2024
06.19

私、車を買い換えておりました、の2

らかす日誌

車を替える。それには、新しく愛車にする車種を決めなければならない。
条件はひとつ。妻女殿の乗り降りが現状より楽になるかどうかである。

BMWからは離れたくない。あのエンジンフィール、しっかりと支えてくれる足回り、シートの出来の良さ、総合していえば、Fun to Drive。あの世界から離れたくない。離れてしまえば、運転が億劫になるに違いない。

私の頭の中にあるのは、前回書いたようにBMW X3である。デザインは好ましくないが、買い換えの目的である乗降性を考えれば、今回はセダンは諦めざるを得ない。

しかし、X3にすれば、本当に妻女殿の乗り降りが楽になるのか?
買うとすれば、これまで何とか手をつけなかった定期預金を取り崩すしかなかろう。買って、車が来て、

「これ、乗り降りが大変だわ」

などと言われたら取り返しのつかないことになる。どこかにX3の乗降性を実感できるところはないか? そういえば、あの花屋さんの息子はX3に乗ってたな。頼んでみるか……。

と考えていて、ふと思いついた。そうだ、ディーラーに行こう! BMWのディーラーなら全ての車種が揃っている。それに乗ってみればいい。

妻女殿の体調と相談しながら、隣の太田市にあるBMWのディーラーに行ったのは1月下旬だったか。

「申し訳ない。妻の足が弱って、乗り降りが楽な車種を探している。ちょっと車を見せて下さい」

妻女殿をX3に乗せてみた。なんだか乗りにくそうである。どうやらシートの座面が高すぎるようだ。そうか、X3はだめか。
X1は多少具合がよかった。その後乗った2シリーズもそこそこ楽そうである。しかし、私はデザインが気に入らない。こんな車に乗るのか?

「ねえ、X2ってありますよね」

BMWで偶数の数字を頭に持つのはクーペタイプである。もとは1,3,5,7しかなかったが、その後2、4,6.8とスポーティな形をしたクーペシリーズを出した。2は1のクーペタイプ、4は3のクーペタイプ、という位置づけである。そしてXはSUV。X2は、1シリーズベースにしたクーペタイプのSUVである。
と私は理解しているが、それでいいのかな?

ということを考えての

「ねえ、X2ってありますよね」

だった。ところが、

「いまちょうどモデルチェンジの時期でして、あいにくX2は置いていません」

そうか。ではX1、あるいは2シリーズのどちらかにするのか? 決断できない。やっぱりX2も試してみたい。
そう思って、前橋市にあるディーラーの電話を入れた。太田市のディーラーに比べれば、こちらの方が規模が大きい。ここならあるのでは?

「そちらにはX2はありますかね? 確か隣には中古車センターもあったと思いますが」

だが、ここでも期待は裏切られた。

「申しわけありませんが……」

そこで事情を説明した。足が弱った妻が楽に乗り降りできる車種を探している。太田市のディーラーでこれこれは試した。試していないのはX2だけである。どなたかの所有車でもいいのですが、乗降性を試すことはできませんか?

「わかりました。探してみます」

電話の向こうの担当者は、X2探しを引き受けてくれた。間もなく、

「ありました。明日おいでになれますか?」

と連絡が来た。妻女殿に体調をお伺いする。

「明日、前橋で行けそうか?」

了解を得て、前橋のディーラーに

「明日行きます」

と伝えた。

その「明日」。用意されていたのはどなたかの私有車のようだった。カルバニックゴールドといわれる色の車である。

「いい色ね」

が妻女殿の第一声であった。いや、色などどうでもいい。知りたいのは乗降性である。
助手席のドアを開けて

「乗ってみろ」

といった。

「あ、楽に乗れるみたい」

次は後部座席である。これもドアを開けて

「乗ってみろ」

といった。

「ああ、この車が一番楽みたい」

これで車種が決まった。X2である。
決まったが、勿論新車を買う金なんてあるはずがない。そこで親切に対応してくれた担当員に

「ごめんなさい。私はすでに年金生活者で新車を買うゆとりはありません。それに、お宅の中古車センターにはX2の在庫はないようですので、あとはこちらで探します。本当にお手数をかけました」

と礼を言い、桐生に戻った。
あとは、5万円ポッキリの手数料を払えば中古車オークションで落札してくれる沼田屋んいお願いするばかりである、