07.20
2009年7月20日 納得
瑛汰に牛馬のごとく使役されるだけの時間になるのは分かり切っているのに、どうして暑さを押してわざわざ出かけるのだろう?
土曜日横浜に戻り、今日、桐生に引き上げてきた。2泊3日で牛馬の日々を堪能してきた。
「いや、今回は牛馬になっただけではない。『秀吉の枷』の下巻を読んだし、勢いがついて、積ん読になっていた『冤罪を追え』も、『左手の証明』も読んだ。知的にも暮らした日々だったのである」
と声高に主張してみたい気がないわけではないが、所詮、瑛汰の昼寝の時間と、瑛汰が寝たあと、何もすることがない夜に読んだに過ぎない。牛馬の負け惜しみに過ぎない。
というわけで、
「3連休なんだから、日誌ぐらい頻繁に更新されているはず」
と期待を持って「らかす」にアクセスされたに違いないほんの少数の愛読者のご期待を裏切ることになってしまった。申し訳ない。
でも、である。
何が「でも」なのかは判然としないが、最近納得したことが2つある。今日はそんな話である。
納得その1
18日の朝日新聞の政治コラム「政態拝見」。編集委員の峰久和哲氏の文章には納得した。衆議院解散のタイミングを逃し続け、とうとう最悪のタイミングでの解散に打って出てしまった、と悪評さくさくの麻生総理に、解散の好機など一度もなかった、といいう中身である。
それによると、自民党選対は2003年に自動世論調査マシンを導入したとある。自動的に電話をかけ、録音された女性の声でアンケートの質問を読み上げてプッシュホンのボタンで選択してもらう、という仕組みである。我が家には一度もかかってきたことがないから詳しいことは分からないが、これは世論の動向を知るのにはなはだ便利な機械のだそうだ。
それによると、今から振り返ってみれば、麻生内閣の支持が最も高かったのは就任直後の調査。それでも、自民党の獲得議席は170~180。惨敗である。
この結果を見て、
「こんな時期に解散などできるものではない。よーし、俺の国民的人気で支持率を上げてみせる」
と麻生総理が力んだとしても不思議ではない。
ところが、その後は調査を何度やっても、自民党の獲得議席数は下がる一方。今度こそ、今度こそ、と解散のタイミングを計っているうちに、とうとう今になってしまった、というのだ。
麻生さん、可哀想!
なんでも、潮目が変わったのは安倍元首相が郵政造反組の復党を認めた2006年12月で、それ以降は自民党が優位だという数字は出ていないのだそうだ。そうか、自民党を壊したのは、あのボンボン2世議員であったか。
これじゃあ、解散に打って出る好機は、確かになかったわなあ。
で、2つめの納得。
7月21日の解散を麻生首相が決めて以来、
「こんなくそ暑いときに、選挙みたいな暑苦しいしいことをやってくれるなよ!」
という怒りに駆られて、今回の解散に名前を付けてやれ、と頭をひねってきた。何しろ、麻生首相のおじいちゃんは、バカヤロー解散で歴史に名を残した故吉田茂氏である。だったら、孫が伝家の宝刀を抜くのにも名前がなくては様にならない。
やけっぱち解散=そんなに俺が嫌い? 俺、首相だよ。権力あるんだよ。解散しちゃお!
やっちまえ解散=自民党が負ける? 知ったことか! 権限は粛々と行使します。
ざまあ見ろ解散=そんなにいじめるんなら解散しちゃうもんね。あんた、当選できる?
いや、どれもこれも、おじいちゃんのバカヤロー解散の迫力には及ばない。私にはコピーライターの才能はない。
と思いながら今日、週刊朝日を読んだ。
「これだ!」
と思わず膝をたたいた。
おじいちゃんのバカヤロー解散にたいして、お孫さんはバカタロー解散。
万人が納得できるネーミングである。
明日、衆議院、バカタロー解散へ。暑い夏が、さらに暑くなる……。