05.17
2015年5月17日 それから
昨日から1泊2日で横浜に行ってきた。
1つは、妻女殿の歯の治療である。
もうひとつは、車検に出していた車の引き取りである。
で、昨日は午前8時半過ぎに桐生を出て、北関東自動車道、関越自動車道、圏央道を通って相模原に向かった。
前日、同じ県内で働く同僚が、高速道路での速度違反で捕まった。その翌日である。
「やっぱり、注意して走った方がいいかな?」
と思わないではなかったが、なにしろ、代車として貸し与えられたBMW320dはよく走る。少しアクセルを踏み足すとスピードメータの針はすぐに150㎞をこす。
というわけで、バックミラーで後方を注意しつつ、でも、快適なドライブを続けた私であった。
そうそう、途中、圏央道に入ってしばらく走ったころだった。突然、
バラバラ!
という音と共に、数十個、あるいは数百個のつぶてが車にぶつかってきた。
「何? 霰(あられ)?」
というのが妻女殿の反応であったが、この季節に、我が車の周辺だけに霰が降るはずがない。正体は小石であった。左前を走っていたダンプカーから落ちたものだと思われる。砂利を積んで走っていたのだろう。
でも、何故その一部が荷台から落ちる? 路面が荒れて揺すられたわけでもなし、強風が吹いたわけでもないのだが。
いずれにしても、つぶてが我が車を襲ったのは事実で、フロントガラスに一部傷が入った。ディーラーについて車を見ると、フロントバンパーの塗装も一部剥がれていた。
それを見て、私は思った。
「ああ、自分の車ではなくて幸いだった」
というのは私の人格がもたらす本音である。
というわけで、さて、である。
I君がつくってくれたネットワーク・プレーヤーはどうなったか。
日曜日の夜から火曜日の深夜まで作業をして、何の結果も得られなかった。仕方なく布団に入ったところまでは前回書いた。そして、水曜日。
朝の支度が終わると、やはり気になるのはネットワークプレーヤーである。
とにかく、Mac付属のターミナルが壊れ、頼りの綱としたApplePi-Bakerは動かない。だったらと、MacのOSを上書きして、せめてターミナルだけでも復活させたいと思ったら、インストール用のDVDが傷ついていてそれもならず。八方、十方が塞がったまま迎えた朝である。それでも、
「他に手立てはないか?」
と念じつつMacの前に座る私は何者なのか?
なんとも諦めの悪い男か?
底の底までのオポチュニストか?
前日の嫌な思いをすぐに忘れる、単なる健忘症か?
いずれにしろ、私はMacの前に座った。
座って、Macを起動し、念のためターミナルを立ち上げた。
「あれ?」
おかしい。これはどう考えてもおかしい。何と、ターミナルが正常に立ち上がって来るではないか。正常に立ち上がったときに、ウインドウにすでに書き込まれている呪文もあるではないか。
念のためにコマンドを入力して実行してみた。
おお、動く! ターミナルは正常に動く!!
私、何のためにMacのOSを発注してしまったんだろ?
何がどうなったのかは、この際どうでもよろしい。正常に戻ったことだけが重要事実である。これで、できるかどうかは不確かだが、とにかく、microSDカードにvolumioのイメージを焼く手立てだけは手にしたことになる。
残る問題は、私はこれまで一度も、ターミナルを使ってmicroSDカードにvolumioのイメージを焼く作業に成功したことがないことである。
であれば、次に何を考えるか。
「ターミナルが正常に戻ったのだから……」
そう、私は、焼き込み作業を簡単にやってくれるという触れ込みだったApplePi-Bakerを再び試そうと考えた。試してダメでも元々である。その際は、ターミナルの使用法を研究すればよろしい。もし万が一、ターミナルと同じように復活してくれたら……。
で、カードリーダーにmicroSDカードを挿し、ApplePi-Bakerを立ち上げた。焼き込みたいイメージを指定して、焼き込むボタンを押す。
「確か5秒ぐらいでフリーズしたんだよな」
とディスプレーを見ていると……。
「何、フリーズしない?」
ApplePi-Bakerは準備段階を終え、フリーズもせず、着々と焼き込み作業を始めたではないか。作業の残り時間まできちんと表示する。
「だったら、昨夜のあの抵抗ぶりは何だったんだ……」
3分ほどで焼き込みが終わった。早速黒コンピュータにセットし、ブラウザからアクセスする。
あらまあ、アクセスできちゃったよ! volumio、正常に焼けたんだね!!!
が、それだけでは音が出ないのがこのシステムの特徴である。いくつかの設定をしなければならない。
ブラウザから、まず「Library」を選ぶ。ここで、音楽データが入ったNASを登録しなければならない。
NASの名称を入れ、IPアドレス、NASの中で音楽データの入ったフォルダを書き込み、NASにアクセスできるよう、NASのユーザーネームとパスワードを打ち込んで「SAVE MOUNT」をクリック。
ここまでは慣れた作業だ。
ネットワークプレーヤーは、ちゃんとNASをマウントした。これでNASとの間の情報交換ができる。だから、「UPDATTE LIBRARY」をクリックして、黒コンピュータに、どんな音楽がNASに入っているかを覚え込ませる。
これでも、まだ音は出ない。さらに設定しなければならない項目がある。このあたりになると、記憶があやふやなのでネットで設定を解説したページを探し、参考にする。
「System」では、このプレーヤーのネームが「volumio」になっていることを確認し、「12S driver」では「Hifiberry」を選ぶ。確かI君にそういわれたはずだ。でも、Hifiberryって何だろう?
これをやって「Playback」のページに進む。そうすると、「Audio Output」が「sndrpihifiberry」になっているはずで……、うん、なっている。これでよいはずなので、REBOOTして、さて、音楽を……。
出ない。何の音も出てこない。
おかしい。カードはちゃんと焼けているはずだ。とすると、設定で間違ったか?
こういう際、最も情けないのは、それぞれの設定項目で、いったい何を選んでいるのかを、私がまったく知らないことだ。黒コンピュータがどのようなパーツでで来ており、volumioというソフトがどのような構成になっているのか、私はまったく知らない。
であれば、1つずつ可能性をつぶしていくしかない。
まずは12S driverである。これには「Hifiberry+」という選択肢もあった。これか? でも、「+」って何?
それとも、「Playback」の中にある「Resampling」か? 今のところ「disabled」になっているが、ひょっとして何か指定するのか? 「32bit/384khz」がいいのか? これって、CDからリッピングした16bitの音楽も、そのレベルまで引き上げてくれるってこと?
あれを試し、これを試し、でも、相変わらず音は出ない。試行錯誤はかれこれ2時間ほど続いたろうか。
最後に、
「まさか、これじゃないだろう。こんなこと、I君に言われた記憶はないもんな。ネットで見た解説でも、これを選ぶって指摘は皆無だったし」
と思いつつ、「12S driver」で「Hifiberry Digi」を選択してみた。
頭の片隅で、
「黒コンピュータは光で情報を出す。だとすると、出力はデジタルのはず。だからDigiかも」
と考えたことは考えた。だが、I君に
「これを選べ」
と指導された記憶は全くなかった。
それなのに、である。Rebootしてみると、おお、見事に音楽が流れ出したではないか!
以下は、喜び勇んだ私がI君に送ったメールである。
やればできるものではあります。
本日、無事に音が出ました。
カードにvolumioを焼くのに、何度失敗したか。
ついにはターミナルが壊れ、コマンドを受け付けなくなりました。もっとも、これは一夜たってMacを再起動したら元に戻りましたが。
「壊れた!」
と思って、最初にしたのはMacのOSの上書きです。ところが、インストールDVDに傷がついているらしく、再インストールができません。仕方なく、amazonで新しい(中古の)10.6を注文したのが昨夜。今朝になってターミナルが元に戻ったので、無駄な注文ではありました。
もっとも、焼いたのはターミナルを使ってではありません。
懸命にネットで探していたら「ApplePi-Baker」というソフトが見つかりました。最終的にはこれのお世話になりました。
途中、最新版をダウンロードすると、起動するのに管理者パスワードを要求します。ところが、何度入力してもエラーがでて、
「そうか、俺はパスワードを忘れたのか」
とパスワードを書き換えました。それでもエラー。
半ば諦めかけたとき、
「1つ古いバージョンなら?」
と思いついてダウンロード。これはパスワードは求めませんでしたが、なんと、焼き始めると必ずハングアップするのです。
そのような事もあり、ターミナルを修復する必要もあって、インストールDVDを発注したわけです。
案ずるより産むが易し。
この1つ古いバージョン、なんとマックを再起動すると、正常に動き始めました。そして、これまでに2枚焼き上げました。残りも焼かねばなりません。
それで一段落、のはずなのですが、今度は音が出ません。設定をどういじっても音が出ません。これに今朝からかかりっきり(今日は暇ですので)で、最終的に12S DACの出力を「Hifiberry Digi」にしたら、妙なる音楽が出てきました。
それまでは、頭に残っていた「Hifiberry」を指定、ダメだったので「Hifiberry+」など、様々を試みて最後に正解に達しました。
というわけで、幸い、あまりお手数を患わせることなく、成功した次第です。
この成功に味を占めて、手元にある残り4枚のmicrSDカードにvolumioを焼いたのはいうまでもない。
また、設定の画面をプリントアウトした。
これで、今後何があっても、我が家のネットワークプレーヤーは妙なる音を奏でてくれるはずである。
ああ、疲れた!
まずは、一件落着!!