02.23
2014年2月23日 バタバタと
週末を過ごした。
この時間になって
「あ、明日は月曜日か。暇になるな」
とホッとする私は、世間の常識の真逆を歩んでいる。
土曜日は、朝からディスクの整理に追われた。何しろ、ダビングしっぱなしのディスクがざっと50枚もたまっていたのだから、作業に追われるのも不思議ではない。
Bento(データベース・ソフト)にアクセスし、事前に整理しておいた映画のタイトル、画像、監督名、録画時間などをコピー、ペースとして1枚ずつプリントする。間もなくアカデミー賞が発表されるこの時期は、受賞作が目白押しで放映される。それにやれベルリンだ、カンヌだ、と受賞作が重なるから、どうしても録画枚数が増える。
合間には、買い物に行かねばならない。ほとんど外出されなくなった妻女殿に変わり、日常の買い物は私の仕事である。渡されたメモをポケットに、スーパーに、魚屋に車を走らせる。
「鍋用のフグが2人前900円で出てるんだけど、どうする?」
自宅で待つ妻女殿との電話連絡も欠かせない。
戻ると、再びディスク整理だ。瑛汰ご要望のスペインサッカー、イングランドサッカー、イタリアサッカー、ドイツサッカー。録画済みのディスクはいくらでもある。
終わったのは午後2時を回っていた。それでゆとりが出来たかというと、とんでもない。
先日、東京のSさんが遊びに来られたとき、土産代わりに(いや、土産もいただいた。高価な日本酒であった)Sさん所有のハイレゾ音源(つまり、CDよりもずっと高密度で音楽が記録してあるもので、ために音がよろしい)を、ハードディスクに記録して持参された。私にも聞けというご配慮である。
聞くためには、NASにコピーする必要がある。我が家でNASを操作出来るのはMacだけで、まず、これに移そうとした。ところが、MacユーザーではないSさんのハードディスクは規格が違うらしく、Macでは読み取れない。ために、仕事用として会社が渡しているウインドウズ機に、ひとまずコピーしておいた。これを、Macを介してNASに移さねばならない。
どうやるか。ウインドウズ機からUSBメモリーにコピーし、それをMacに認識させてNASにコピーする。まあ、何ともやっかいな作業だが、当面、他の手段を思いつかないので仕方がない。
実は、先週のうちに一部試みた。しかし、無線LANは通信がよく途切れ、作業がいつも中断していた。やっぱり有線でつないだ方が作業はスムーズにいく。
ということで、以前の日誌に書いたが、20mのLANケーブルを買い求めておいたのである。
だが、家の中にケーブルを走らせるのは心地よくない。特に、妻女殿の足が健康を失っているいま、ケーブルに足をひっかけて転ばれでもしたら事である。コブが出来るくらいなら笑い話で住むが、転んで大腿骨を骨折した実績を持つ妻女殿である。何が起きるか分かったものではない。
というわけで、NASをネットワークプレーヤーから切り離し、Macのそばまで持ってきて有線で接続、作業を開始した。
しかし、USBという端子は、実に通信速度が遅い。わずか7ギガ程度のデータを移すのに小一時間かかる。
やっと終えても、ゆとりの時間は戻ってこない。次は、パイオニアとLINNの鳴き比べ、音比べである。
このために買っておいたLANのハブを取り出し、Sさんに言われたように(のはずだが)接続した。こうすれば、NASに入っている音楽を両方のプレーヤーで同時に再生することが出来、アンプで切り替えて聞くことで、音の違いが確認できるのである。
いや、確認できるはずであった。
ところが。
どちらも、iPadの操作アプリで操作出来ない。操作出来ないほどだから、音など聞けるはずがない。
試みに、パイオニアの方をリモコンで操作した。すると音は出る。しかし、LINNさん(そういえば、我が家の愛犬もリンだったねえ)は、頑として再生を拒む。
いまになって思う。あれはきっと、接続が間違っていたのである。だが、昨日はそうは考えなかった。
「あかんわ、これ。うちで鳴き比べはできん」
ねばり強い性格であると、自分では思っている。周囲にも、そう思ってくれている人がいると期待する。なのに、昨日の私は、いやに諦めが早かった。
恐らく、ネットワークに全く自信がないからである。現実にネットワークに接続した機器を何台も使いながら、でもIPアドレスがどうの、サブネットマスクがふんだら、といわれると、頭がパニクってしまう。一度もまともに勉強したことがないためである。いや、まともに勉強しようと思っても、出来るかどうか。
だから、何も考えず、
「だったら、LINNは荷造りしちゃうか」
Sさんには、水曜日に届くように送り返せといわれていた。だから、まだ時間はある。しかし、鳴き比べが出来ないのなら、長く我が家に置く意味はない。さっさと荷造りをすると、ガムテープで段ボール箱を封印した。
作業を終えて考えた。
我が家に残ったパイオニアは3万円で買い求めた物である。対するLINNは、定価が90万円近くもする。30倍の価格だ。だから、ひょっとしたらパイオニアを送り出し、LINNを我がものにする選択肢もあった?
考えた。
もしそうしたら、どうなる?
Sさんとの交際を断たねばならない。そのためには、いくつかやらねばならないことがある。
・メールアドレスを変える
・「らかす」をやめる
・引っ越す(だって、Sさんは何度もこの家に来た。住所も御存知だ)
これくらいでいいか?
いやいや、まだまだである。
・会社を辞める(Sさんは私の勤め先を御存知である)
・横浜の自宅を売り、転居する(自宅の調べようなんていくらでもある)
さて、これで逃げ切れるか?
いや、先日は、桐生市の元有力者O氏の助力で、Sさんは土曜日の仕事に間に合うよう東京に戻れた。ということは、O氏から私にたどり着くことも出来る。
・O氏との接触を断つ
以上が、現時点で考え得る犯罪のコストである。割に合うか?
犯罪を防止するには、国民全員に義務教育における算数・数学を完全に身につけさせるにしくはない。計算さえ出来れば、大方の犯罪は割に合わないことが分かるはずである。
高校入試問題に四苦八苦している私が言うのだから、間違いない。
SさんのLINNは本日送り出した。
中身が紛うことなくLINNであることは、以上の分析から、どなたにもご理解いただけることと思う。
Sさん、ちゃんとLINNが入っているから安心して!
そうそう、本日、久しぶりに高校受験数学をやった。
「正方形と角の二等分線」
がちゃんと解けた。時間はかかったが……。
それにギターの弦も替え、1時間半ほど音を出した。
妻女殿が戻られて1週間。私にも、いいにつけ悪いにつけ、日常生活が戻りつつある。