01.18
クリスキット仲間が桐生で増えています。
あのO氏が、クリスキットP35-Ⅲを買った。ヤフオクで落札した。
彼は私と付き合いだしてしばらくたってプリアンプ、Mark8-Dを入手した。私が盛んに勧めていたのだが、
「俺さあ、音の善し悪しなんてよく分からないから」
と拒否し続けていた。そこへネットワークオーディオ化の話が持ち上がり、そうこうしているうちにデジキャスの昔の仲間が桐生に遊びに来た。その彼はMark8-Dを数台持っていて、私とO氏の話を聞くと
「私の持っているヤツを譲りましょうか」
といいだし、1台がO氏のものとなった。
O氏はMark8-Dを、私のアドバイスに従って既存のプリメインアンプ(DENNON製)のAUX端子に繋ぎ、ネットワークオーディオを楽しむ身となった。その後、あれほど
「音は分からない」
といっていた彼が、私の知人に勧められたDALIの小さなスピーカーも確か買ったはずである。
そのころから、
「パワーアンプもクリスキットにしな」
というのが私のアドバイスだった。新品はもうないからヤフオクが頼りだが、割と頻繁に出品されている。4万円程度で買える、と何度も勧めた。あれから何年たっただろう?
そのO氏がP35-Ⅲ導入に踏み切ったのは、DENNONのアンプから雑音が出始めたためである。数日前に、突然
「パワーアンプを買おうかな」
と言い始め、16日土曜日に
「買っちゃった」
という連絡があった。その日のうちに接続したようで、
「いやあ、全体のバランスが良くなったね。低音も締まったみたい。いいよ」
音が分からないといっていた彼が、やっとクリスキットで音に目覚めた。72歳を目前に控えた71歳。大変に遅い目覚めだが、まあ、同好の士が一人増えたのである。
Wellcome!
といっておく。
私がサブセットとして使っていたクリスキット、ネットワークプレーヤーを貸し出している市内のM氏も、Mark8-DとP35-Ⅲを、やはりヤフオクで落札した。
私のセットを貸したときから
「いずれ私は横浜に戻る。その時は貸しているセットは引き上げる。ネットワークプレーヤー(RaspberryPiにDACカードを載せたもの)とHDDは実費でお譲りしてもいいが、クリスキットは持っていくので、それまでに入手して欲しい」
とお願いしていたら実行してくれた。
ということは、私は間もなく横浜に戻るのかな?
それはそれとして、M氏は1つ失敗した。
「大道さん、買ったよ、クリスキット」
と電話があったのは1ヶ月以上前のことだった。それまでにMark8-Dは購入済みだったので、P35-Ⅲを買ったのかと思ったら、
「いや、ミニアンプって書いてあるんだけど」
あちゃー、これは私も一度作ってみて、痩せ細った音に驚き、桝谷さんに
「作り間違えたかな?」
と電話したアンプである。
私の電話に答えて桝谷さんはいった。
「いやあ、あれは失敗作ですねん。集積回路を使えば小さく出来ると思って設計してみたんやけど、あの音はいけまへんな」
同じことをM氏に伝えた。数日後、
「繋いでみたら、大道さんの言うとおりだった。もう一度P35-Ⅲを買いますわ」
とのことで、それから間もなく、
「買いました!」
という連絡が来たのである。
桝谷さんが亡くなってもう20年が立った。ということは、2人が入手したアンプは、組み立てられてから少なくとも20年は経過している。
「どこかが壊れるとしたら、スイッチかなあ、それともコンデンサ?」
などという声が出たから、
「クリスキットは当時手に入った最高のパーツで出来ているから、故障の心配はまずない」
といっておいた。私が使っているヤツだって20数年から30数年使っているが、どこも壊れることなく、綺麗な音を響かせている。まあ、何かあったら、私が面倒を見ることになるのだろうが。
これで桐生に、私を含めて少なくとも3人がクリスキットで音楽の世界に浸っている。
桝谷さんがご存命なら顔をあわせて祝杯でも挙げたいところだが、そう行かないのが世の中のままならないところである。
コロナの第3派が一向に終息しません。皆様、ご自愛を。