2011
10.04

2011年10月4日 歌えぬ

らかす日誌

風邪が酷くなった。
鼻水が出る。痰が絡む、くしゃみが止まらない。喉が痛む。
本日夕刻から、ギターの練習をした。Tears in Heaven。声が出ない。Layla。音程まで狂う。You`ve got a friendまで練習の幅を広げながら、弾き語りを志す私である。歌えないのではお話にならない。

熱があるのかどうか、測っていないから何ともいえぬ。が、頭がボーッとしているのは確かである。ま、常日頃からボーッとしているから、私の社会生活にそれほどの影響はない。影響があるとすれば、

「いかぬ。これは体を大事にするしかない」

と思い定めて、いつにもまして仕事をさぼっているだけである。午前中、1件だけ仕事をこなし、ソファで横たわる。昼食後はリクライニングチェアでうたた寝して、1件だけ仕事をこなす。夕方、1時間ほどギターを練習する。
? 本当に病気なのか?

1週間ほど前に「かぜの科学」(ジェニファー アッカーマン著、早川書房)という本を読んだ。これほど早く自分で風邪をひくとは思わないままに、である。

それによると、風邪を引き起こすのはウイルスである。細菌よりはるかに小さく、細胞を持っていない。ために、生物なのか、生物ではないのか、の境界線上にあるのがウイルスらしい。それが人間の体内に入り、風邪を引き起こす。

風邪には抗生物質は効かない。抗生物質は細菌の細胞膜を攻撃することで細菌を殺す。だから、細胞を持たないウイルスにはまったく効き目がない、というのは、この本で知った。
風邪をひいて医者に行くと、抗生物質をくれることがおおいよなあ。お医者さん、勉強してる?

この本には、風邪を引き起こすウイルスは約400種類あるなど、知らなかったことが沢山書いてあった。中でも驚いたのは、風邪の感染経路である。

人は、鼻と目から風邪に感染する、

のだそうだ。

人に感染した風邪ウイルスは、鼻の粘膜と喉の粘膜で増殖する。それが咳やくしゃみなどで体外に出て新たな感染先を探すのだが、空気感染はほとんどしない。体外に出た風邪ウイルスは、机の天板やドアの取っ手、パソコンのキーボードなどに付着する。意外と生命力が強く(生きものがどうかがはっきりしないのに、生命力というのもどうかと思うが)、数時間後でも生きている。ウイルスが生きているドアノブなどに触るとその手に移り、その手で鼻をこすったり目をこすったりすると、そこから感染する。

まあ、風邪でボーッとした頭で書いているから、ここに書いた内容がどこまで正確であるかは保証しないが、確かそんなことだったと記憶する。

ということは、風邪をひいた、若く、見目麗しく、セクシーな女性とディープキスをしても風邪はうつらないということである。
人生は積極的に生きねばならぬ。風邪ぐらいで積極性を引っ込めては男が廃る。

 

「まだ風邪ひいてんの?」

くしゃみをしたら、突然いわれた。我が家の妻女殿は、私の病に冷たい。

「風邪ってさ、誰かに移すと治るっていうから、誰かにうつしてきたら?」

極めて非科学的な勧めではあるが、意味するところは判る。判って、

「さて、誰と熱いベーゼを交わすことにしよう?」

と考えながら、その相手のあてがない。残念至極である。

いかがであろう。風邪はおおむね1週間続くと、その本にあった。だとすれば、今週いっぱい、私は風邪である。その間に、

「私にうつして!」

と申し出てくれる、若くて美しい女性はいないか?

「私、ボランティアしちゃう!」

というあなた。写真を添えたメールをいただければ、即座に回答し、多少遠くても駆けつけることをお約束する。

しかし、風邪が鼻と目から感染するとすれば、申し出ていただいた女性の鼻と目にキスの雨を降らせることになるが……。
それって、ラブシーンとして美しいか?

今日も早めに寝ることにする。

鼻と目にキスの雨が欲しい方は、一刻も早く、「問い合わせ」をクリックしてその旨のメールをお送りいただきたい。