10.21
2010年10月21日 検察と毎日新聞
倒産寸前といわれて久しい毎日新聞の社会面を今朝、破っておいた。
いや、「寸前」が「現実」になったときの記念にしようというのではない。この日誌にのネタにするためである。
その記事は、
「佐賀元副部長 執務記録に『辞職覚悟』」
と見出しにあった。例の証拠改ざん事件で逮捕された元特捜部副部長が、自分と前特捜部長が
「一度は辞職を覚悟した」
という趣旨を、執務記録に書いていたのだという。逮捕、起訴までされながら、知らぬ存ぜぬを貫き通している元副部長が、改ざんを知っていた証拠である、ということらしい。
おいおい、倒産寸前の新聞社さんよ。あんたも反省がないねえ。それでいいのかい?
この情報、
「関係者への取材で分かった」
とある。
あのさ、これ、書いてあったというのは、元副部長の執務記録だよね。ということは、この情報を倒産寸前の毎日新聞の記者に教えた人物は、この執務記録を見ることができたわけだ。
関係者、って誰?
おまけに、だ、この元副部長、すでに逮捕され、今日起訴された。ということは、この執務記録は捜査にあたっている最高検が、証拠として押収しているはずではないか。いわば、最高検の機密に属する情報である。
関係者、って誰?
頭隠して尻隠さず、というのはこのようなときに最適の表現だ。ね、頭のいい読者なら、もう想像はつくはずである。
この事件を調べている最高検の誰かしかいないはずだよね。しかも、中身を読むと、
「という記述もあったという」
つまり、倒産寸前の毎日新聞の記者は、この執務記録を見ていない。倒産寸前の毎日新聞は、最高検がリークした情報を垂れ流しているのである。
あのさ、倒産寸前の毎日新聞の記者さんよ。あんたは、反省という言葉を知らないのか? 今回の事件の問題はどこにあるのか、考えてみたことはないのか?
もちろん、事件そのものは大阪地検特捜部による事件のねつ造が焦点である。
だが、それと同時に、世論を自分の都合のいい方向に誘導しようという捜査当局のリークに載って騒ぎまくったマスメディアの責任も問われていることを忘れているのではないか?
厚生省の村木元局長を逮捕したのは、確かに大阪高検特捜部である。だが、その大阪地検特捜部のリーク情報を垂れ流し、村木元局長に「悪人」のレッテルを貼り付けて社会的抹殺を図ったのは、ほかでもない、倒産寸前の毎日新聞をはじめとするマスメディアではなかったか?
無論、事件をでっち上げた検事たちの責任は問われなければならない。だが、同時に、競って検察の露払いを務めたマスメディアの振る舞いにも、世の中の厳しい目が注がれている、とは、倒産寸前の毎日新聞の記者さんは考えないのか?
さて、ここまではご了解いただけたとして話を進める。
いいかい、今日の記事は、全く構造が同じなのだよ。
いま、この事件の捜査をしているのは最高検である。その最高検がこの情報をリークした。ま、リークされるまではそれなりの努力をしたのだろう。
だが、今回の事件でマスメディアが肝に銘じなければならなかったのは、捜査当局は自分の都合のいいようにリークする、ということではなかったのか?
ねえ、リークされた情報が、ひょっとしたら最高検のねつ造ではないのか? と少しは考えてみた? もし考えたら、
「それは重大な話なので、執務記録の記載を確認したい」
と要求したか? あるいは
「コピーが欲しい」
と求めたか?
どちらもやってはいないだろう。もし、やっていたら、
「という記述もあったという」
などというへなちょこな書き方はしない。
倒産寸前の毎日新聞の記者さんは、相変わらず捜査当局のリーク情報を垂れ流している。
いま、実行犯の前田はいろいろしゃべっているらしい(ま、これも最高検のリークではあるが)が、元上司の2人は、頑強に否認している。
「最高検の書いたシナリオには絶対に乗らない」
と力んでいるという情報もある。
自分たちの書いたシナリオに多くに被疑者を乗せてきたくせに、と思わないでもない。が、そこまで強く否定するのなら、ひょっとしたら冤罪である公算だって残されている。つまり、一刻も早く臭いものに蓋をしたい最高検が、とりあえずこの2人にすべてをおっかぶせ、責任が上に達するのを避けて一件落着を図る構図を描いているかも知れない。
な、最高検だっていまや信用できないのよ。そんなこと、考えてみなかった?
反省だけなら猿でもできる。
反省すらしない倒産寸前の毎日新聞は、猿より遙かに劣る頭脳しか持ち合わせていない。
ま、倒産寸前だから読んでいる人はそれほど多くはなく、実害は少ないと思うけどね。