2017
09.12

2017年9月12日 CIA

らかす日誌

相も変わらず、仕事の隙間をまって、旧「らかす」から新「らかす」への原稿の移し替えに励んでいる。といっても、なかなか退屈な作業で、はかばかしくは進まない。

それでも、「シネマらかす」は85本全て移し終えた。
これは、写し取った映画の台詞をできるだけ読みやすくするためテーブルという仕組みを使い、発言者と発言内容がはっきり分かるようにしているため、面倒さが半端ではない。原稿1本を移すのに1時間はかかってしまった。その難作業が終わり、いまは「らかす日誌」に全力を挙げている。

だが、まだ2008年8月分まで終えたに過ぎない。残りが多分1000本以上ある。いつになったら旧「らかす」を閉じることができるのか。前途は長い。

とため息をつきながら作業を進めているのだが、悪いことばかりではない。原稿を移設しながら、当然のことながら目を通す。通すと、

「ありゃ、こんな間違いをしやがって」

というところがかなり目につく。まあ、いい加減なライターであることを改めて思い知りながら修正する。同時に、

「これは今の時点で付け加えておいた方がいいな」

というところには、少しばかり書き加える。例えば、「2008年8月30日 戰艦大和ノ最後」の原稿では、最後に

「amazon.co.jp だと、古書が433円よりとある」

という文章があった。ふと、だったら、今はいくらで古書が出ているのかな、と気になってamazon.co.jpで検索したら、この本がなかった。講談社文芸文庫に収録されたとも書いているのだが、そちらも絶版になったのだろうか?
そんなことを書き加えてい行く。

いや、それは作業の話である。

いいこと、は少し違う。

「へえ、そんなこともあったか」

自分史を顧みることができることである。
四日市の敬樹が生まれた後は、敬樹の話がかなり増える。横浜で瑛太が誕生すると、瑛太に振り回される私の姿がある。現在では、彼らはすでに中学1年生、小学5年生に成長しており、目前の彼らと付き合うことで精一杯になり、2人が幼いときのことはほとんど思い出す機会がない。思い出さないと、記憶は薄れてしまう。

いま、日誌を移し替える作業をしながら、可愛い、としか表現できない2人の往時の姿をもう一度味わっている。これが、なかなか楽しい。2人にも、これは読ませてやりたいと思う。

例えば、すっかり忘れていたが、敬樹は3歳の頃、

うるさいロック

を作詞・作曲した。私の長男が置き去りにしていたエレキギターを持ち出してかき鳴らし、ひたすら

うるさい、うるさい

とシャウトするのである。これに瑛太が加わり、やはり

うるさい、うるさい

とシャウトする。
それだけのことだが、

「はあ、そんなことがあったか。忘れてるな」

という程度になってしまったのが私の記憶力である。

そんなこんなで、遅々としてではるが、作業は進んでいる。

寂しいのは、これほど苦労をして移設作業をしても、多分、どなたにも読んでいただけないことである。無理もない。すでに移し終えた原稿は400本を超す。新しい原稿が上に出てくるいまのサイトでは、2008年の日誌なんてのは、ずっと後ろの方にしか出てこない。わざわざスクロースして昔の原稿を探していただく方は、おそらくいらっしゃらない。
「らかす日誌」を開いていただく手もある。が、これも新しいものから並ぶ。しかも、全ての原稿が出てくるまでにはかなり時間がかかる。そんな手間をかけて、私のずっと昔の、個人的な思い出を読んでみよう、などと思っていただく奇特な方がいらっしゃるとはとても思えない。

まあ、個人的な記録のための作業に過ぎないのかもしれない。それでも、かつて書いた日誌は、私の大切な一部である。誰も読んでくれなくても、作業は続けようと思う。

昨日、「CIAの秘密戦争」(マーク・マゼッティ著、ハヤカワ・ノンフィクション文庫)を読了した。ジャーナリストによるCIAの内幕ものである。
情報収集を目的に生まれたCIAが軍部と対立しながら軍事組織の性格も持つようになり、外交要人やテロリストの暗殺を進めるようになった一方、戦闘を役目とする米軍が情報収集の必要性を痛感し、独自に情報収集をするようなった流れが、詳しく書かれている。
あの、初の黒人大統領となったバラク・オバマは軍部よりCIAを信用し、多くの要人暗殺を命じたそうだ。ちょっとした驚きである。

という話を持ち出したのは、北朝鮮が頭にあったからである。
国連での制裁決議はあったが、さて、これからどうなるのか。ひょっとしたらCIAは、すでに金正恩暗殺の準備を進めているのではないか?
なにしろ、暗殺に使われるのはドローンだそうだ。標的の所在がはっきりしたら近くの基地からドローンを飛ばし、ドローンに積んだロケット砲で吹き飛ばす。

トランプとCIAの関係はどうなっているのか? これまでのトランプ政権の人事を見ていると、決して信頼関係が築けたとは見えない。ではトランプは軍部を使うのか?

なかなか読み応えのある本である。読めば、アメリカがいかに

America First

を、暗殺、拷問を含めた軍事力で維持してきたかが見えるようになる。関心をお持ちの方はご一読を。でたばかりの本だから、まだ絶版にはなっていないはずである。

ん? 都民ファーストも、CIAのような組織を持つのかな?