10.18
2018年10月18日 延期
今日は、先日受けた人間ドックの結果に基づく精密検査の日であった。時期の関係から山口クリニックでの人間ドックであったが、精密検査は桐生厚生病院。今日は肝臓に影があるとのことで、肝臓の精密検査を受ける予定だった。
朝10時までに行けとのことだったので9時半頃着いた。まず手続きをする。読書をしながら順番を待っていると、やがて診察室に通された。
若い医師である。なかなか男前であった。山口クリニックでの検査結果を見て彼はいった。
「実は、私は大腸が専門でして、肝臓専門の医師は明日来るんですよね。いかがでしょう。私がやってもいいのですが、やっぱり専門の医師の方がいいとも追うのです。そちらが良ければ明日で直していただくことになりますが、いかがでしょう?」
あて、このような対応を受けたとき、人はどのような反応を示すだろうか?
2つに分かれそうな気がする。
「何だと!? 出直せ? 今日来いといったのはそちらだろうが。精密検査の内容が肝臓とあれば、肝臓の専門医がいる日に来いというべきだろうが! あんたんとこのミスで、どうして俺が2度も足を運ばねばならん。責任者を出せ、責任者を!」
とがなり立てるのが一つのタイプ。
まあ、これにも理はある。確かに桐生厚生病院のミスである。同じ内科とはいえ、大腸の専門家に肝臓についての判断が正確に下せるとは思えない。人間ドックを受診して、その結果精密検査の必要ありと判断された患者なら肝臓に障害がある恐れがある。町医者でははっきりした判断が出ないので総合病院に回ったのだから、専門医が診なければ意味がない。
ミスはミス。がなりたてられても仕方あるまい。
が、私は何だか清々しくなった。
彼も内科医である。黙っていれば、患者である私は彼の診察を受け、彼の診断を信じることになる。まあ、診断ミスをするかも知れないが、医師の見立てが100%正確だとはいえないのが医療界の現状であれば、起きうるミスの一つに数えられ、やがて忘れ去られるであろう。そして、彼の医師としてのメンツが損なわれることはあるまい。
なのに、彼は素直に病院のミスを認め(言葉にしたわけではないが、「肝臓の専門医は別にいる」というのは、ミスを認めたも同然である)、翌日は在院する肝臓専門医への受診を勧めた。これこそ患者を大切にする姿勢ではないか、と受け取ったのである。
「あ、そうですか。はい、じゃあ明日来ましょう。やっぱり、肝臓を専門にしていらっしゃる先生に見てもらった方がいいですよね。はい、はい、では明日再来院するということで、はい。ありがとうございました」
とニッコリ笑って素直に立ち上がる私に、彼は
「申し訳ありません」
と言葉を重ねた。うん、このイケメンの若手医師、好ましい! 私にその方面の趣味がないのが残念なほどである。
というわけで、明日朝再び、桐生厚生病院に出かける私である。
が、である。
あの医師が自分で診察せず、わざわざ専門医に診せるように勧めたということは、私の肝臓はかなりピンチなのか? ひょっとして肝硬変? あるいは肝臓ガン?
それにしては、昨夜の飲み会では気持ちよく酒が飲めたが……。
一抹の不安を抱えながら明日、桐生厚生病院に向かう私である。
そうそう、実は肺のレントゲン写真にも影があるということで、肺の精密検査も受ける。これは週明け月曜日の予定であった。ところが桐生厚生病院からの戻り道、この病院から電話が来た。
「月曜日に肺の精密検査もお受けになるんですよね。実は、明日は肺の専門医も出てくる日なのです。よろしければ、月曜日に予定した検査を明日受けていただくことも出来るのですが、いかがしましょうか?」
ありがたい申し出である。2日に分かれるはずだった精密検査が1日で終わる。これは1も2もなく、申し出を受けるべきである。
「それはありがたい。是非そうして下さい」
こうして明日は、2つの精密検査を受ける私である。
そうそう、ついでに書いておくと、先日の胃カメラ、後日の血液検査の結果、私はピロリ菌を持っていることが明らかになった。放っておくと胃がんになるリスクが高いとのことで、ピロリ菌を退治する薬を飲むことになった。7日間、朝夕飲み続けるのだという。
この薬、副作用が報告されているという。下痢と発疹である。ために、服用開始を26日夕とした。26日は我が妻女殿を前橋日赤までお連れする日である。乗車時間は片道1時間ほど。この1時間に副作用が出たら、いや、発疹ならボリボリかきながらでも運転できるが、下痢が始まれば地獄である。50号線を走りながら必死にトイレを探す……。間に合わなければ……。
それはなんとしてでも避けねばならないのである。
ついでのついでだが、愛車のタイヤが2本、新しくなった。一部が破損しかけたタイヤでヒヤヒヤしながら走らなくても良くなった。昨日のことである。
不思議なことに、タイヤを交換しただけなのに、エンジン音が静かになった。まるでエンジンをオーバーホールしたみたいである。何が起きたのか? タイヤ交換にはそのような副次効果があるのか。
訳が分からないまま、でも、結果を喜んで受け入れている私であった。