m30cm、
天井の低い方が2m30cm、
である。
しかし、エアコンの室内機があるため、この壁すべてを本棚にするわけにはいかない。
寸法を採りながら考えた。さて、側板は何枚にしたらよかろう?
両端には1枚ずついる。真ん中にもう1枚加えるだけで済ますと、本を乗せる棚板は1m30cmほどの長さになる。これには問題点が2つある。
そんなに長い棚板が、本の重みに耐えうるか?
1×4材の長さは1m80cm強。1m30cmの棚板では大量の歯切れが出る。無駄だ。
そこで、側板をもう一枚増やし、4枚にすることにした。これだと棚板の長さは90cmほどだから本の重みにも耐えるであろう。加えて、最大の利点は1×4材の加工で、歯切れがほとんど出ないことである。
これしかない。
側板の長さは、左端が最大で3m30cm、その隣は3m程度だろうか。計算をすれば正確な数字が出せるのだろうが、あれっ、どうやって計算するんだっけ? ちょいと考えれば分かるはずだが……。中学程度の数学と思うのだが……。えーい、時間がない!
なーに、木工というのは現場あわせである。概ねでなんとかなる。
(計算)
さて、暇になったので正確な数字を計算してみた。求める数字をXとすると、
X=1.0×1.8÷2.7+2.3=2.95
いかがだろう。3m程度とは、なかなか味のある数字ではないか。
右端とその隣はエアコンの室内機があるので1.8mあたりでよかろう。2×4材で最も割安なのは、長さ6フィート=180cm強のものである。コストの上からもこれにする。
ということで必要な材木を算出した。
左端の側板用=12フィート:2本
その隣の側板=10フィート:2本
右2つの側板= 6フィート:4本
そうである。構造用棚板にも2書ける材を使う。長さ90cmの構造用棚板が6枚いるから、
6フィート:6本
忘れてはいけないのが、幅89mmの板を使って幅27cmの側板、構造用棚板を作るためのつなぎである。これはどれくらいの間隔で入れるか決めていないが、まあ、3本あれば足りるだろう。
これで6フィート材は13本になる。
本を乗せる棚板は、1×4材を3枚つないで作る。ということは、6フィートの1×4材3枚で、棚板が2枚できる。さて、棚板は何枚必要になるのだろう? 棚板の間隔は、どれぐらいにすればいいだろう?
おっと。もう出かける時間だ。えーい、目分量で棚板は20枚ということにしておこう。少し余裕を見て35枚買ってくるか。足りなければ、また買いに行けば済む。
必要物資はまだある。
ドリルを垂直に降ろすための補助具:確かそんなものがあったよなあ
ダボ用の穴を開けるドリルの刃
棚受け金具の穴を開けるためのドリルの刃
ダボ:何本いるんだ?
棚受け金具:棚板が20枚なら80個必要だ
ニス
ニス用の刷毛
表面を仕上げるためのサンドペーパー
ボンド
そんなもので済むかなあ……。と思いながら手書きの設計図の隅に、必要な材料、道具をメモした。
私は車に飛び乗った。
この項、続く。