2013
12.11

2013年12月11日 忘年会を終えて

らかす日誌

忘年会に出席してきた。
といって胸を張るほどのこともない。
とにかく、酒を飲んで叫んできた。

そうそう、例のプレゼント交換である。
私に当たったのは、群馬県のゆるキャラ、「ぐんまちゃん」の帽子とプラスチック製のカップであった。

私、このゆるキャラというやつが、心から嫌いである。大事な税金を使って、何故にあのような不細工なものを作り、税金を使って自治体職員が寄り集まってコンテストなどせねばならぬのか。それが、地方自治、あるいはオラが国の未来と、どのような関わりがあるのか。

ゆるキャラを基軸に県民、市民を結集させようというのなら、なんのことはない、日本国旗に託された使命と同じである。だが、白地に赤を描いた国旗と比べて、ゆるキャラのデザイン的不具合は目も当てられぬ。
ゆるキャラで町おこし? 冗談もほどほどにして欲しい。何の取り柄もない自治体は、ゆるキャラ人気が沸騰したところで何の取り柄もないことに変わりはない。

ゆるキャラブームを引っ張っているのは、熊本県の「くまモン」である。たしかに、世にくまモングッズが横行し、どう見ても頭の緩い女どもが

「可愛い!」

などと、己の語彙の少なさを恥じることもなく黄色い声で口走って財布の紐を緩めているのは、私も承知している。その経済効果が数百億円にも上っているといわれるが、さて、このブームがいつまで続くのか。闘い済んで日が暮れたとき、熊本県には売れ残りのくまモングッズが溢れかえっているのではないか。

より根源的にいえば、地域の力というのは、そのような目先のブームによって高まるものではない。その土地で先人たちが培ってきた歴史、文化、自然、人間性、そして何よりも、その場に根付いてものづくりを続けてきた産業の担い手たちの、世界を相手にして一歩も引けを取らない技術力が支えるものである。
あのくまモンに、そんなものの片鱗でもあるか? ない。つまらぬマスコット人形や、キーホルダーや菓子、いわゆるくまモングッズがあるだけである。それを手にして、熊本県の歴史や文化、自然、産業力を感じ取る人がいるか? まず、いまい。
無駄。すべてはあだ花。ぐんまちゃんや、桐生のキノピーに脚光が当たらなくて幸いである。

さらに、だ。このゆるキャラブーム、どうしようもないのは、すべてが投票で決められ、その結果が大手を振ってまかり通ることである。
投票はネットで行われる。投票は1人何票でも構わない。つまり、ゆるキャラコンテストで、己の自治体のゆるキャラを上位に繰り込むべく、堂々とした投票勧誘が横行する。

「何度でも投票して下さい。1人で100票でも1000票でもいいのです、とにかく、何度でも投票して下さい」

こんなのがコンテストか?

「遊びだよ。青筋たてて怒るいことはないだろう」

という人もいる。が、遊びなら税金を使うな。民間人が、自分たちの金で遊ぶのなら、私だって文句は言わない。こんな詰まらぬことに私が納税した金が使われるのが腹立たしいのである。


と、常日頃怒っている私に、よりによって「ぐんまちゃん」が当たるとは、何とも皮肉ではないか。

防寒帽は店のおかみにかぶせた。コップは仕方なく持ち帰った。まったくつまらぬプレゼントであった。
誰だ、こんなモン買ってきたの?

私からのプレゼントをゲットしたのは、私と同じように定年後再雇用で働く同僚だった。

「これ、ありがたい。明日から早速、じっくりと楽しませてもらうわ」

単身赴任の彼は嬉しそうにそういった。
まさか、うわべだけの社交辞令じゃないよな?


さて、我が家のネットオーディオである。
このところ毎日、朝食のあとは音楽を聴く。今朝はBabyfaceの「MTV Unplugged NYC 1997」であった。1曲目はChange The World。Eric Claptonでヒットした曲である。
昨日は、John Lennonの「Acoustic」。生ギターでJohnが歌う。ベースラインを強調しながらの伴奏に、

「なるほど、こうすればかっこよく聞こえるのか。この曲、コピーできそうだな」

などと思いつつ、耳を傾ける。至福の時間である。
これも、ネットオーディオのおかげだ。手持ちのCDの音が一変し、

「聞きたい!」

という思いをかき立ててくれた。
さて、明日のアルバムは何にしよう?

と書き進めてきたが、今日は頭がはっきりしない。
そういえば昨日の忘年会。

「さあ、今日は浴びるほど酒を飲むぞ!」

と張り切る同僚に、

「でも、60を過ぎると、酒を浴びられなくなるんだよなあ」

とつぶやいてしまった。
それでも、右半身ぐらいは酒を浴びたらしく、今日は二日酔いとまではいかないものの、何となく調子が悪い。
早めに寝て明日に備えることにしよう。

では、お休みなさい。