02.10
2010年2月8日 方針変更
といっても、大げさな話しではない。
散歩の仕方を変える。それだけのことである。
昨日、あれだけ積もった雪がその日のうちにすっかり姿を消し、町はまた土色に戻った。それだけなく、気温も上がり気味で、明日からはさらに温かくなるという予報である。
春が近い。どこか心はずむ季節ではある。が、私にとっては憂鬱な季節でもある。
私は汗かきである。桐生の厳しい冷え込みの中でも、強めに歩くと15分で全身が温まり、20分も歩くと汗が出始める。40分歩くと下着はしっとり濡れ、額やうなじからは汗がしたたり落ちる。
外気温が零度前後でもそうなのである、これが5℃、10℃と上がるとどうなる? 強めの運動をしたあとは、全身濡れ鼠になる。そのままは仕事にならない。汗がひくまで数10分を待ち、シャワーを浴びて衣服を取り替えなければ他人様の前に出られる状態には戻らない。
私のような体質には、暖かさは困りものなのだ。
春の訪れが感じられ始めた今日、考えた。
高血圧対策で始めた早歩き散歩ではある。だが、己の体質を考えると、平日に速歩をやっていたのでは、仕事に使える時間が激減するのは目に見えている。まあ、たいして忙しくもない仕事なので、それはそれでいいという判断もできる。しかし、年に1度起きるか起きないかの緊急事態に、
「汗がひかないので対応できない」
では、ちとかっこが悪い。
そもそもが1年契約の弱い立場である。そんなことが積み重なれば、翌年度の契約更新を会社に拒否されることだってあり得ないことではない。
「強めの散歩、早歩きは休日だけにしよう」
今朝の外気温を肌ではかりながら、そう決断した。平日にもできるだけ散歩はする。が、ゆっくり目に歩こう。できるだけ汗をかかない歩き方をしよう。
その分、休日は強めの散歩をする。
今朝から始めた。
市役所に車を止め、普通の歩調で外に出る。市役所から本町通を越えて次の角を左折、北上しながらできるだけ大通りを避け、細い路地を縫うように歩いた。
歩きながら、町を見る。中心街にも、廃屋と呼ぶしかない人気のない住居が目につく。壁は朽ち落ち、根本から折れたテレビアンテナが屋根から垂れ下がる。庭の雑草は伸び放題だ。あ、こちらにも同じような家がある。この家も……。
残念ながら、これが桐生の現状である。町の経済力が衰えるとは、こんな風景が町を蝕んでいくことなのだろう。桐生の人口は、この1年間で1300人ほど減った。人が減れば必要な住居も減る。廃屋は、さらに広がって行く。
どうやって止めればいいのか?
そもそも、止めることができるのか?
「俺が止めてみせる」
「俺たちなら止めることができる」
そんな人たちに早く出会いたいと思っているのだが。
今日は1時間ほど歩いた。あまり汗はかかず、だが、歩いた気分にはなれる。悪くない。
さて、明日はどんなルートを歩こう?
歩きながら、何を思おう?