02.20
2017年2月20日 こんなに?!
いや、日付けを見て驚いた。前回の日誌は2月10日。ということは、10日も書かなかったということだ。
「こんなに?!」
というのが実感である。主観的には
「もう4、5日たったかな。そろそろ書かないとやばいぞ」
程度の思いしかなく、作業を始めて驚いた。
まあ、この間、ちょいとばかり仕事らしきものが入って追われていたのが主因である。それが一段落したら飲み会が多かった。先週末からは横浜に戻っていたことも一因だ。
ついでに言ってしまえば、
書かないことの楽さ
を感じていたのかも知れない。いや、毎回違うことを書き続けて、日誌だけでこれがすでに1330本目。良くも書き続けたものである。いや、よくぞ、こんなつまらない文章を読み続けていただいたと感謝の気持ちもある。でも、だ。読み続けていただくというのは、ライターにとっては大きなプレッシャーでもあるのだ。
先週末の横浜行きは、璃子の発表会見学が目的であった。
「ねえ、17日の発表会、ババとボスも見に来て」
と璃子にいわれれば、
「忙しいから行けないわ」
と言い放つほどの強心臓は持ち合わせていない。
発表会は午後からと言うことだったので、17日の金曜日、午前9時過ぎに桐生を出た。平日であっても気にせずに移動できるのは、独立自営業者の特権である。
着いて、その日のスケジュールを次女、つまり璃子のママに確かめた。次女はすでに自宅におらず、書き置きによると
・昼食を済ませて2人で発表会場に来る
・璃子の出番が終わったら帰ってよろしい
・自宅には瑛汰が小学校から戻っている。午後4時に食事をさせ、弁当を持たせてボスが塾まで送る
ということは、瑛汰が塾にいかねばならない時間には、次女と璃子はまだ帰宅していないと言うことのようだ。璃子の願いで横浜まで出向いたと思っていたが、実は足りない人手を補うための招請でもあったらしい。
それはそれとして。
璃子という幼女は、天性のスターらしい。とにかく舞台に立つことが楽しくて仕方がない。舞台での璃子はうちから沸き起こる喜び、楽しみの笑みを抑えるのに必死にのようにも見えた。
登場したのは、
・合唱と合奏(璃子は最前列真ん中で歌い、ピアニカを演奏)
・和物踊り(ちゃんと和服を着て扇子をヒラヒラさせながら)
・ミュージカル・シンデレラ(シンデレラ役)
である。
いや、実に堂々たるもので、一番大きな口を開けて歌っていたのは璃子であった(ひいき目もある?)。踊りでは歩く速度が早すぎて前の子にぶつかりそうになったが、扇子の扱い方、視線の動かし方は様になっていた(これもひいき目?)。一番楽しみにしていたのはシンデレラのようで、マイク前に立って台詞を語る、歌を歌う。靴を片方脱いで走り去る。
自宅に戻っても興奮は冷めやらなかった。いつの間にか歌い始め、それだけでは沸き上がる気持ちが表現できないのか、踊り始める。シンデレラの台詞をしゃべり始め、ほかの演者の台詞も自分で付け加える。
「ほかの子の台詞もほとんど覚えてるのよね。あんた、自分の台詞の練習はしなくていいの? っていっても、大丈夫、大丈夫、というだけで、自宅ではほとんど練習していなかったわ」
ということは、璃子はシンデレラだけでなく、魔女の役も、意地悪姉さんたちの役も、王子様の役も、やれといわれれば即座にできたわけだ。
璃子、生まれながらの役者体質か?
その夜は、
「璃子はボスと寝る!」
と宣言した。が、掛け布団が足りず、この日の優先順位はお兄ちゃんの瑛汰に与えられた。ボスと瑛汰の添い寝である。
翌日も
「今日は璃子がボスと寝る!」
といった。瑛汰が
「だって、布団がないよ」
と自分の既得権益(私と寝るのは、そういうことらしい)を主張したが、璃子はひるまない。
「だって、お兄ちゃんは昨日寝たじゃない。今日は璃子の番だよ」
と堂々と兄を論破し、土曜日はボスと璃子の添い寝となった。
眠くなるまで本を読むのは、璃子と瑛汰の生活習慣である。この夜も璃子は本を2冊持ち込み、1冊は自分で読んだ。それが終わると
「ボス、本を読んで」
ともう1冊の本を渡しに押しつけ、聞く態勢に入る。私の朗読がそれほど優れたものとは思えないが、まあ、これは啓樹にも瑛汰にも、そして璃子にもやってきたことである。
「もういい。寝る」
添い寝するのだから私の腕枕で寝るかというと、そうではない。璃子は眠る時、私には指1本触らせない。触れられるのを嫌うのである。それでも、私の隣で寝たいという。何が楽しいのかよくわからないが、良く朝目を覚ました時も
「ボス、まだ起きちゃダメ。もう少しこうしているの」
と宣言して私と戯れるのだら、きっと璃子にとっては楽しいのに違いない。
時間は少し戻って18日土曜日。昼食は璃子の憧れの場所であったラーメン店「くまごろう」に出かけた。なにしろ、
「ねえ、くまごろうのラーメンが食べたい」
数ヶ月前から、璃子はそう言い続け、この日まで実現していなかったのである。
璃子のパパはひとりで出かけて食べてきたそうだ。その結果は、
「たいしたことはない」
との採点だったが、それを聞いても璃子は
「行きたい!」
という。まあ、一度食べれば治まるはずである。この日パパは仕事だったから、ババ、ボスを加えた5人で璃子の願いを実現したわけだ。
食べ終わって。
「璃子、どうだった?」
「美味しかった!」
璃子が食べたのは醤油ラーメン。
「瑛汰はどうだった?」
「味噌ラーメンだったのに味噌の味がちっともしなくてさ。なんか不味かった」
私の採点は
「二度と行くことはないだろう」
醤油ラーメンだけが良くできていたとは思えないのだが。
それにしては、店は混んでいた。桐生ではちょっと見かけないほどの混みようであった。
場所は川崎市。ここにはちゃんとした味覚を持ったヤツが少ないのかね? そういえば東京でも、行列ができているからといって、その店の味がいいとは限らない。いや、むしろ
「何でこんな味なのに行列ができる?」
と不思議さに驚く店が大多数である。かつてラーメン激戦区といわれた環状七号線沿いのラーメン屋でも、
「美味いな!」
と感じた店は1軒もなかったし……。あの辺はそんなものらしい。
日曜日、瑛汰と璃子のパパに歯の治療をしてもらって、夫婦して歯を1本ずつ抜かれた。驚くのは、歯科治療の進歩だ。痛みがほとんどない。
歯を抜くには、まず歯茎に麻酔薬を注射する。麻酔薬だから、注射して麻酔薬が入るとすぐに痛みは感じなくなるのだが、これまでは注射針を刺された瞬間の痛みはあった。その痛みも、ほぼ感じない。
注射針が細くなった。薬液を押し込むのが人力ではなく、機械式になった。その複合効果なのだろう。
「えっ、本当に注射した?」
程度の感じしかない。おかげで、治療を受けている間中、痛みから逃れていることができる。大変な進歩である。これなら歯医者も怖くない?
桐生に戻ったのは午後5時過ぎ。
今朝は、瑛汰に
「ボス、この問題分からない。教えて」
といわれていた算数の角度問題に取り組み、解答をファクスで送った私であった。送った解答、多分間違ってはいないと思うが……。