06.27
2017年6月27日 提灯記事
世には、素晴らしいセンスを持つ物書きがいる。私など及びもつかない世界を開いてみせる物書きがいる。
上の写真を見ていただきたい。いま発売中のビッグコミック2017年7月10日号に載っている山科けいすけさんの漫画、「C級さらりーまん講座」の一コマ、というか、4コマ漫画の最後のコマである。
これ、見ただけで分かりますよね?
あえて解説を加えれば、疲れた姿のサラリーマンが帰宅する。いつもは途中で飲み屋に引っかかってくるのに、最近は帰りが早い。そして、このコマである。
「政権の提灯記事を載せてる新聞社に勤めているから?」
このオヤジは、あのY新聞に務めているのである。で、飲み屋の提灯を見ると、Y新聞に載った記事を思い出してしまい、酒を飲む気にもならないのである(前回は実名で読売新聞と書いたのに、ここでは実名を出さず、Y新聞と書いているところを評価していただきたいのであります!)。
ああ、悲しきさらりーまん!
あまりにも面白かったので、最後のコマだけ写真に撮って皆様に見てもらうことにした。山科さん、ご了解を取る手間を省きましたが、お許しを!
いつも、山科さんのセンスのいい4コマ漫画(ときには8コマになる)を、毎回必ずお金を払って買ってビッグコミックを購入、楽しませていただいております!!
将棋の藤井4段。快挙である。
が、29連勝は1面トップにするほどのニュースか? 朝日新聞(我が家にはこれしか来てないので)。
確かに、大衆はヒーローの登場を待ち望む。その大衆にヒーローの登場を告げるのもメディアの役割かもしれない。
だが、その大衆心理は、あの太平洋戦争を賛美した心理と紙一重ではないか、とメディアの皆さんはちらりとでもお考えになったことはあるのだろうか?
あの太平洋戦争で、朝日新聞をはじめとするマスメディアはこぞって戦争を賛美した。大衆が賛美することを望んだからである。戦争の英雄(多分、敵国民をたくさん殺した人たち)の登場を歓呼の声で迎えたからである。
「いや、将棋と戦争は違う」
とおっしゃるか。
だが、いまのメディアに、戦争が始まろうとするときに一線で踏みとどまる見識がはたしてあるか?
提案する。あらゆるものに「たかが」を付けてみよう。
たかが将棋、
たかが野球、
たかがオリンピック、
たかが仕事。
もちろん、「たかが」といえないこともある。家族や暮らしにはちょいと付けにくい。だが、おおむねの物事は「たかが」がつくはずである。「たかが」をつけて自分との距離を正常に保っていないと、いつの間にか物事が引き起こす波に飲み込まれてしまうのではないか。
14歳の藤井君の天才ぶりには私も驚嘆する。すごい若者が現れたと思う。だが、それも「たかが」の世界の出来事だ。藤井君が負けなしの100連勝をしたところで世の中が良くなるはずもないし、私の暮らしが良くなるはずもない。つまり、私にはあまり関係のない出来事なのではないか。
いたずらにヒーローをたたえる世の中が怖い私であった。