02.17
璃子がボスに挑戦状をたたきつけてきた!
横浜の璃子からショートメールが入ったのは、昨夜だった。2枚の写真とともに送られてきた文言は
「これ、ボスはどうやってとく?? 私は、解けたよ!!♥️ お願いしていいですか?」
ふむ、これは丁寧な文面ではあるが、紛れもなく挑戦状である。私解けたけど、ボス、あんたは解ける?
送られてきた算数の問題は次のようなものだった。
1から11までの数が1つずつ描いてあるカード11枚を、裏返しにして横1列に並べました。そのあとに偶数番目のカードを表にしたところ、次のようになりました。
▢1▢2▢3▢4▢5▢
表にしたカードの数が、その左右のカードの数の差になるとき、左端のカードと右端のカードの数の差はいくつですか。
すぐに璃子に電話をし、ボスはただいま映画鑑賞中であること、従ってこの問題に取り組むのは明日にしたいがいいか、と問い合わせたところ、
「いいよ」
との快諾を得た。
映画を見終わったのは午後11時頃である。ああ、まだ寝るまでにはしばらく時間があるわい、と考えた私は、グラスにウイスキーを注いで机の前に座り、やおらレポート用紙を取り出して問題に取り組み始めた。明日でもいいが、なにしろ璃子からの挑戦である。ボスの実力を示さねば今後の算数指導に問題が起きかねない。
と力んで頭を回転させたのだが、まあ、思ったより簡単であった。私が璃子に送った答は次の通りである。
▢1▢2▢3▢4▢5▢
・入る数は6〜11
・この中で、入る数が最初に決まるのは▢5▢のところ。
ほかのところはいろいろ組み合わせができるが、ここは11と6しかない。
だから、ここから始める。
▢1▢2▢3▢4▢5▢
1番目 6 11
2番目 11 6
そうすると、4の左に来るのは10,7,と決まる。
こうして次々に埋めていく。
▢1▢2▢3▢4▢5▢
1番目 8 9 7 10 6 11
2番目 9 8 10 7 11 6
どちらも、結果は3になる。
今朝電話で聞くと、璃子も同じ解き方で答に行き着いたのだそうだ。まあ、これしかないだろう。
でも、どうしてボスに解かせようと思った?
「うん、この前ね、ボスが大事な問題だっていって教えてくれたのがあったでしょう。だからね、璃子は解けたけど、ボスはどんな解き方をするのか知りたかったから」
大事な問題だと璃子にいった問題は、こちらに紹介した素数の問題である。そうか、璃子はあの問題が記憶にこびりついていたか。うん、いいことだ。
今回は璃子の挑戦を何とか凌ぐことが出来た。しかし、4月になれば璃子は5年生。算数の難度は急速に上がる。いつまで挑戦を受け止めることが出来るだろう?
瑛汰と一緒に算数を勉強した際、最後の方は同じ問題に取り組んで瑛汰の方が先に答に行き着いたこともあったからなあ。
ボスは、頼りない私設家庭教師である。勉強しなきゃ……。